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のうかん(能管) 能楽で用いる笛。単に管(かん)または笛ともいう。4本ないしは6本の短い管をつないで作られ、外側を樺または藤で巻いて漆を塗ったもので、7つの指穴があいている。半即興的な小旋律を付けながら、基本旋律を演奏することが多い。歌舞伎の下座音楽、長唄の囃子などにも用いられる。 .
のうぶたい(能舞台) 能と狂言を演じる専門の舞台。3間(約6m)四方の舞台で、前後への動作を強調することによって演技の幅を拡げ、立体感のある表現を可能にしている。観客も正面と脇正面、地裏のそれぞれの角度から観賞する。ただし現在では地裏はほとんど客席にしていない。地謡座(じうたいざ)は、能のときに地謡が座る位置。舞台の後方には後座(あとざ)があり、囃子や後見などが座る。また、演者(シテやワキ)がこの場所に行って座ると、舞台から姿を消したという約束になっているので、扮装を変えるときや場面転換のときに後座を使用する。後座から斜めに鏡の間につながる橋掛かりは、演技者の登場や退場に用いられるが、場面を転換させるときや舞台と別な場所を想定するときに用いられる。鏡の間は大きな鏡のある板敷きの部屋で、面を用いる役はこの場所で面を着ける。能楽堂の舞台が、屋内にもかかわらず屋根が付いているのは、江戸時代まで屋外に建てられていたからである。

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のりうち(乗り打ち) 各地を移動して公演する巡業のうち、公演が終了するとすぐに次の公演地に移動して、翌日に公演をする形態。 .
のりび(乗日) 巡業で次の公演地に移動するための日のこと。 .
のれんぐち(暖簾口) 歌舞伎、世話物(→せわもの)の舞台装置正面にあるのれんのさがった出入り口。 .