横浜マリノス/試合観戦記/1998年


98.10.14 対清水エスパルス 三つ沢

「 サッカーの醍醐味。今期一番の好ゲーム 」

 

 17日ぶりのマリノス戦の試合観戦ですが、ずいぶん長い間試合見てないな〜という気になっていました。札幌まで遠征に行けなかったし、前節は横浜F対磐田の試合を見て自分の中で負けていられないな〜という気になっていたのは確かだと思います。

 この試合は心の底からマリノスの応援をしたいと思い、声を枯らして応援したいと思い、Bブロックのチケットでしたが、久しぶりにゴール裏に行って応援してきました。立って見るのは疲れますが、今日の試合は気合いが入った試合で濃縮された試合時間が早く過ぎていきました…

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 三つ沢スタジアムに付いたのは試合開始30分前でした。仕事帰りに行くとどうしてもこの位の時間になってしまいます。先に行っている友人を探してマリノスゴール裏に行きます。やはり水曜日の試合は人の集まりが悪くちょっと密集度が薄かったです。もう既にマリノスの練習は始まっていて”能活の唄”が歌えなくて残念でした。能活は相変わらず気合の入ったいい顔をして練習していました。

全体でのアップが終わって、攻撃陣のシュート練習が始まります。城、聡太郎、バルディ、俊輔、上野、遠藤とゴールへシュートを入れていきます。相変わらず変わったシュート練習している城、中距離の練習している遠藤、バルディ、ドリブルシュートの聡太郎。そして目に付いたのが俊輔でした。いつもはバックスタンドから見てるのでボールの軌跡が良く分からなかったんですが、ペナルティラインのすぐ外から回転の効いたボールを何度も隅の方に蹴り入れていて惚れ惚れしました。今日も必殺の左足が唸るのを期待せずにはいられません。シュート練習が終わって選手が引き上げしばし時間が空きます。色々試合に思いを馳せます。練習中に両チームのスタメンが発表されました。フォーメーションは下記の様でした。

 

横浜マリノス・スタメンフォーメーション 

        城  安永

     バルディ  俊輔

       遠藤  上野 

  神田  井原  小村  野田 

         能活

サブ:吉原 路木 文丈 サリナス ゴイコ 

 

清水エスパルス・スタメンフォーメーション 

        ファビーニョ

      オリバ  アレックス 

  戸田   伊東   大榎   安藤 

        森岡   西澤

           斉藤

           真田

サブ:長谷川 和田 ?? ?? ??

 

 応援のコールリーダーが到着して選手入場前の”横浜の唄”が始まります。久々に歌いました。〜♪横浜に生まれて良かった〜♪〜♪〜 唄の終わり頃に選手入場。紙吹雪で選手を出迎えます。ピッチに散らばった選手達、コイントスでいつもの前半が能活のお尻を見ながらの応援になり良かったとホッとします。

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 主審のホイッスルが鳴りキックオフ。マリノスはいつもの通り上野が中盤の底でゆっくりボールを持って周りを見ながら、バルディ、俊輔、遠藤、神田などにパスを配給していきます。パスを受けた選手も早いパス回し、ゆっくりした動きでFWの安永や城にパスを回そうとしますが、清水の中盤では伊東が効果的な動きで、DFラインでは斉藤を中心とした固いディフェンスで守ってきます。しかしGKの真田が視察に来ていたトルシエ監督に能活より守備範囲を広いところを見せたいのか、しばしばゴール前を中途半端な飛び出しでがら空きにして再三FWの得点のチャンスが有りました。

