205とのつきあい方

Last Updated '03 12/30


購入へのチェックポイント

時々、購入にあたっての相談をメールで受けることもあったので、自分の経験と様々聞いた話などを まとめてみることにしました。購入しようと思っている方の参考になれば幸いです。

  1. 購入しようと思ったら・・・・・
    205を購入する場合、必然的に中古車から探し出すことになると思いますが、まずは情報収集がキモになってきます。とりあえずはカーセンサーなど中古車情報誌を1冊買ってみて価格の傾向などをつかんでみるのも良いかもしれません。また、205はタイプが意外に豊富ですので、自分が欲しいタイプをはっきりさせておくのも重要なポイントです。以下、私が知っている限りのラインナップとチェックポイントを書いてみました。参考までに。
    車種タイプ ポイント
    205GTI 1.6(105ps) '86〜'87の最初ぐらいに販売
    もともとの販売数も少なく、残存している台数はごくわずか
    タマ数も少なく、年数も経過しているため維持するには
    結構な金額とそれなりの手間が必要になるため、単に安価だからと
    いう理由だけでうかつに飛びつくと後々痛い目にあうのは確実
    雑誌などで取り上げられることあり、軽快感という意味で
    1.6Lモデルにカリスマ的な人気があるのもまた事実だが、
    維持にはそれなりの覚悟が必要
    信頼できるショップ経由や、友人からの個人売買での入手が無難
    それ以外のルートでの調達は購入後即整備するぐらいのつもりで
    205GTI 1.6(115ps) '87〜'88の最初ぐらいに販売
    私が所有しているのはこのタイプ
    ポイントは105ps仕様と同じで、入手とその維持にあたっては覚悟が必要
    205GTI 1.9(100ps) '88〜'89ぐらいに販売
    '90〜'91のGTI AT仕様はこのスペック
    100ps仕様とは言っても、1.9の排気量で扱いやすい上に各種対策もなされてる上に 車体重量も軽く、スペック以上によく走るので案外隠れた狙い目かも
    ただし、年式的には低年式の部類に入り、そろそろ大規模なメンテを
    必要とする個体が増えつつあるため、部品取りにされる場合も
    205GTI 1.9(120ps) '89〜'94ぐらいに販売
    '92からGTI AT仕様もこのエンジンが搭載
    主にインジェクションシステムの変更などが大きな変更点
    台数的にはもっとも多く出ていると思われるのがこの仕様
    '91モデルからはパワーステアリングも装着
    たぶん、直感的に205GTIが欲しいと思った方が見るのはこのタイプかと
    205CTI 1.6(115ps) '87〜'88の最初ぐらいに販売
    おそらく個体がGTI以上に少ないので、発見するのが至難の業
    発見してもGTIと同じく、維持にはそれなりに覚悟を決める必要あり
    205CTI 1.9(100ps) '88〜'91ぐらいに販売
    '88〜'89の最初がMT、あとはAT仕様
    幌の開閉は手動式だが、フック2カ所を外すだけの簡単操作
    幌やリアスクリーンの程度がGTIに対してのプラスになる
    チェックポイント
    幌に関してはこだわらなければ専門の業者に相談するのもテ
    場合によっては純正調達よりも質、価格的に納得いくかも
    205CTI 1.9(120ps) '92〜'95ぐらいに販売
    AT仕様のみで、エンジンのパワーアップと電動開閉式の幌になった
    のが大きな変更点
    ポイントは開閉機構部がきちんとしているかどうかがなので
    可能な限り購入前にチェックさせてもらうこと
    壊れていたりすると高くつく
    205Automatic '87〜'88ぐらいに販売、3ドアと5ドアの2種類あり
    後にGTIのAT仕様やXS(後述)のAT仕様に統合される形で消滅
    現地のベーシックモデルに最も近い素の内装が意外といいかも
    日本では不人気車になってしまうのか、あまり見かけない
    エンジンは1.6のキャブレター仕様で80psのタイプ
    205XS '87〜'90ぐらいに販売
    MT仕様は1.4、AT仕様は1.6のいずれも80ps
    当初は205GTIの下となるアンダー200万円クラスということで設定された
    MT仕様はツインキャブ仕様。乗った人によると結構おもしろいとか。
    AT仕様は前述205Automaticの後がまと言った感じで、エンジンは同じ
    1.6のキャブレター仕様
    205SI '91〜'94ぐらいに販売
    1.9と'93〜'94にかけて1.6が追加
    1.9はGTIの100ps仕様と同じエンジン
    1.6はシングルポイントインジェクションの90ps
    XSの後がまにあたる日本専用に設定されたタイプ
    お手ごろ価格からか、GTIほどではないものの比較的タマ数もあるらしい
    '92に追加された白の限定車「ブロンシュ」はこのSI 1.9がベース
    205ラコステ '87に販売、限定100台
    エンジンは1.4の60ps仕様(XSとはチューニングが異なる)
    ワニのマークでおなじみのブランド「ラコステ」の名前を冠した
    タイプで、専用の内装色などでコーディネイトされた仕様
    元々の台数が少ないため、見かけることは非常にまれ
    205SRD '87に販売、5ドアのみ
    1.7のディーゼルエンジンを搭載された仕様
    市場で見かけることはまずないと言っても過言ではない
    205Rallye 日本での正規販売はなし。並行車のみ
    エンジンは1.3のツインキャブ仕様で100ps
    ラリー競技用のベースモデルとして設定された仕様
    日本での正規販売はなかったため、存在する台数もわずかだが、
    プジョーに強いショップでは時々見かける
    おおむね日本で販売されたりしているのは、だいたい上記のモデルといったところでしょうか。
    (並行車、あるいはインポーターがサンプルでごく少数日本に入れたりした車両は別として)
    なお、205Turbo16なんてのも存在しますがあれは別格。1000万円近い金と良質なアシ車が
    必要かと(^^;(エアコンなんてありませんし)

