有馬温泉 陶泉 御所坊 前田和也氏 |
VS |
268ワインセレクション 斉藤版 10番勝負!
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お客様の好みを如何に察するか、その上で選ぶワインは?。
そんなワインセレクターがお客様の投票で、セレクション対決をしてはや五戦目。
Vin du 268としては、
代表に斉藤を選び、ワインのセレクション対決を行っています。
対決者:前田和也氏について
「有馬温泉 陶泉 御所坊」という、谷崎潤一郎の小説にも出てきた有馬温泉を代表する旅館に昨年入社してきた前田氏は、ワインバー自営の経験もある実戦派、
たたき上げシニア・ソムリエです。
本人はワインに限らず、本当に良く飲みます。
この度はこの戦いに向けて、30種類ほどを1週間かけて試飲を重ね、
自分で納得のワインを選んだそうです。
この一週間は、久しぶりの充実した日々となった事を、
戦う前から「嬉しかった」と私に洩らしてくれた。
斉藤は抽象的なテーマを頂き、絞りきれぬ間に、やってきた当日に、
どのようなセレクトで迎え撃つのか。
この対決では、いつも思わぬことが待っている。 |
ワイン対決とは、、、その方法 |
基本はお客様の立場で、「美味しいワインを選ぶのはどっち?」の
セレクション対決で、その評価はお客様がするという、
至極簡単なお遊びです。
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ルール: |
ワインセレクター(選者)二人が、どちらが美味しいワインを提供するか。 |
ワイン予算: |
三種類(それぞれテーマを決めて)、トータル6000円以内、ワインへの振り分けは自由。 |
対決方法: |
ワインをアルミフォイルでラベルが見えない様に巻き、どちらが誰のワインか判らないようにして、各テーマ毎に2つのワインをお客様に飲み比べて頂きます。 |
審判: |
参加されたお客様の投票により決着します。各テーマごとに好きな方に○をいれる。
3テーマ中2つのテーマのワインで多数を取った方の勝ち。
同点の場合は安いワインの勝ちとする。 |
附番: |
ワインの識別は数字、英字の場合、順列がついてしまうといけないので、「い・ろ・は・に・ほ」とワインを識別する。 |
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本日のワインリスト (参加人数:17名) |
1R:【ボルドーの白】 対決
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↓前田氏セレクトワイン |
↓斉藤セレクトワイン |
ボルドーの白を、この予算内で行くと、選べる味わいのタイプは、シトラスの香りが涼やかで、少しグラッシーな香りもと、対決も始まらぬままに思いつつ。
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(い)
爽やか、レモンライム。少々平板さを感じるが、ボルドーの白さしさをコンパクトにまとめている。素直さで好感が持てるタイプです。
(ろ)
シャウエッセン・ソーセージ程度の軽いローストを感じた後、シトラスで、、、と、
「い」と同じ様な印象を持つが、明らかにこちらの方が、
中身が詰まった印象を受ける。
この季節に、との爽やかな印象を双方持ち合わせているが、
その暑かった日の終りに、
邪魔にならない程度の複雑さを見せてくれる「ろ」と私は致しました。
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結果として
なんと素直に、価格の差が、得票数の差に繋がった。
ボルドーにコストパフォーマンスを求めると、
本当に順当に味わいがするのかも知れない。
4ラウンド12連勝中の斉藤にここで初めて、土が付く。 |
2R:【ボルドーの赤】 対決
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↓前田氏セレクトワイン |
↓斉藤セレクトワイン |
(は)シャトー・マルジョース [2003]
AOC:ボルドー ¥1,800 |
4票 |
(に)シャトー・ラ・カルドンヌ [1999]
AOC:メドック ¥2,130 |
13票 |
難しい所を残すテーマです。
順当に価格と美味しさが比例しやすいカテゴリーながら、高価だからといって、
そのパフォーマンスを素直に出してこないのが、
ここのワイン達。
香りが開くスピードにも勝敗の要因が現われてくるでしょう。
比較試飲にはその時間も問われる事になるでしょう。
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(は)
中心線を外さない、ラインがハッキリとしたスタイル。
干草なグリーンとカベルネ・フランが目立つ味わい。
醤油な印象が余韻として残る。
(に)
カシスな果実味に杉板。カベルネ・ソーヴィニョンの程よい主張があり、
ボディ感もミディアムにして、飲み頃の良さも感じる。
同じボルドーのワインとしても全く性格の違う二本、酒質からしても、
美味しさからしても「に」と私は迷わず。。
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結果として
AOCの格も、如実に違いを見せる。順当に価格差を得票数に変えたのは、
1Rと同じ結果になった。
ボルドーとはそんな生産地区なのでしょうか?
