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 5時、ホテルにAmado達が迎えに来てくれた。他のチームも同様に迎えが来ている。



 まだ真っ暗、上空には厚い雲がある。しかも風が強い。
 ブリーフィング会場の椅子には、マーカーとランチポイントの紙があった。ウェザーはいない?
教えてもらった情報はNOTAM:5,000ftだけ。地図ぐらいあるのかと思ったら、無かった・・・。
ターゲットも1m四方ぐらいの"UPS"のシート?
 ただ飛べば良いのかな?
もちろん、ランチマスターもいない。
競技規定なんて無いんだろうなぁ〜。
 でも、読めないだろうけど地図ぐらいは欲しかったな。だってどこ飛んだかぐらいは残しておきたかったし。
 ブリーフィング中、
朝食が配られた



『フィリピンパンケーキ?』見た目はスペインオムレツ、バナナの葉に入った蒸しパンといったところ。上にハムがのっていて、味はすこし甘い。ココナッツをかけて食べるものらしい。美味しいけど
朝からヘビーだ。
 話を気球に戻して!ランチポイントは、南北に走っているセスナ用滑走路の東側。もっと東側には、ステージがあり、お店もいっぱい出ているようだ。観客もたくさんいる。
 今朝の競技は、HNH。
Roaの操縦するオフィシャルバルーン=ヘア気球が離陸したら飛んでO.Kだそうです。
 でも、風が強くてヘア気球は
"ぐろんぐろん"



風向は、北西かな?他のチームもインフレを始めたけど、凄くキツそう。
 数機立ち上がったが、あまりに強くってリップをひいている。
 しばらくして、私達の南側にいたドイツチームが飛んで行ってしまった。
"ピュー"バイバイ!
ヘア気球"なし"だからタスクキャンセル?フリーフライト?勝手に飛んで良いらしい。その後、風は収まらない。
 風待ちの間、
Business World onlineの取材を受けちゃった。



彼女達の名前は、
LedaRachelle。男性カメラマンはNico。女性のパイロットの取材をしているとか。同年代の女性なのでとっても親しみやすかった。取材中に日本チームの高橋さんが凄い勢いで飛んでいった。
 少し風が弱くなった?プレスを乗せるのなら飛ばない風だけど、プレスは現れないし、うちのクルーならいいかなぁと思って、
インフレ開始!
 他の気球はだーれもインフレしていない。おかげで、周りはカメラマン・記者・観客でいっぱい。インフレのとき、音にビックリして逃げて行く人もいるし、近くに寄りすぎる人もいて怖かった。寝そべって撮っているカメラマンもいて、
ゴンドラで踏みそうになった。
 Pu/t:清水を乗せて、
7時23分Take off!隣の空軍用滑走路から、大きな輸送機のエンジン音が聞こえた。ちょっとこれには、ビックリした。
 ハプニング発生!上空でインフレ中にずれてしまったコンタクトレンズを直そうとしていたら・・・落とした・・・でも、ゴンドラの中にキラリと光るもの!「あった!発見!」本当はダメなんだけど、そのままつけちゃった。
一気にやる気がなくなった。
 どうせフリーだし、清水のトレーニングに変更。
 ロケーションは、東に大きな山(名前は?)・南西の方角には
ピナツボ火山・南には今は乾期で水がないけど、火山灰の積もった川がある。川沿いには土手があり、川の中にも車が入れると言う事なので、そこを目指しフライト。この先のエリアは『ラハール(火山泥流地帯)』と呼ばれ、今でも火山灰の下に町が埋もれているそうで、見た感じ、ただの草原だ。



 900ftまで上昇したがピナツボ火山方向へ向かうので、500ft付近まで降下。レベルの練習。
 地上からは人の歓声が凄い!家がなくとも人がどこからか
"ワラワラ"と湧いて出てくる。子供達は、ちぎれんばかりに手を振って、追いかけてくる。