  2. タイプも決めた!その次は……
    実際に車を探し出すことになるわけですが、おおむね以下のことがいえるかなと思われます。

    「まず信用できるショップの開拓が重要である」
    「安い個体には必ずワケがある」
    「走行距離はあくまで参考であり、アテにしてはいけない」
    「外装よりも走る、止まる、曲がるを重視する」
    「購入予算には必ずプラスアルファの余裕を持って」

    205はなんだかんだ言っても基本設計は20年近く前にさかのぼる車です。そのころのヨーロッパ車の常で、メンテナンスを行うことを前提に設計されているため、同年式の国産車と同じように、乗りっぱなしで扱うとそれなりにしっぺ返しを食らうことになります。
    最終的にはショップとのおつきあいになるわけですが、ショップ自身に知識がなかったりすると「イタフラ車はこんなもんですよ」などという逃げの常套句を真っ先に口にする連中も冗談でなくいたりします。ディーラーのメカニックであっても例外でなかったりします。
    特に初めて手にする車だったりする場合はなおさら信頼できるショップを開拓するのがポイントになると思います。そういうお店は購入時の相談も親身になってくれるはずです。
    また、購入してからのメンテナンス、修理に際しても良き主治医となってくれます。
     安い個体、やっぱりそれなりのワケがあります。特に普通の中古車屋の片隅に置かれているような車になればなるほどその傾向は強いです。店としては扱いにくい車はさっさと売りたいわけです。で、これが常に整備されているような車が偶然あったのならそれはそれで当たりですが、得てして交換すべき部品は先延ばしになっていたりなど、手にした途端にトラブルが続出する要素を抱えていたりしてます。こればっかりはかなりのバクチ要素を含むため、かなり冷静な目利きが必要になってきます。(だいたい、外車はトラブルが多いというのは交換すべき部品や整備などを怠っていたりする、いわば人災が多い。ちなみに、私の場合もいろいろあっても自走不可という例はなかったと言っておきます)
    ただし、自分で整備する、あるいは信頼できるショップで真っ先に整備してもらうことを前提に購入するのであれば、それはそれで安くていいのかもしれませんが、結果を見るとたいていは金額的に張ります。そういう面でも価格相場のチェックは必要かと思います。
    また、ヨーロッパ車の多くは年間の走行距離が5万キロに達することも珍しくないので、総じてエンジンなどは丈夫です。従って、メーター上の走行距離を気にするよりは、前のオーナーがどういった整備をしてきたかなどが重要なポイントになってきます。走行距離は多めでも、整備が定期的になされている個体は後々の維持に関してはかなり楽です。
    主治医から教えてもらったことも含めての経験では・・・・・

    「ガソリンは絶対にハイオクを使用する」
    「オイル交換は必ず定期的に。粘度はメーカー指定を大きく変えない」
    「ゴムを使っているマウント、ベルト類は定期的に交換」
    「工賃がかかるポイントは一括して整備するのもテ」

