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シャロンにて6:30ブリーフィング。タスクは『#6:JDG・#7:JDG・#8:JDG』トリプルJDG。ランチサイトは同じ敷地内。1〜20番は観客側・21〜は小川を挟んで隣。
今日は雲が低く、霧が濃い。よってパイバルデータが測定不可。はっきり言って何も見えない。競技はランチサイト内の霧が晴れたらホーンを鳴らすので、これがインフレ開始の合図だと言う。
パイバルデータなし、雲が低い、ちょっと土地勘のない私には辛いものがある。
すこーし霧が晴れた。ホーンがなり、インフレ開始。
7:55 TAKE OFF。
今日、麻衣ちゃんはビデオを持っていかないので、ナビ係。本当に雲が低い、上昇し1,000ft付近に来ると雲の中だ。ゴールは東の方向にある。しかし、東への風は1,000ft以上にしかない。チェイスには悪いが雲の中に入り、コンパスと自分の勘を頼りにフライト。早めに離陸したので周りに気球は殆ど見当たらない。油断は禁物。ターゲットを地図上で確認し、方向もあっているはず。
高度を下げ、#6ターゲットを発見。下の風は南風が入っている。地上スレスレまでいきたいけど、下に気球がいる。
こっちのパイロットは本当に怖い。
熱気球は格闘技?
下の気球はわざと上昇をかけてくる。意地悪!このまま我慢するとぶつかるので諦めて上昇。マーカーを投下。今日は最後のJDG意外はGRAVITY。もう間違えないぞ!マーカーは上昇したため、上の風に流された、ターゲットから20m以上離れた。
さーて次!
この辺りは森が多く、丘陵地のため地図で分かっていてもターゲットを発見するのが難しい。#6から東に位置している#7だが西の風が弱くなってきた。上空し、2,000ft付近で東へ移動する。相変わらず雲が多い。#7ターゲット発見。チェイスカーもついて来ている。降下するが早かった。思っていたより北の方向へ流された。ターゲットから10mぐらいにマーカー投下。後方に気球が複数見えていたが、投げた時点で2位。後から投げられても10位には入るかなぁ。
#8ターゲットはどこか地図を見ていると、後ろではオンターゲットが出たらしく地上からは歓声が上がっていた。#8はもっと東にある。しかし風がない。雲も低いし、諦めてランディングする気球も出てきた。
もう一度2,000ftまで上昇、雲の中へ完全に入った。綺麗な雲海だ。私たちよりずっと高いところにいる気球も見える。雲の下は寒いくらいだが、雲の上は日差しが強く、痛いし暑い。上空の西風は南風に変わってしまった。徐々に北のコースをとっている。場所確認に降下し、雲から出た。
見えてはいけないはずの線路が見える。思ったより北に来ていた。どの気球も#8には近づいていない。私たちも諦めて降りることにした。他の気球が牧草地に降りている。美味しそうな牧草なのにいいの?
酪農学科卒業生
としてこれは・・・ねぇ〜。いつものとおり麦畑を探す。地上風は南東または南の風。ライスセンター?のようなものがあり、周りは麦畑。いいところ発見と思ったら、近くに馬がいた。でも、ビビッていないようなのでライスセンター横の麦畑でランディング。
チェイスはぴったりついていたので10:05ファイナル。終わってみて、2時間10分のロングフライトだったと気がついた。今日はチェイスの心配が要らなかった。
デフリーフィングでマーカーを1つだけ返したら、ステラと他の女性パイロットに誉められた。どうやら後から離陸した気球は風が変わってターゲットに近づけなかったようだ。成績を見に行ったらなんと!レディースで
#6と#7は両方1,000ポイント
だった。全体でも上位にいた。自分でビックリ!
ブランチの時、パスカルが15時から航空ショーがあると教えてくれた。見たいけど眠さには勝てない。みんな同じ意見。お昼寝タイムとなった。
午後もシャロンでブリーフィング。行ってみたら観客でいっぱい。航空ショーもやっていた。フランス空軍の戦闘機ミラージュがアクロバット飛行をやっている。
凄い低空で。
最近、航空ショーの事故が多いのに、こんなに近くで飛んでいいの?でも、かっこいい!これもあって観客が多いようだ。会場の駐車場に入るのに8ユーロも取られる。でもたくさんの人たちが見に来ている。
19:00午後のブリーフィングはランチサイトで行われた。
タスクは『#9:FIN・#10:WDN』のダブルタスク。WDNはやったことないので
ルールを忘れた。
FINのターゲットからヘア気球が離陸するらしい。20〜30分フライトした後ターゲットオープンとの事だ。風も弱い。すぐに離陸地を探しに行く。最小距離は、D10より西・D124より東・D107より北のエリアからTAKE OFFとのこと。パイバルデータによると地上風は南西、上空は西風だ。ランチの西側にはブドウ畑があって離陸できそうなところがあまりない。
パイバルを上げてみる。240〜250°といったところだろうか、北に流れる。もう少し南を探す。ギリギリのところでやることにした。隣の畑では韓国チームが風を見ていた。私たちはここに決定。セッティングしていると他のチームが続々とやってきた。またパイバルになってしまう。
上空に上がるともうすでにオフィシャルがあがっていた。
#9はシャロンの会場にある。1,000ftまで上昇してみるが、良くない。降下し、200〜300ftの風で攻める。目の前にターゲットと言いたいがその前に大きな木!どう考えてもぶつかる。すこし上の風は北に向かっているので上げたくない。でも・・・。ギリギリまで粘って木の天辺ゴンドラがかすった。すぐ下にターゲットだが、他の気球はぶつけるつもりで攻めてくる。借り物気球を傷ものにはしたくない。あきらめて投下。20m以内かな?
