横浜マリノス/試合観戦記/1999年


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「 両手を繋いで… 」

第1節 99.3.6 対ベルマーレ平塚 横浜国際


 7年目のJリーグが始まりました。昨年の合併騒動から、早4ヶ月。あの合併が間違いじゃなかったということを”優勝”という結果で報告するシーズンの開幕です。合併に関しては色々と思うところは有りますが、選手の戦いを見に今シーズンもスタジアムに足を運びます。

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 開門前にスタジアム到着して友人と一緒に並びます。この時点では、昨年と変わらない並んでいるサポータ達の風景でした…。

 13時30分に開門し、スタンドへ。入り口で開幕記念のステッカーと、新しくオープンしたFLAGSTOWNのチラシやスケジュール表を受け取って中へ入ります。今シーズンはほぼ全試合横浜国際のためにゴール裏のシーズンチケットを購入したので、ホーム側ゴール裏の方へ、1階席の中段辺りに場所を取って落ち着きます。まだ試合開始まで時間があることからマッチデープログラムを買いに売店へ、今年から値段が200円から300円にアップしてサイズも昨年のものより一回り大きくなってページも4ページくらい増えていました。〜値上げは別にいいんですがサイズを同じにして欲しかったです。去年までのマッチデーとの整理が大変になります。同じサイズでページ数増やしてくれればいいのに…

 マッチデーの特集は井原さんでした。売店には同じくマリノスのオフィシャルハンドブックが売っていましたが、マリノスクラブからはまだ到着していないです。書いたいのを我慢してきました。…普通開幕までに届けるのが当然だろうマリノスクラブ(怒)

 グッズ売場も覗きましたが、昨年までのグッズは全部一新されていて”F”が入った新しいロゴを使っての賞品が売っていました。…でも購買意欲は全く沸いてこなかったです(^^;。
途中に”だんご3兄弟”ブームに当て込んで”団子”も売っていました(笑)…団子は普通4個が当然です。まがい物にダマされちゃ駄目(爆)

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 席に戻って、昨年の平塚戦以来の数人の友人達に逢って談笑します。この時に悲しくもやり切れない事実が発覚しました。
 昨年まで最前列でマリノスサポータのリードを取っていたサポータグループは”F”が取れるまでサポートは一切行わないというのを打ち出し、応援グッズもなし、レプリカも着ないというのを決めて。別のサポータグループが最前列に陣取ることになりました。実際、マリノスの社長に会って話しをした結果、我慢できない事があったようで、試合には来るけどサポート活動はしないという事になったようです。反対する断幕も掲げていたようです。試合前に警備に言われて外していたようですが…。

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 試合開始30分前に最前列にいるサポータグループのリーダがメガホンを掲げて、新しいサポートソングを歌ったり、選手コールをしたりし始めましたが、やっぱ昨年までとは”違う感覚”は否めなかったです。

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 場内では、選手の登録メンバーの発表があり、水沼さんと前田治さんのゲーム予想、今シーズンの予想などの対談があって、結構時間がたつのが早かったです。15時45分頃に先発メンバーの発表が有りました。平塚は文字だけのメンバー発表です。そして横浜のメンバー発表が始まります。昨年までとはまた違った選手一人一人のビデオが流されて紹介されます。去年のよりは少し画像が少なくあっさりしていましたが、その分だけ同じシーンを長く見られてかっこよくなっていました。歓声が一番大きかったのは、ユ・サンチョルがスタメンで発表されたときと、最後の城の時だったと思います。知らぬ間にゴール裏は1階席、2階席とも満員の観客で埋まっていました。
 ふと思ったんですが。昨年までのフィールドでアップをしていたのが、この日はアップは無かったです。確か昨年の開幕戦も有りませんでしたから、開幕ということでフィールドでのアップをやめたのかも知れませんし、前日に横浜国際のピッチで練習を行ったそうなので、芝の感触は確認出来てるからかもしれません。そういえば、試合開始前に結構芝に水を蒔いてるな〜と感じたのを思い出しました。

 16時になり、開幕セレモニーで電光にマリノス全選手の試合や練習の模様を編集したビデオが流れます。昨年の国立浦和戦Vゴールや俊輔のFKの模様なども挿入されていて。格好良かったです。…BSの放送で少し見られた方もいると思いますが…花火、クラッカーが鳴らされて、選手が入場してきます。花束贈呈、高秀横浜市市長の挨拶等があって、いよいよ選手がピッチに散ります。横浜は青、平塚は白のユニフォームで試合が始まります。スタメンとフォーメーションは以下のようでした。

