カリフォルニアワインの
主用葡萄栽培品種
メルロー


◆Merlot
 メルロー
■概要■
 ボルドー地方のサンテミリヨン、ポムロール地区の主要品種。カ リフォルニアでは1980年代に入ってから広く栽培されだした。
 カベルネ・ソーヴィニヨンにメルローを少量加えるとワインに柔 らかさ、まろやかさ、複雑さ、そして優雅さを与える。本格的に栽 培が開始されたのが遅いメルローは、しばしやせた土地や比較的寒 冷な土地に追いやられたが、逆に元来の旺盛な成長力を適度に押さ え、メルロー独自の風味を持つぶどうを育み、風味豊かな重厚なワ インを生み出すこととなった。その結果、ヴァラエタル・ワインと しての需要が急増している。1972年はわずか4社が造るだけであっ たが、1980年には66社、現在では200社以上がメルローを造っている
■果実の形状■
 果粒は中程度の大きさで球状、熟すとラディッシュ色がかった黒 色になる。果皮の厚さは中程度、果肉に含まれる繊維質が多い。房 は長めの円錐状、大きさはやや小さめから中程度。
■栽培適地■
 成長力が強く新梢は直立する傾向がある。粘土質土壌など比較的重い土壌に適す
■収穫■
 カベルネ・ソーヴィニヨンより早く収穫期を迎えノース・コース ト地区では9月中旬から10月にかけて収穫期を迎える。収穫量は年 ごと、樹ごとの差が大きく、恵まれた年はエーカー当たり平均5ト ンの収穫量があるが、通常はそれよりも少ない。果軸が長く容易に ハンド.ビッキングできるが機械収穫にも適している。
■醸造&熟成■
 口当たりが柔らかでありながら豊かな風味をもつメルローは、醸 造面においていくつかの選択肢がある。一つはメルローのもつまろ やかな果実香とヴェルヴェットのような質感を強調する短期熟成で 飲むことができるミディアム・ボディのワインである。他にはより パワフルで色の深いフル・ボディの長期熟成(通常5〜7年)に耐 えるワインが造られ、瓶熟成により一層優雅さを増す。またヴァラ ェタル表示をするカベルネ・ソーヴイニヨンのワインに、あるいは メリテージュ・ワインにブレンドされる場合も多い。檜熟成には一 般にフレンチ・オークが使われる。