常に地上から声が聞こえるのは、日本じゃ有り得ないことだ。手を振り返し、挨拶すれば、それだけでボリュームが倍になって返ってくる。犬もたくさんいて、ずーっと吠えていた。こっちの犬は、甲斐犬を小さく細くしたようなかんじ。
 民家は、平屋がほとんどだが、2階建のプール付きも見られ、上空からだと貧富の差がはっきり見て取れる。緑は南国だけあって椰子の木・バナナの木が多く、小さなジャングルみたいだ。稲作が多いようで、ローパスしたら気持ちよさそう!
な〜んて思っていたら、
『水牛』がいるし。
しかも、ポツリポツリといるので分かりにくい。



 じーっとこっちを睨んでいると思ったら、いきなり走り出すし・・・。角にロープが結んであるので、ある程度までしか走れないけど、
"鞭打ち"にならないかなぁ。
 風が相変わらず強いので、土手に着陸しようと思ったら、真下に水牛さん!
 土手をあきらめて、川の中に7時40分ランディング。17分のフライトだった。
 ファイナルまで清水にやらせてみたが、風が強く、引きずられてしまった。おかげで、ゴンドラの中に火山灰がたくさん入っちゃった。
自分たちも灰だらけ!



 着陸したところは、民家から少し離れた場所だったのに、もう子供達が集まって来た。一番初めに来た子供達にポストカードを渡したけど、あとから子供達が"ワラワラ"。収拾がつかないので、やめた。
 清水と2人で片付けていると、白い気球が降りてきた。子供たちは、そっちに走っていった。(ちょっと、ほっ!)この気球は
韓国チーム。乗っていた1人の方は、福島県いわき市に住んでいるそうで、日本語がペラペラ。日本人だと言っても分からないだろう。P1の方は、挨拶程度の日本語が出来るみたい。韓国には女性パイロットが少ないらしく、うらやましがっていたので、去年フランスの大会で一緒だった「Rohさん」のことを言うと知っているようだった。
 チェイスカーを待っている間、たくさん教えて頂いた。水牛はそれほど気にしなくて良いらしく、それより気にしたほうが良いのは、『闘鶏』(1羽ずつ小屋がある)なんだとか。
"牛より価値の高い鶏?"
 やっとチェイスカー到着!火山灰を巻上げ、ライトを点けて疾駆してくる車の姿は、まるで
『パリダカ』状態だ。



チェイスは、"すごい"と宗像さんと金沢は言っていた。私も乗ってみたかったなぁ〜。クルーのみんなは、すごく楽しそう!あとで聞いたんだけど、やっぱりこの大会は、一大イベントで、
毎年みんな楽しみにしているんだって。
 回収が終わってランチサイトへ。デブリーフィングはもちろん無し。初のフィリピンフライトは無事終了し、ホテルへ送ってもらった。
 今日の昼食もホテルのバイキング。15時にホテルを出発するので、それまでは自由。ということで、金沢・清水・私はプールへ!でも日が陰っているので人も少ない。水も冷たいので、カクテルを堪能しただけ。
 15時に迎えに来てもらい、ランチサイトへ。一応、ブリーフィング。
 午後の競技はFIN。風は、東風に変わった。午前中より風が強いように思う。
 みんなダラダラ。飛ぶのを諦めてるのかな?飛ぶとしてもターゲットを越えてすぐにランディングしないと、その先は空軍の滑走路。
うーん、嫌なかんじ。
 私達は、ステージ横の出店を見学しに行った。ここは、パス(身分証?)がないと入れない。凧がいっぱい揚がっているので、私たちも買ってみた。60ペソ=150円ぐらい。ビールが20ペソだから、高い?
 そんなことより、よくよく考えると、"凧"と"気球"が同じ空に?・・・ヘンだよね。うろうろしていたら、生ビールを発見!金沢と私は、もちろん飲んだ。清水はコーラを買ったけど、ビールより高いとブーブーだった。
 ランチへ戻ると、みんな帰り始めた。私たちも帰ろうとしていたら、
スウェーデンのチームが降りてきた。ランディングして火山灰を巻き上げてる。



 その後誰も飛ばなかったみたい。
 ホテルに戻って、夕食は近くの韓国料理店にした。いわゆる焼肉?お店の人が焼いてくれるので、変なかんじがしたけど美味しい。
 やっぱりこれは
グルメツアーか??


2/8に続きます…