あとで分かったことだが、木にかすったことでペナルティーをいただいた。ダメだったのね。
会場に入るとパイロット名と出身国が放送され、凄い歓声が湧きあがる。
#10のヘア気球は、私たちがFINを攻めている間に離陸した。とりあえず追いかければいいみたいだ。ヘア気球のすぐそばにアランがいた。ヘアはローパスをしているがまだ降りそうにない。1,000〜1,500ftで東へふり、その後、300〜500ftあたりで北東へ。ヘアが降り、ターゲットが展開された。コース的には下の風で行きたいが弱い。上げれば東へ向かう。
100〜200ftで我慢していたが動かなくなった。時間がない。しかも採点エリアは半径100mだ。諦めて上昇。周りにはたくさんの気球が密集。ぶつかっている。気にしながら1,000ftぐらいで良いコースを発見。
でも遅かった。少し東に流された。時間も日没21:30オーバーしているが、他の気球はマーカーを投下している。一応、まぎれて私も投下。
#10はFREEだ。採点範囲だけど・・・。もうすでに暗くなってきた。地上は見物客の車でいっぱい。チェイスは大変そう。みんなランディングし始めた。今日は最終日なので表彰式がある。だから早く帰らないと。私もみんなが降りている大きな麦畑に降りることにした。他の気球を避けながら降下、地上風は南東に変わっていた。
麦畑の中にある牧草地に降りることにしたが電柵があった。ちょっとビクビクしながらランディング。先に着陸した気球は、最後ということもあり、観客にサービス。バルーングローになっている。私たちも混じってみるがエアロスターなのであまり綺麗じゃない。
チェイスカーが到着。
21:45ファイナル。パスカルはポートワインをあけてくれた。まだグローしている気球もある。綺麗だ。パスカルの友達も来ていたので、一緒に「乾杯!」これで
フランスのフライトは終わった。
これからが私と麻衣ちゃんは大変だった!パーティーに“浴衣”を着て行くため、ホテルに帰らなければならなかった。そこで岡野さんにパスカルと充填に行ってもらい、宗像さんに私と麻衣ちゃんはホテルまで送ってもらった。急いで浴衣に着替え、シャロンへ。宗像さんは“甚平さん”に着替えていた。
この時点で23:00ごろ。シャロンへ到着すると花火が上がっていた。真っ暗なので誰も浴衣だと気がつかない。
テントの中に入るとテーブルセッティングされていた。今までとは違うディナーだ。シャンパンもある。席に着こうしたら、私たちに気が付いたらしく、
大歓声が起きた。
ビックリ!!席についても写真・ビデオやらで食事が取れない。ものすごい人気者??
パスカルとナタリーが到着。あとからアランたちも来た。宗像さんがパスカル・ナタリーに“甚平さん”をプレゼント。周りから「着て!」とコールがかかり、大騒ぎ。着てみたら凄く似合っている。日本酒を持ってきていたので、勧める。男性には好評のようだった。パスカルは気に入ったらしく、残りを持って帰った。ワインはいつもと違う“赤”があった。パスカルが言うには「ビックネーム」だそうで、確かに今までのより、美味しかった。
表彰式がもうそろそろ始まるので、外へ出た。既にステージの周りにはみんな集まっていた。パスカルはいつの間にか“甚平さん”を上下着て、しかも“雪駄”も履いていた。もしかしたら日本人より似合っているかも。
表彰が始まった。レディースカップからの表彰だ。10位から呼ばれていく。韓国のパイロット名が呼ばれたけど、帰ったようでいなかった。1人ずつ呼ばれてステージに上がって行く。
7位、私だ!麻衣ちゃんと一緒にステージへ。
ものすごい拍手と歓声!
浴衣を着て正解だった。賞状・成績表・ガラス製のキャンドルをもらった。その後も続々と表彰が続くがフランス語で何を言っているのかサッパリ分かんない。ヨーロッパカップの表彰の後、また私が呼ばれた。今度は男性のパイロットに混じって。
「何で?」呼ばれた理由がわからないまま、ステージへ。やっぱり浴衣の威力恐るべし!ワイン(?)をもらった。でも結局、最後まで何の表彰だったか分からなかった。日本と違うのは地元のボランティアの方たちを表彰することだ。確かにこの大会のスタッフたちは素晴らしかったし、やさしかった。
表彰の時、音楽が流れる、みんな超ノリノリ!面白い。でも、総合1位の表彰のとき、フランス国歌が流れた。さすがにみんな厳粛な顔をしていた。こうして大会は幕を閉じた。
パスカルが「ちょっと来て!」と言う。車に行くとナタリーもいた。ナタリーは娘さんが心配なのだろう、早く帰りたそうだった。パスカルはホバークラフトのTシャツと帽子をプレゼントしてくれた。(パスカルはホバークラフトもやる)これで本当に最後。
言葉が通じないのに、私たちに力を貸してくれたパスカル・ナタリーには本当に感謝だ。たくさん感謝したいことはあるが言葉に表せないのが辛かった。
写真をメールしてくれると約束してくれた。パスカル・ナタリー夫婦はフランスの親友だ!そして、気球を貸してくれたアラン、世話役のステラ、ありがとう!今度会うときは、もう少しフランス語を勉強してくるね。
最初はどうなるかと思っていたけど、本当に楽しかった。成績は良くなかったが多くのことを学ぶ事ができた大会だった。またこのフランスで飛びたいな!
最後に・・・今回、私が一番迷惑を掛けてしまった宗像さん・ラテンのノリに溶け込んでいた岡野さん・名パッセンジャー麻衣ちゃんに感謝!私は本当に良いクルーに恵まれました。ありがとう!