横浜

 城
 永井 俊輔
 アツ ユ 上野 アキ
 直樹 井原 小村
 能活

 サブ:小澤 一樹 孝行
 村上 神田

平塚

 船越 高田保
 バデア  リカルジーニョ
小野   堀    森山
 高田哲 クラウジオ 三木
 掛川

サブ:本田 松川 臼井
 小松原 川口

 横浜のキックオフから試合が始まります。しかしキックオフのボールは後ろへ繋いで井原の元へ、もっと開始から積極的にゴール前まで行って欲しかったんですが、ちょっと慎重な立ち上がりでした。前半5分に右サイドで危険なプレーがあり間接FKのチャンスを得ます。ゴール前に俊輔が送ったボールはDFにクリアされてしまいます。続いて7分に左サイドをドリブルで抜けようとした俊輔が倒されてゴール前でFKのチャンス。公式戦で見る初めてのアツのFK。右足から蹴ったボールはゴールマウスの上へ外れます。…この日のアツのFKは今一つ当たっていなかったです。中盤でボールを奪って畳みかける横浜ですが、左サイドのアツの所にボールが集まり、中央へ進出したユやアキがシュートしますが、ゴールの枠になかなか飛びません。左サイドにボールが集まって、右サイドでアキがフリーになってるんですが、ボールがそこまで出なくて中央に集まることが多かったです。1トップの城にはクラウジオががっちりついて中々フリーにはさせてくれません。平塚の体を張った守りで堅められた堅陣を突破できない時間が続きます。
 悪い流れが続き前半20分過ぎに平塚サポータの歓声と横浜サポータの絶叫が鳴り響くシーンがありました。リカルジーニョが平塚ゴール前で奪ったボールを持ってドリブルで独走します。止めに入ったユも交わされてしまいますが、井原が戻りながらのディフェンスでシュートコースを限定して、小村、松田がツートップをしっかり見てパスを出させないようにして、リカルジーニョにシュートを打たせます。力ないボールは能活がキャッチします。…相変わらずドリブル応対の約束事は今一つですが、ディフェンスは一人の選手に集まりすぎずに、よく回りの選手をカバー出来ていたと思います。
 21分にもゴール前でアツのFKのチャンスがありますが、再びゴール上へ、26分にも同じような位置でFKのチャンスがありますが、今度はユが蹴りましたが、同じくゴール上へ…アツとユが並ぶと同じ茶髪で、背番号が8と9が似ているために、どっちがどっちだかよく解らないです(苦笑)
 横浜の攻撃は、両サイドの深いところへ中々進出できなくなってなっていたんですが、右サイド深いところからのアキのセンタリングからチャンスを得ますがシュートは枠を外れてしまいます。左からもアツが上げたボールが城に合いますが、ヘッドはゴール右へ。35分にはアツのロングスローで場内が沸きますが、これもDFにクリアされてしまいます。
 37分には再びリカルジーニョにドリブルで独走を許しますが、きっちりゴール前で対応してシュートコースを切って力ないボールを能活がキャッチします。押してる展開とは言え、強いシュートやコース良くシュートが枠に飛ぶのを思うとひやひやします。42分にも平塚の船越にゴール前でボールが渡って、危ない!と思ったシーンが有りましたが、オフサイドで事無きを得ます。前半終了間際にもバデアの蹴ったミドルシュートが枠のすぐ外を通過してひやひやしましたが、ここでホイッスル。押しながらも平塚DFを崩せずイライラした展開が続きました。

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 ハーフタイムにはいつものようにRADOの抽選があってベンチ入りの選手達がアップします。新人の村上君には自分が出場した時の事を考えて、観客がいる横浜国際のピッチを感じていて欲しいと思いました。初めてサブに入ったGK小沢君もそうですが…

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 ピッチに選手が出てきて後半が始まります。ハーフタイムに監督から”サイド攻撃をもっと”との指示が有った様です。