 そのビッグチャンスを生かして前半10分過ぎ、安永のシュートを止めた清水DFがクリアしようとしたのか?パスしたのか?真横に蹴り出したボールが味方DFに当たりゴールの中に、幸運な先制点が入ります。反対側ゴールだったのでOWNゴールと解ったのはニュース映像を見てからでした。その後も同じようなチャンスは何度か有りましたが、安永が決定機を3回くらい決められずに、清水が盛り返してきます。1トップといっても実質は中盤に下がって、オリバ、アレックス、ファビーニョ、伊東と前線に代わる代わる飛び出してくる攻撃は迫力満点でした。伊東が上がって左サイドの戸田が中に絞って安藤が前に進出するといった形で攻撃を組み立てていました。マリノスの守備陣では井原が奮闘して、遠藤、俊輔も勘所よくパスカットなど行なっていました。上野は相変わらずいい読みとストップを行なっていました。得点チャンスは有りながら追加点が中々奪えない展開で、前半終了間際マリノスゴール前で清水がFKのチャンスを得ます。少し前に同じ位の位置のFKはオリバが蹴ってDFに当ててに外していました。ゴール右はマリノス選手の壁が5人立ち並びます。能活はやや左寄りにポジションを取って備えます。オリバじゃなくアレックスが蹴りましたが、能活のジャンプも届かず、壁の上を越えてゴール右上隅に飛び込みます。あの位置に蹴られたら能活でも中々取る事が出来ないと思いました。キックオフから試合が再開されましたが、数秒で前半終了のホイッスル。終了間際の同点ゴールが悔やまれます。前半は時間があっという間に経っていました。

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 ハーフタイムは軽い食事を取って後半に備えます。マリノスのサブの選手がグランド出てきてアップしますが、サリナス、ゴイコ、文丈、路木と他チームから見れば豪華なメンバーがサブに入っています。JOMOカップでいい動きをしていたサリナスが後半出場して決定的な仕事をしてくれないか期待をします。GKのサブは榎本がU19代表でいない為に、久しぶりに吉原君がサブに入っています。ハーフタイムの練習見ても二人と比べるとかなり見劣りしてしまうので吉原君が出る展開にならないのを祈ります。

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 後半に入って清水はファビーニョに代えて、昔々日産にいた長谷川健太が出場します。清水3羽カラスは一人別れてしましたが、いまだ健在を見せてくれました。清水はハーフタイムの指示で知将アルディレス監督がドリブルでの突破を指示した様で、突然オリバ、アレックス、伊東のドリブル突破が増えます。細かなワンツーを入れての、少々のチャージではものともしない、体制崩れても立て直して中央をドリブルで突き進む清水攻撃陣。徐々にマリノスが押し込まれていきます。ディフェンスラインが崩れて能活がサイドライン近くまで突き進んだアレックスを止めようとした所、脇を抜かれて逆転されてしまいます。

 でも、まだまだあきらめないマリノスイレブン。中央に絞りすぎて両サイドが空いている清水守備陣の穴を見つけて上野がサイドチェンジで確実に攻撃を組み立てていきます。組み立ての中から、FKから左サイドにフリーになった城がGK真田の前を横切るパス(シュート?)を出して、がら空きになったゴールに安永が蹴り込んで2対2の同点に追いつきます。城の前でディフェンス二人を引きつけた井原の動きが良かったです。更に戦いはヒートアップしてきます。ドリブル交えた中央突破の清水に対して大きなサイドチェンジから攻撃のマリノス。中盤がっちり組くんでの攻防は見応え十分でした。両方ともチャンスは有りながら決められない展開が続きます。そんな中後半の残り10分、能活の蹴ったクリアが右サイドタッチラインを割りますが、そのボールを追いかけていた野田の裏で清水選手がスローインからフリーでボールを貰い、ゴール前に上げたボールを能活と井原が交錯してこぼれ、健太が押し込み清水に再度逆転を許します。残り時間少ない中奮闘するマリノスイレブン、野田に代えて文丈を入れて攻撃的に行きます。俊輔の蹴ったFKは惜しくも真田に弾かれてしまいますが、後半41分。神田からの縦パスを左サイドを突破した安永がDFを一瞬の切り返しから右足一閃!逆サイドネットにボールが突き刺さり、再び3対3の同点に追いつきました。ゴール裏は大騒ぎでした。

