サイエリ(ヌエボレオン)
Lampropeltis mexicana (thayeri)












■外見
   ヌエボレオン州周辺に生息している「種」。
頭部の模様は赤、黒、ナシとバリエーションに富みます。
(T1) (T2)
基本的には灰色の地色で、これが青みがかったり黄色みがかったり赤みがかったりとバリエーションに富みます。バンドの模様は細い(ミルクスネークフェイズの場合は「太い」)赤からオレンジ色、その周りに内が黒、そして外にほんのりと白いフチドリがはいります。ただし、これがほとんどない個体も多く、この個体が典型的な個体ということが非常に難しいタイプです。

 サイエリは別名バリエブルキング(VariableKingsnake)と呼ばれています。これは一匹のメスから色や模様がまったく異なる子ヘビが生まれてくることから来ています。この様に同じ個体群に2つ以上の色や異なる模様があることを多型性といいます。これは様々な色や模様の子孫を残すことで捕食する動物に的を絞らせないという意味があると考えられています。

■色彩変異
 ナローバンド
 ブロードバンド(ミルクフェイズ)
 ブラックサイエリ(メラニスティック)
 ピーチフェイズ

■私見
サイエリの魅力は何といってもそのバリエーションにあります。これまでバンドの色についてサンルイスポトシは「紅」、デュランゴマウンテンは「朱」と書きましたが、サイエリについてはその様な言葉では言い表せない、敢えて言うならば「赤」とだけしか言えない程の千差万別の色と模様の変化があります。血の様な鮮明な赤、ほんのりと色づく赤等々その全が作家の個性と偶然性が溢れる「作品」の様な感じがします。更にこの変化が同じ親から生まれた子蛇、それぞれ異なる色と模様を持つと言う特徴を持つに至っては繁殖自体もその魅力の一つとなってしまいます。
性格については、私の経験上ではサイエリは他の2タイプと異なり、食欲にムラっ気があるなど少し気難しいところがあるように感じられます。また、オスに関しては特にその傾向が強い感じがあり、成長もメスに比べて遅い感じがします。



 Topへ    次のページへ