 後半開始から攻める横浜。後半1分アツのシュートはGK正面。後半6分に横浜がゴール前でファウルを犯して平塚FKのチャンス。恐れていたクラウジオが長い助走からFKを蹴りますが、ボールは右に大きく外れて平塚サポータの元へ…別にサポータを狙ったわけじゃないと思いますが(笑)
 後半8分右サイドのFK、俊輔が蹴りますがDFにクリアされてしまいます。9分にアツがドリブルで二人交わして中央の上野へ、ミドルシュートを狙いますが、ナチュラルにカーブしてわずかにゴールポスト右へ…。私の見ていた席からボールの回転が良く見えました。横浜は中盤を圧倒的にボールキープしながらも最終ラインを突破できない時間が続きます。10分に平塚は高田に代えて小松原投入。15分にゴール前で俊輔、永井、城がからんでのチャンスが有りますが、シュートはGK正面へ。20分に平塚に左サイド遠目からFKのチャンスが有りましたが、再びクラジウオが蹴ったボールは大きく外れます。21分に右サイドのクロスから城がヘッドでシュートしますが、力無くGKの胸の中へ。続いて永井が中央でパスを受けて左足で狙いますが、ボールはゴール右へ外れます。3度目のアツのFKもDFクリアされてしまいます。昨年までは、このまま悪い流れのまま失点することが多くて、このまま得点できないのか!と不安になります。それが晴れたのが後半29分でした。中央でボールを受けたアツがミドルシュート、GKが辛うじて弾いたボールを俊輔が拾ってGKをフェイントで交わしてシュート。しかしボールは右ポストに当たってしまいます。このボールに永井が詰めてついに均衡が破れます。昨年まで見られなかった、こぼれ球に対する寄せの早さが生んだゴールでした。城も逆サイドにいてこぼれ球を狙うポジションを取っていました。

 先制した事で、少し落ち着いた攻めになります。得点直後に怪我明けのユに代えて神田を投入、若干ポジションを代えて、神田が左ウイングに入り、アツが中盤に入ります。PSMから好調の神田が左サイドを堅い守りで守ります。平塚もバデアに代えて松川を投入し、クラウジオを前線に上げて194センチの船越とともにパワープレイを仕掛けてきます。後半36分に俊輔に代えて佐藤一樹投入。一樹は城の位置に合わせてFWの位置にいたり中盤にいたりしました。1点じゃまだまだと思ってると、後半39分に貴重な2点目が入りました。横浜ゴール前で能活がキャッチしたボールをセンターライン付近に左に開いた永井の元へスローイングでピッタリ合わせます。永井はドリブルで中央に進出、右に城、左に一樹がボールを受けられる位置にオフサイドラインを気にしながら移動します。永井に少しDFが引き付けられた所で、右の城にラストパスが出て、フリーの城は右足でGKの手を弾きながらゴールネットに突き刺し2点目を上げます。

 平塚は三木から川口に交代させますが、その直後に直樹とクラウジオが絡んで倒れた時に、クラウジオが足を出したと言うことで直樹が詰め寄ります。その態度に怒ったクラウジオが右腕を回して殴りました。モットラムさんが駆け寄りレッドカーカードを提示しクラウジオが退場。直樹にもイエローが提示されました。結局この試合は両チームとも3枚のイエローが提示されました。横浜は、直樹のほかにアキと上野が貰っています。
 一人退場したことで流れがはっきりしましたが、横浜は永井に代えて孝行を投入して短い時間ですがアピールする機会を与えます。ロスタイムは3分ありましたが、このままホイッスル。開幕戦を貴重な勝利で飾りました。

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 ヒーローインタビューで呼ばれた城が抜けて、10人の横浜の選手達がバックスタンド、そしてゴール裏のサポータに挨拶に来ます。挨拶するときに、チーム内で話し合ったのか、全員の選手が手と手を繋いで血を通わせて、サポータに向かって挨拶をしてくれました。…昨年までのばらばらな挨拶とはあきらかに違います。”チーム一丸となって戦った行くんだ”という気持ちが強く見て取れた美しいシーンでした。インタビューが終わった城もゴール裏サポータの方まで来て挨拶に来てくれました。

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 試合自体は全体的に、あまり誉められた内容じゃないかもしれませんが、勝利を積み重ねることでコンビネーションも合ってくると思います。イエロー3枚は多すぎた感じはしますが、開幕戦の勝利という代償の結果ですから仕方ないかもしれません。この試合のMVPは永井に贈りたいと思います。前線でのドリブル、パス、そしてシュートと攻撃陣を引っ張っていました。
 この日スタジアムに詰め掛けた36000人を超えるお客さんが再びスタジアムに足を運んでもらえるように…と思いながらスタジアムを後にしました。

〜fin〜