横浜マリノス/試合観戦記/1998年


98.10.21 対柏レイソル   三つ沢

『 雨に散った3連敗、優勝争いからの脱落 』

 

 連敗で迎えた今日の試合、2戦連続のVゴール負けの鬱憤を晴らしてもらいたいと思いましたが、試合前から燦燦と降り続く雨の中レイソル台風に吹き飛ばされた試合でした。

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 試合2日前に時間が有って獅子ヶ谷に練習を見に行きましたが、選手は切り換えが出来てるように感じました。鹿島戦出場メンバーは、グランドをピッチ走で数周走ってフィジカルトレを行なって引き上げました。残りのメンバーはアップ後に紅白戦を行なっていました。気になっていたサリナスですが、いつもどうりに練習に臨んでいて紅白戦でもさすがという動きを見せていました。前節出場停止だった城は紅白戦が終わってから一人黙々とコーチに球出ししてもらいながらシュート練習に励んでいました。右足の状態もだいぶいいようで、清水戦で思いっきり蹴れなかった右足シュートも放っていました。

 一人見知らぬ何処かで見たようなGKが練習していましたが、それが”能活とアトランタオリンピック正GKの座を争った”新加入の小沢君(元鹿島)だと知ったのは柏戦試合の日でした。

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 試合当日、会社を早目に出て自宅から車で三つ沢に行きました。雨は燦燦と降り続いています。今年は雨の試合が多いな〜と思うと同時に、レイソルのランニングサッカー相手はボール扱いに気を付けないと早い出足にとまどうだろうな〜と思いながら車を走らせました。車を駐車場に入れてスタジアムへ、18時頃に着きましたが、雨のせいと平日という事も有ってスタンドは寂しい限りです。まあ連敗しているから仕方ないかな〜という気がしました。Bブロック席に座席を確保してマリノスポンチョを着て試合開始を待ちます。

 まずは、能活が出てきて”能活の唄”とともに試合前の練習が始まります。少ししてフィールドの選手も出てきてアップが始まります。雨の中ボールを回しながら芝の状態を確かめながらの練習が行なわれます。選手の動きは一見普段と変わり無いようです。アップが終了して選手が引き上げていきます。サポータはもう負けられないという気概で応援を続けます。

 両チームのメンバーは下記のようです。マリノスは城が出場停止から明けて安永とツートップを組んで、上野の1ボランチですが、俊輔と遠藤が相手の中盤を見る形になります。あとはお馴染みのメンバーです。サブメンバーですが、サリナスは練習で気合が見られないとアントニオが判断してベンチにも入りません。苦しい展開を引っ張れるのは文丈しかいないな〜と思います。レイソルは、ブルガリアの至宝ストイチコフの1トップにして中盤を5人で厚くするナビスコでマリノスに圧勝したフォーメーションを取ります。

 

横浜マリノス・スタメンフォーメーション 

      城    安永

       バルディ 

    遠藤      俊輔

        上野 

 神田   井原  小村   野田 

        能活

サブ:吉原 直樹 ゴイコ 文丈 寺川

 

柏レイソル・スタメンフォーメーション

      ストイチコフ

   加藤   大野   渡辺光    

     明神    下平 

 片野坂  渡辺毅  萩村  沢田   

        南

サブ:土肥 入江 森川 ?? ??

 

 雨の中、選手が入ってきます。コイントスでエンドが変わり前半はマリノスサポータに向かってのマリノスの攻撃になります。試合開始、雨で濡れたボールのせいか思う様にパスが繋がらない時間が続きます。レイソルの厚い中盤でボールを奪ってストイチコフのキープからの攻撃はひやっとさせます。前半10分過ぎ、中盤でのお互いのボール争いの中から偶然のチャンスでレイソルの先制点が生まれます。井原の蹴ったロングボールがその前に体を張った沢田の体に当たりボールが右サイドに零れます。ストイチコフが猛然とダッシュして取ったボールを左足でゴール前へセンタリング、ゴール前に飛び込んだ加藤がシュートして早々に先制点が生まれます。

 その1点を返そうとマリノスも攻撃に出ますが、中盤での動きが少なくてディフェンスラインからボールが出せずに回しているだけの時間が刻々と経過します。後ろへ回すボールを精力的に追いかけるストイチコフや加藤、渡辺光。ディフェンスラインから無謀なボールが出されて相手にカットされる場面が多く見受けられます。たまに城や安永までボールが渡りますが、シュートが打てない展開が続きます。イライラだけが募った前半が終了します。

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 後半に入り、神田を直樹に交代させて3バックのフォーメーションを敷きます。前半から1トップのストイチコフ一人に4人のディフェンスラインは無駄だと思っていたので、これで中盤も盛り返せるかな〜と思いました。フォーメーションは下記のような感じです。

後半フォーメーション 

        

 沢田  萩村   渡辺毅  入江

      城    安永

     下平    明神

       バルディ

   遠藤        俊輔

  渡辺光   大野    加藤

    上野      野田 

      ストイチコフ

  直樹    井原    小村   

        能活

 

 雨は後半に入っても、強くなって斜めに降り続いています。そんな中、懸命に応援しながらマリノスの得点を待ちます。マリノスは中盤を厚くした事で前半よりボールが持てるようになりますが、レイソルが完全にカウンター狙いに徹してしまい自陣から前に出てこなくなります。(西野監督の指示を忠実に実践しているという感じです)センターラインを超えないとプレスをかけてこずに、1トップのストイチコフが井原や小村にプレッシャーをかけてきます。ボールを回しながら中盤にパスへ出すと受けた上野や遠藤がすぐにレイソルの選手2、3人にかこまれて前にボールを出せずにまた後ろへ戻すといった展開が続きます。それでも直樹やバルディがボールを受けてからドリブルで少し仕掛けて中に入りながら上野や俊輔を使って前に行きますが、安永と城が今一つ機能せずに中々いい形が作れません。安永は競り負けてる事も多くてディフェンスに少し当てられた位で”ファウルだろう”といった形で主審にアピールしますが、そんな事はいいからディフェンスを振り切ってでも前に突き進んで行くプレイが見たかったです。

 徐々にですがマリノスの形が出始めて行きますが、安永や城がトップで開いて空いた位置に跳び込む選手がいなくてボールはキープしますが、ボールが回っていきません、精彩を欠いていた俊輔が文丈に代わり右サイドを野田と切り崩すようになって数回チャンスは訪れますが、厚く守るレイソルに対してゴールを割る事が出来ません。レイソルも取ったボールを中盤から早くトップに当てて何度も決定的なカウンターのチャンスを得ますがシュートミスで追加点を奪われない展開が続きます。バックライン際のボールボーイの緩慢な動きに対しても、上野やバルディが声を荒げるイライラした展開が続きます。能活はボール出しを早くといった指導までしていました。野田をゴイコに代えますが効果的な動きは出来ずに90分タイムアップ。優勝戦線から脱落する3連敗を喫しました。

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 試合後、挨拶に来た選手に対してゴール裏のサポータから容赦無いブーイングが浴びせられましたが、敗戦は選手が痛いほど分かってると思いたいです。毎年、首位争いしながら”ここ一番”の試合で敗れて、その後ずるずると負けを引きずるのは一向に変わっていません。

 サポータのブーイングの意味をかみ締めて今後の試合及び天皇杯に臨んで貰いたいです。

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 雨で寒くなった体を、更に心の奥まで寒くさせるような負け試合でした…

 

〜fin〜