年代の問題は?03年と99年。
ボトルは、ワイン会スタート直前に開けられていた。
若さを残す03年、そろそろ飲み頃の99年。
いくら考えても、順当な路線でしょう。 |
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3R:【オーストラリアの赤】対決
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↓前田氏セレクトワイン |
↓斉藤セレクトワイン |
(ほ)フォーガソン・フォールズ
カベルネ&メルロー [2002]
¥1,632 |
9票 |
(へ)ダーレンベルグ ガルボ・ガレージ [2002] ¥2,583 |
8票 |
最初に配られる解答用紙には、ブドウ品種の指定が書かれていない。
とすれば抽象的過ぎるテーマである事は明白。
先のボルドーの二戦よりは、価格にも下克上が見られるかもしれない。
また濃厚系アタック勝負に出るか、季節感が暑いのが前提なので、
スタイリッシュに迫るか。
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(ほ)
ミントが来てからカシスへと広がりを扇状的に見せるも、どこか線が柔らか。
バランスのよさを感じるが、バロッサな印象を受ける。
余韻は短く、アタック勝負のスタイル。
(へ)
杉板、カシスそれからミント、葉巻へと。
アタックも良いがその凝縮感は緻密にして複雑さを見せる。
余韻も長く役者の違いを感じる。
しかし少々の土のニュアンスに好みが分かれるかもしれない。
今日のお客様を見回すとベテラン系が多く、初心者と思われる方々が少ない。
私は「へ」とした。この場合は「へ」が大差で勝つと確信していた。
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結果として
ナンと言う事でしょう!!「ホ」が僅少差ながら勝った。
よく分かった方々の中には、三名も「へ」のワインを
シラーと間違われた方が居られた。
ここで、この得票の大きな分かれ目を書かねばならない。
参加された中にお二人、東京からの出張で駆けつけた方がいらっしゃった。
そのお二人は、40分遅れての参加となった。
集計も済んで、後は投票結果を加えるだけの状態となった。
その状態でのそのお二人の投票は「ほ」だった。
と言うことは・・・この場合、酒質より、
スタイルが適所として適材だった事を如実に現す。
これがワインセレクトの醍醐味です。
過去私も、この事態で涙を飲んだことがありました(^o^) |
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投票数合計
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有馬温泉 陶泉 御所坊
前田和也氏
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26 |
Vin du 268
斉藤龍一郎
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25 |
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二勝一敗で前田氏の勝ち |
前田君へ |
ボルドーの赤白を同じ生産者で来るなんて、またボルドー赤を03年で来るなんて、端から勝負を捨てていたの?なんて思っていたら、なんと思いもよらぬ結果になりましたね。これは、あなたが自腹でテイスティングを重ね、味わいの確認を怠らなかった努力の賜物ですね。
私も裏をかかれるほどの3Rのセレクトには脱帽しました。聞けば西オーストラリアファーガソンは多湿な所なのだそうですね。「だから今の梅雨の日本では受けるかもしれない。」これには、あまり関連性を思わないのに、何故か説得力が有りました。
お見事でした!! |
斉藤君へ |
負ける悔しさを初めて味わいましたね。
勝ち続けるの緊張、負けても悔しい。セレクト対決は本当に緊張を強いられますね。次の週から、折り返しの後、五試合まだまだ続きますね。普段、お客様にお奨めするときの事をもう一度思い出して見たいですね。 |
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