新聞だったか雑誌だったか忘れたが、ゴルフの青木功プロのインタビュー記事を読んだことがある。それは青木プロの全盛期のころで、国内外での試合のスケジュールがぎっしり詰っていて、話を聞くだけでも息苦しいようだった。それでも彼はとにかくゴルフが好きだそうで、試合のあいまに少しでも時間を見つけては練習にうちこむということだった。そして、記者とのあいだでつぎのような問答になった。
「でも、いくら青木さんだって、たまには休みの日だってあるんでしょう？」
「そりゃ、ありますよ」
「そういう日には、何をして過されるんですか？」
「ゴルフです」
こういう話が、私はわけもなく好きだ。そして、人間として生れたからには、こんな人生を送ってみたい（あるいは、みたかった）と思うのである。