地方のある大学の学長から聞いた話では、彼の大学はもともと女子大学だったが、入学志願者が減ってきたので、共学に改めたという。しかし、男子学生が入ってきたらとたんに教育レベルが下がってしまったとのこと。学内には女子大学に戻そうという声が強いのだが、それもなかなか難しくて……ということだった。
また、これは別の大学の学長から聞いた話。以前に東南アジアのある火山が大噴火したことがあって、そのときに彼が現地で住民の生活を支援するボランティア活動をしに男女の学生を連れて行ったそうだ。行ってみたら驚いた。あたりは見渡す限り火山灰が降り積もっていて何もない。滞在する場所としては、もともと飼料置き場として建てられた小屋のみ。みんなしばらく呆然とそこに佇んでいたが、やがて女子学生たちが我にかえって、まず地面に穴を掘って、そこに簡単な囲いを作った(用途は言わずもがな)。それから彼女たちは遠くの村まで歩き、そこで住民と交渉して井戸水と台所を使わせてもらうようにした。そしてなにがしかの食料を得た。そのお礼として、彼女たちは、近所の子供たちを集めて臨時の学校を作った。そうやってだんだんに村人の生活に入っていって、いろいろな支援をするようになった。
その間、男子学生は何をしたかというと――何もしなかった。ただうろうろするばかりだった。その学長の結論は、女性というのはすごい力を持ってますね、ということだった。
そのときの女子学生たちは、日本に戻った後でも、現地の住民や子供たちと手紙のやりとりをして交流を続けているという。
やはり女性はすごい!