    これだけをポイントに入れておくと私の経験では税金、保険を別で年間15〜20万円程度をプールできれば、オイル交換を含めても十分に乗ることができると思います。
     また、購入直後はオーナーが変わって乗り方なども変わるし、上記のこともからんできてトラブルの発生はある程度避けられないのは事実です。従って、購入時にそのことを見越して購入後の整備費用をプールしておければ理想です。205そのものは車齢も10年に達している、あるいは達しようとしている個体ばかりですので、やはり乗りっぱなしと言うわけには行かず、経年劣化している部品もそれなりに発生しているのはどうやっても避けられない事実ではあります。
     さらに言うと所詮は80年代のフランス車、樹脂などのクオリティについてはやっぱり同年式の国産車と比べるとちゃちです。従って、内装の立て付けなどが生じるビビリ音などについては、ある程度割り切る必要もあります。また、よく言われるエアコンですが、国産車並にガンガン効くということはありませんが、必要にして十分効きます。従って冷えが足りないなどの場合は、ガス量と漏れのチェックを行うと良いかと思います。エアコンは日本のサンデン製、もしくはユニクラ製のユニットが装着されています。ユニクラ製の場合は会社が倒産(?)しているため、パーツの供給が不足気味のようですが、高価なことを覚悟すれば、自動車のエアコンなどを専門にしている業者などを通じて部品は調達できるようです。サンデンの場合はメーカー間の契約があるのか、会社のスタンスなのかは不明ですが、サンデンから直接部品を調達することができないようです。プジョー経由か、あるいは独自にルートを構築しているショップからの調達になります。

  3. いざ購入、その後は大丈夫?
    問題になるのは、購入した後、修理や整備で発生する部品の調達についてです。
    基本的にプジョーから出ている部品は、プジョージャポンが静岡の清水に部品センターを持っていることもあり、発注後2〜3日で調達できます。現時点で部品の調達待ちで何週間も待たされることはほとんどないかと思います。少なくとも、走行に支障の出るようなことはないと言っても良いでしょう
    一部問題になるのが(特に〜'90ぐらいのモデル)改善のために日本で改めて装着されるウインカーレンズなどの小間物。日本製なので、部品が製造中止になったりということがあったりします。ただし、これはこのころの輸入車共通の話なので、ことが起きてから考えてもまぁ問題はないかと思います。ショップによっては部品取り車などを持っているので、それでカバーしたり流用部品などでカバーしてくれます。

日常メンテナンス

注意!!
 メンテナンスそのものは難しい作業ではありませんが、すべて自己責任が原則です。作業の結果につきましては、私は一切の責任を負うものではありません。自分ができないと思ったら手をつけずにプロの助力を得ることも大事です。くれぐれもご注意下さい。

 サンプルマシンは'89 205GTI 1.9(120ps)と、'87 205GTI 1.6(115ps)です。あと、画像はクリックすれば大きな画像になりますので、ご活用下さい。

オーディオ装着格闘記はここ


  1. エンジンオイルのレベルチェック
    青い円で囲まれたところが、エンジンオイルのディップスティックです。残量のチェック方法は教習所でやってますよね。205は普通の状態でもエンジンオイルを消費しますので、週末ぐらいをめどにチェックしましょう。だいたい、1000km走行で0.5Lぐらいの消費は正常範囲です。あまり激しく消費する場合はOHか程度の良いエンジンに積み替えるなどを考慮しても良いかと思います。
    エンジンオイルチェック

  2. スロットル・チャンバの清掃
    ここからは、車種(MTかATか)や年式とかで細かい部分が若干変わってきます。不安ならばビデオやデジカメ等を活用して、現在の状態をメモしておくと良いと思います。自信がなければ、できる人に1度やってもらうと分かるかもしれません。撤退する勇気もお忘れなく。
     具体的な作業に入ります。

    チャンバ清掃その1 まず、エアクリーナーへのホース(赤丸2点のねじをゆるめればOK)を外します。

    チャンバ清掃その2 次に、(一部隠れてしまってますが)赤丸のホースバンドをゆるめてホースを外します。ただし、ここでコメントを入れた部分のホースバンドは2種類あるので注意です。ねじ式のホースバンドならば他と同様にゆるめてホースを外し、次の作業に入ります。かしめてあるタイプのホースバンドの場合は外すと再利用が不可能なので、オイル注入口を開けてホースを逃がします。ホースバンドがあれば交換してしまうのも良いでしょう。

