山行報告(1999年 7月、比良山系・奥ノ深谷)
三段6mの美瀑
行く手に三段6mの美瀑が現れる。



 梅雨だというのに、毎日、晴天が続く。
 週末の晴天なら大歓迎なのだけど、あいにく、週明けからなのだ。
 毎日、青空を見ながら出勤するのはストレスがたまる(笑)
 明日になれば雨が降るだろう、だって、まだ梅雨は明けていないんだからさ。
 そんな期待もむなしく晴天が続く。
 そして、週末を迎えた。
 金曜日の午後から土曜日は、ささやかな家族サービス。
 春からずっと隔週末に山に行きまくった僕としての最大の償い。
 琵琶湖沿岸の温泉に行く。
 以前から、ねだられていたので、まあ、仕方がない(笑)
 しかし、青空を見てると心は穏やかではない。
 一泊して、土曜日の朝、やっぱり快晴。
 もう我慢ができない。
 ぶつくさと不満を述べたてる家族をなだめて、早々と午前中に帰宅。
 さっそく、KYOへ電話。
 「おい、晴れてるぞ? 沢、沢、沢、行こ」
 「あ? 沢? 沢ね…?」
 電話のむこうで「行ってええか?」と奥さんに尋ねるKYOの声が聞こえる。
 「ほなら、行きましょか」
 KYOを車で迎えに行ってわかった。
 彼の家ではひとり娘の誕生日パーティだったのだ。
 娘さんの学校の友達が10人ほども集まって、遊んでいた。
 そこに僕が乱入…。
 「ごめんな、なっちゃん(娘さんの名前)、ちょい、お父ちゃん、借りてくよ?」
 「うん、いいよ」
 「しえちゃん(奥さんの名前)、ごめん。ちょっと、KYOさんと行ってくる」
 「うん、気をつけてね」
 いい娘さんと奥さん。
 実は先々週の口ノ深谷から下山して、ここで晩飯まで食べさせてもらっていたのだ。
 ほとんどこの家に入り浸り?
 で、ふたりで、むっちゃ難しいところに行くはずだったんだが。
 だが、だが、だが。
 初心者約1名が加わったので、3人で行くことになった。
 で、比較的易しい奥の深谷…。

      *      *      *      *

 快調に国道367号を北上し、いつものように坊村で林道に入る。
 と、すぐに「工事中通行止め」の看板が林道をふさぐ。
 しかし、誰かがおもむろに、その看板を脇にどけてくれている。
 「うんにゃ、気にすまい」と林道に乗り入れる。
 続いて「通り抜けできません」の看板。
 「どうせ、この林道って行き止まりじゃん。通り抜けするつもりないもん」
 と訳の分からぬ言い訳とともに突っ込む。
 しばらく進むと林道の工事中。ブルが林道をふさいでいた。
 ここからは歩いて、取付点へ。
 そして、14時過ぎ、いざ入渓。
 な、なんだ、この水量の多さは?
 一週間晴れ続けていたわりにはすごく水量が多い。
 その前の一週間、ゲリラ的な豪雨が降り続いたせいか?
 ひとつめ、6m直瀑。
 釜(滝壺)を泳ぎ、滝の左岩壁を直登する。沢登りの醍醐味だ
 やがて、奥に3mの滝が懸かった暗いゴルジュ(*)が現れる。
 (*)水流の両側に岩壁が迫った廊下状の地形
 僕らは顔を見合わせる。
 「おもしろそうやなあ」とKYO。
 「行け、行け、突っ込め〜」とけしかける僕。
 で、KYOは突っ込んだ
 (詳細は連続写真でどうぞ)
 なおも僕らは登り続ける。
 ここ奥ノ深谷は沢登りのグレードとしては易しいが、美しい滝が連続する。
 滝が現れるたびに、僕たちは子どものように滝に、水流に戯れる
 KYOは果敢に挑戦を続ける。
 ノーマル・ルートを外れ、ひたすらに滝の直登へと突っ込んでいく
 で、僕は、と言えば…。
 途中までは、KYOとともに果敢に泳ぎ、果敢に突っ込んでいった。
 だが。
 「あれえ? デジカメの調子がおかしいぞ?」
 そりゃ、そうですがな。
 デジカメなんて、水没に耐えられるわけがありまへん。
 そりゃ、一応、ビニル袋に入れて泳いではいるが、
 濡れた手で触るわけだからいつしかびしょぬれ。
 それにしても、このデジカメはひどい使われ方をしている。
 冬は、マイナス15度の冬山につれて行かれて、結露で動かなくなった。
 夏は、沢登りでびしょぬれ。
 おまけにカメラ自身はぶつけて擦れて、傷だらけ。
 壊れない方がおかしい。
 泣く泣く、ザックに入れようとすると…。
 しもた。携帯電話を車に置いてくるのを忘れた。
 携帯電話も完全水没。
 ん〜、今日はついていない。
 あとは力無く、とぼとぼと登る僕かというと、そんなわけはない。
 やけになって、ひたすら泳ぎ、ひたすら登る僕ではあった…。

 16時半、遡行終了。担いで上がったぬるめのビールがうまかった。
 17時過ぎ、車のデポ地に戻る。
 残ったビールを飲みながら(笑)、京都市内に戻る。
 何というふざけたヤツら…。
 で、またもや、KYO邸で、晩飯をご馳走になったのであった。
 ごちそうさま、しえちゃん、うまかったよ!