冬眠に関して


■冬眠準備
 まず、10月末までにオス/メス共に「太らせる」。これは物理的に餌をたくさん与えるということなので分かりやすいと思います。次に「少しづつ温度を下げる」という作業を並行して行います。

■冬眠の期間
 2.3ヶ月の期間の冬眠が適当と思われます。また冬眠期間中は水も飲み、温度調整にも使われるので全身つかれる水入れを準備することが望ましいと思います。

【2000年の実績(冬眠期間)】
 グレイバンド 10月15日〜1月15日
 デュランゴMt 11月10日〜2月15日
 サンルイスポトシ 11月25日〜3月1日
 サイエリ  12月1日〜3月1日

「冬眠」への実際の流れですが、温度帯に分けて話を進めます。

〜21℃の時期
この期間は食べきれるだけ餌を与えます。代謝を早めるために一部に赤外線保温シートを敷いておくと良いと思います。

21℃〜15℃の時期
この期間は判断がわかれます。なぜならこの温度帯は彼らにとって体の機能が切り替わり始める時だからです。食欲が急に落ちる個体もいればぜんぜん変わらない個体もいます。ただ体温が低くなり代謝が落ちるので動きが鈍くなり始め消化にかかる時間も長くなります。食べなくなった個体はそのまま温度を低下させてゆきます。

14℃〜10℃
多くの個体は冬眠の準備または状態に入ります。ただし冬眠と言っても眠り続けるのではなく代謝を低くするだけで、動きますし水も飲みます。中には餌に反応する個体もいますが代謝が低くなっているはずなので与えない方が無難だと思います。私はだいたいこの期間に床材のチップを入れてやります。

9℃〜1℃
5℃以下でも平気ですが 外気温よりも水温が高い場合は水中でじっとしている場合も多いです。この温度帯でも行動しますが、かなり動きがスローモーションになっています。

温度計が10℃以下を指している中、水中で過ごすサイエリ。
これでも一応冬眠中です。舌も動かしてニオイを嗅ぎますが動きがものすごくスローです。
冬眠中に脱皮を行うサイエリ。
ほとんど知られていませんが冬眠中ほぼ1回は脱皮を行うみたいです。脱皮も体がうまく動いてくれないせいか非常にやりづらそうでした。
■冬眠明け

 これは冬眠入りと逆の作業になります。やり方としてはまったく自然の温度上昇に任せるやり方と人工的に温度を上げていくやり方があります。どちらも肝心なことは「急な温度変化」を行わないということです。徐々に温度が上がるようにすると同時に、15℃以上の環境になったら餌を与えてみます。最初は食べないと思いますが、1週間から10日に一度くらいづつ与えてみてください。そのうち冬眠明け最初の脱皮を行う頃から食べだしてくると思います。



 Topへ    次のページへ