●ぶどう栽培
GRAPE GROWING
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1960年代後半から80年代にかけてカリフォ
ルニアでは、醸造に関する実に様々な研究開
発が行われ、ワインの品質を飛躍的に向上さ
せてきた。そして80年代半ばよりBack to
The Vineyardの掛け声の下にぶどう栽培に
かかわる各種の調査研究が活発に行われだし
た。ここでは新たな研究の成果を含め、カリ
フォルニアにおけるぶどう栽培の特徴につい
て記す。 |
やはり基本は葡萄栽培からです。
これは、世界共通です。
ここでも、やはり法律に自由度の高い
カリフォルニアでは、その気候&土壌に
相性の優れた葡萄品種を、探ります。
この地域だから、カベルネは、AOCを
名乗ってはいけない、なんて法律が無いから
なのですね。 |
◆ヴインヤード開発
ヴインヤードを新たに開くにあたり、まず
気候、土壌は言うまでもなく水利等を考慮し
た上でサイト・セレクション(畑地の決定)
を行う。近年は平地よりもぶどうの成長には
過酷な条件をもち小粒だが質の高いぶどうを
育くむ山や丘の中腹に畑を開くケースも増え
てきた。さらにこの段階で土壌の分析を行い、
ぶどうの木の成長に必要な栄養素の含有量、
土壌中に潜む病害虫の有無などを調査する。
次に開発地に合わせてスペーシング(植樹
の間隔)を決定する。一般に8×12feet(畝間約
3.6m、畝における樹間約2.4m)から8×9feet
で、植え付け密度はボルドーの20〜30%程度
である。大型トラクターも使用できる農作業
の機械化を計ったスペーシングだが、近年は
ぶどう樹にストレスを与え木の成長力を押さ
え、果実に栄養分を集中させるために高密度
のスペーシングを採用する畑が増えてきている。
品種の植え付けは、既にルート・ストック
を接木した苗木を植える場合と、まずはルー
ト・ストック用品種を植え、翌年ワイン用品
種を接木する場合がある。
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葡萄生育に関して、その可能性、
リスクを見るのは大切な事です。
作業効率、生育を考えた、事ですね。
ドイツ、モーゼル地方は植樹の間隔は
1×1mです。
アメリカでは1エーカー当り何トン
フランスでは1アール当り何ヘクトリットル
色々な表示がありますが、一本の葡萄の木
から、どのくらい収穫出来るか知る事が大切。
ほら、辞典を出して単位の勉強です!
ルートストックは台木の事です。
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◆霜害防止及び潅漑設備
霜害を受けやすい沿岸部の平地にあるヴィ
ンヤードでは対策として、重油を燃やすポッ
トと呼ばれるストープ、上空の暖かな空気と
地表近くの冷たい空気を掻き混ぜるウイン
ド・マシーン、スプリンクラーのいずれかを、
あるいは併用して設置している。
スプリンクラーは灌漑設備としても活躍し
ている。近年はぶどうの樹から樹に渡された
ゴム・チューブに取り付けられた注水口から
ぶどう樹の根元近くに滴らせるように水を与
えるドリップ式が増えている。このシステム
はスプリンクラーより使う水量がはるかに少
なく、雑草の繁殖を押さえられる利点がある。
セントラル・ヴァレーでは水量の豊富なサク
ラメント河から引いた水路より直接水を畑に
流し込む方式も取られている。
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まとめると
燃やす
掻き混ぜる
水を掛ける
この三つだね。
ここは、表題の画像を見れば
分かるかな?
ドリップ方式は雑草の繁殖を抑えるは
単に雑草が水が無く、育たなくなるだけ。 |
◆フィロキセラ対策
1980年代半ば、ノース・コースト地区はル
ート・ストックを使用しているヴィンヤード
でフィロキセラの害が確認され、ワイン関係
者を震撼させた。調査の結果、従来のフィロ
キセラには有効であるルート・ストックAXR
−1を食い荒らすことのできるフィロキセラ
の存在が確認され、バイオタイプBと名付け
られた。フィロキセラはトラクターの車輪や
作業員の履く靴底の溝に付着して他のヴィン
ヤードに移動することが多く、管理態勢が強
化された現在、バイオ・タイプBによる被害
の拡大は最小限に防がれている。さらにノー
ス・コーストのAXR−1を使用しているヴィ
ンヤードでは、順次他のルート・ストックに
改植中であり、バイオ・タイプB対策に万全
を期している。
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ヨーロッパのフィロキセラも、アメリカの台樹が使われたのですよ。 |
◆キャノピー・マネージメント
春に芽生えた新梢が繁茂した状態がキャノ
ビーである。キャノビーはぶどうの風味その
ものにも影響を与え、カビなどの被害を受け
る原因ともなる。近年、ぶどう樹の仕立て方、
剪定、新梢を支えるワイヤーによりキャノビ
ーをコントロールし、果房を直接日光にあて
果実味を増したり、通風性を良くしてカビの
被害を軽減するなどのキャノピー・マネージ
メントに関する研究が盛んに行われている。
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よく分からないのです。
結局新芽の剪定のことかな〜 |
◆トレーニングとプルーニング
カリフォルニアのヴィンヤードで一般に見
られるトレーニング(ぶどう樹の仕立て方)
とプルーニング(剪定)の組み合わせは図の
ように3種ある。トレーニング及びプルーニ
ングに関する法的な規制は無く、最近はケノ
ピー・マネージメントを考慮した様々なトレ
ーニング・スタイルが生み出されている。支
えのワイヤーをX字形に配置し通風性を良く
するスタイルなどがその一例である。
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垣根つくり、株つくり、棒仕立て等
ヨーロッパにもその考え方はあります。
日本の棚仕立ては、湿度が高く
地面の細菌を付着させない為です。 |
◎株仕立て短梢剪定
ジンファンデル、プティ・シラーなど新梢
が直立しやすい品種に使われる。
農作業の効率化が計れないため、古くから採
用されている仕立て方だが、減少傾向にある。
クリックすれば実際の画像が
見れます。→
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◎株仕立て長梢剪定
カリフォルニア大デイヴィス校で開発され、
広く行われている仕立て方。コルドン・スタ
イルよりも作業の手間はかかるが、収穫量の
コントロールがしやすい。 |
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◎コルドン仕立て短梢剪定
やはりカリフォルニアで広く行われている
仕立て方、ぶどう樹の管理がしやすく作業効
率がよい。
クリックすれば実際の画像が
見れます。→
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