    チャンバ清掃その3

     アイドリング調整ねじを外します。車種によっては回しづらいのものがありますので、困難ならば無理して外さなくても大丈夫です。

    チャンバ清掃その4

     チャンバ内部を清掃します。けば立たない古い綿の布がおすすめです。弁のまわりと、上にあるバイパス通路を掃除します。アイドリング調整ねじを外した場合、これも掃除しておくと良いです。

     すべて清掃が終わったら、外したものを元に戻し、エンジンをかけます。アイドリング調整ねじにて調整し、規定値におさめます。(だいたい900rpm〜1000rpmぐらいです)調整が済んだらエンジンを止め、ホースバンドのゆるみ、ずれがないかどうかを最終確認し、終了です。
    作業そのものは簡単ですが、なかなか書いて説明するのは難しいです。実際の作業を1度見てもらえば簡単なんですが・・・・・。

  3. 各部タンクのレベルチェック
    赤い円3つの部分が各種のタンクになります。自分で補充すべきもの、プロの手にゆだねるべきものがありますが、少なくともそのタンクの意味と位置を知っておけばさほど困りません。

エンジンルーム

で、左から冷却水リザーバータンク、ブレーキオイルリザーバータンク、ウインドウォッシャータンクの順になります。(ちなみに、右ハンドル車は冷却水リザーバーとブレーキオイルリザーバーが入れ替わります。なお、右ハンドル車で高年式車の冷却水リザーバーは黒いボックスになっている場合があります。)

ブレーキリザーバーこれが、ブレーキオイルのリザーバータンクです。通常、ここのタンクは量を確認しておけば大丈夫です。減っている場合、多くはブレーキのパッドが減ってきて自動調整を行っているために、キャリパーの方にオイルが行っているためです。漏れが見られる場合、命に関わりますのでプロの手にゆだねましょう。

ウインドウォッシャータンクこのタンクはウインドウオッシャーのタンクです。ふたを開けて量を確認し、減っていたら足しておきましょう。カーショップなんかにあるウオッシャー液を規定通りに薄めて入れるのも良いですし、私の場合は春から秋の間は単純に水で済ませてます。冬場や、寒冷地に行くことがあったらウオッシャー液を使うのが凍結防止の観点からおすすめできます。

リアウオッシャータンクこちらはリアウインドウ用ウオッシャータンクです。ハッチを開けて右側にあります。こちらも忘れず補充しておきましょう。

ラジエターリザーバータンクこちらはラジエターリザーバータンク。横から見て、液がプラスチックの継ぎ目からちょっと上にあればだいたいOKです。通常、車検ごとに交換しますが、その間で頻繁に補充するようなことがあればどこからかの水漏れも疑われます。プロに相談しましょう。あと、冬場に補充するようなときは水ばかり入れると凍結する危険があります。LLC(ロングライフクーラント)を購入し、混合液を補充するのが無難です。(緊急時はそんな悠長な事は言っていられませんけどね)

〜参考 ショックアブソーバ交換〜

 この項目は「簡単メンテナンス」から離れてしまいますが、「こんなもんなのか」という参考にどうぞ。
これが今回交換した「プジョースポール製ショックアブソーバ」と「強化アッパーマウント」です。
金属色の方がフロント用、黒色の方がリア用です。
ショック一式
   
アッパーマウント これがアッパーマウント。左側が純正品で右側が強化品です。実際に手にするとわかりますが、ゴムの硬度が格段に高められてます。
(純正品は手で曲げることができます。)
   
外したストラット 外したフロントストラット一式です。ここからスプリングに圧縮をかけて、ショックアブソーバ単体に分解します。
ちなみに、このショックアブソーバはビルシュタインのやつです。
   
バネ単体 で、外すとこんな感じで分解できます。スプリングについているのが「スプリングコンプレッサー」というスプリングに
圧縮をかけて作業するための道具です。
   
ばらすとこんな感じ 分解を行うと、こんな感じになります。プロならば10数分の世界ですが、私は40分以上かかってます。
   
組み付けが終わるとこんな感じになります。無塗装の金属の輝きがプジョースポール製の証です。
組付けはプロの手を借りました。(わずか20分の作業)
組み付け完了
   
作業終了 完全に作業が終わると、こんな感じで見ることができます。