 残り少ない時間も勝ち点3を得ようと攻めぎ合いますがタイムアップ。もうこれで試合終わってもいいのにという思いと、昨年の三つ沢の清水戦は延長に入ってからのサリナスのVゴールで勝ったんだな〜という思いが頭を過ぎりました。

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 延長に入ってからは両チームとも選手交代は無し。同じメンバーで試合が始まります。選手達は疲れた体に鞭打って攻撃に守備にと奮闘します。オリバの浮きタ球がポストに当たったり、俊輔のシュートがポストに当たったりと決定機は有りますが両チームのディフェンスが体を張った守りで防ぎます。ゴール前を横切る俊輔のドリブルからシュートを狙う姿勢とそれをさせまいとマークする清水ディフェンス陣の攻防など局面での激しい攻防が有りました。延長前半終わりに、遠藤が自分からベンチに交代を申し入れてゴイコに代わります。得点動かず延長も後半に入ります。激しい攻防が続く中、知将アルディレス監督が延長後半残り2分で勝負をかけてきました。センターバックの西澤を外して左サイドに若い和田を投入して、上がり目にポジションを取っていた文丈の裏を付いてきます。それがロスタイムに入りかけの時間に実を結びます。早い右CKから、和田からのセンタリングをマリノスDFと競った健太?が体勢を崩しながらシュート、(この時点で線審が旗を上げていたらしいんですが…)右ポストに当たったボールに、詰めていたオリバが体ごと押し込んでゴールを上げました。

 この時、主審は手を上に挙げながら横に向けてセンターサークルを指しながら笛を吹きましたが、その後線審と何か話して、倒れ込んで喜んでいる清水の選手にセンターに戻るように促す動作に、能活もオフサイドを取ったと思いフリーキックからプレイを再開しようとしましたが、センター中央に主審や線審、全選手が集まっていくのを見てVゴールと判断して、ボールを持ってセンターサークルに戻っていきました。挨拶が終わり選手達がバックスタンド、ゴール裏と挨拶に来ます。俊輔も悔し泣きをしているように見えました。私達サポータ以上に選手達は悔しかったと思います。

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 マリノスゴール裏は放心状態のサポータが多く、中には泣いている女の子も見受けられました。試合終了のジャッジが、観客にははっきりと解らず選手にも混乱を与えていました。その判定にメガホンで残って異議を唱える人達が何人もいました。サポータの代表が何も返事をしないマッチコミッサリーやフロントに対して説明を求めにグランドに入って関係者に話を聞きに行きます。

 少ししてゴールの瞬間がオフサイドだったのかどうかビデオで確認中で、観客や選手にも不明瞭だった主審のジャッジについてはチームからリーグに対してなんらかのアクションを起すとの説明が関係者からサポータ代表の人に伝えられました。その説明を聞いてゴール裏のサポータはスタンドを後にしました。その中の数名が関係者入り口で直接関係者に説明を求めたのが新聞紙上に載っていた写真のシーンみたいです。

 私はサポータの人の話を聞いて、スタンドを後にして帰りましたからその後の顛末は実際には見ていませんでした。最後のシーンも試合中から何度も有ったイエローカードの判定やファウルの判定などが引き金になっていると思います。試合自体は白熱したいい試合でした。あとで確認したら前半のバルディのループシュートは完全にラインを割っていてゴールでした。ジャッジについては、不満は残っていますが、終わった試合は戻ってきません。次のことを考えたい気分です。

 まだ2敗目です。4位といえど首位とは勝ち点差はたった1です。鹿島、名古屋は直接叩いて、磐田は最後まで連勝は続かないと思いますから、次節が大切です。選手に気持ちを切り替えて貰って、95年以来勝っていないカシマスタジアムでの勝利を上げてくれると信じています。

 

〜fin〜