東京スカイツリー

 今日は東京スカイツリーの開業日だということでマスコミが騒いでいる。
 私の好みで言えば、あの先端がちょん切れたような恰好がどうも気に入らない。エッフェル塔だって東京タワーだって、先端が尖っているのに。「東京スカイツリーの先端を尖らす会」というものができれば、私はすぐに入会するだろう。
 まあ、あれがいいと言う人もたくさんいるだろうけれど。
 私が中学三年のときに東京タワーが完成した。建設中の東京タワーがだんだんに「成長」してゆくさまを見ていたことを思い出す。
 東京タワーが開業してから半年もたたないうちに当時の皇太子のご成婚があって、日本中が祝祭気分に浸った。ちょうどそのころに東京オリンピックの開催が決定して、さらに盛り上がった。あのときは中学生でよく分らなかったけれど、あのときの気分の根底には、日本が戦後の荒廃の中から立ち直った喜びがあったのだ。東京タワーがその喜びを象徴していたのだろう。
 東京スカイツリーが完成間近のときに東日本大震災があった。あの塔の上の方で工事に携わっていた人はどんな思いがしただろうと考えるだけで鳥肌が立ってくる。
 東京スカイツリーが東日本大震災からの復興のシンボルになってくれればいいと思う。

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