日本代表/試合観戦記/1997年


アジア地区最終予選グループB

第3戦 97.9.28 対韓国 国立競技場(東京)

「 これが歴史の差なのか… 」

 

 日本代表1勝1分け、韓国代表2勝で迎えた直接対決、日本のホームに韓国代表を迎えます。ここで勝って日本サッカー雌伏の歴史にピリオドを打ちたいところです。

 (この観戦記は、数日前からの私の行動を記録します。韓国戦とは関係のない記事も多いですが、気にしないで読んでください(^^))

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 9/27(金)AM、仕事中に急遽28日の仕事と、29日夜間の仕事のキャンセルの連絡が入る。翌日28日はカシマスタジアムでの優勝がかかった大一番アントラーズ戦が有る為、なんとか行きたいと思ったが、友人に連絡してもチケットの余りが無い(^^;。ふと考えると、マリノスHPにJTB主催のマリノス応援ツアーが有った事を思い出した。締め切りは当然過ぎているが、駄目もとでJTBへ連絡。”担当が外出中なので確認して連絡します””余ったチケットは返却しないといけないので、チケット次第なんですが…”という返答。なんとかならないかな〜と期待して電話を待っていると、JTBの担当者から、”何名ですか?”と電話有り、”1名なんですが…”と私。”分かりました、1名なんとかしましょう”という嬉しい答えが返ってきました(^^)案内をFAXで会社に送ってもらい、費用を銀行で振り込みして、韓国戦の前日はアントラ戦の観戦で気合を入れる事が出来るようになりました。

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 9/27(金)仕事終了後(19時位)国立の並び隊への差し入れをする。差し入れは何がいいかなっと思ったが、飯田橋名物、不二家の”ぺこちゃん焼き”(ようするに、たい焼きの形が”ぺこちゃん”の顔の形になっていて、味があんこ、クリーム、チョコレート、パンプキン、アップルと5種類有る。目が白目の為ちょっと恐い(^^)日本全国でここしか売っていない隠れた名物〜持っていったときに会話が弾むような差し入れを持っていくのが自分のポリシー)を何人居るのか解らないため各味2個ずつ買って、ペットボトルと紙コップを購入して国立へ。

 2日前の国立は思ったほど人はいなくて(それでも青山門のテントは30位並んでいたかな?)門の前で談笑している友人達を見つけてしばし談笑。差し入れの”ぺこちゃん焼き”は女性陣の皆さんも知らなくて、会話が弾み持っていって良かったです(^^)徐々に差し入れ隊がいなくなってから、フジテレビ”報道2001”が取材に…私はさっといなくなり(笑)。残った友人達は、強いスポットライトを浴びながら質問に答えていました。(ついに全国デビュー??)テレビ局がいなくなってから少しして私も退散しました。

 9/29(土)6時半起床カシマへ、23時帰宅(マリノス対アントラーズ戦観戦記参照)

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 9/29(土)24時半、1週間かけて作成した3ヶ月分の紙吹雪を車に乗せて国立へ、途中差し入れを買って行こうとしたが、行ってから再度買おうと思い直接青山門に、門の近くに車を停車出来なかったので、少し離れた所に停車させ青山門へ、紙吹雪の袋を両腕に持って歩いていると回りの人から”すごい量”と言われちょっと満足(^^)

 国立の回りは前日とは比べ物にならないほどの人で溢れていました。寝袋で寝ている人、テント張ってる人、仲間でトランプやってる人とか大勢の人が国立で夜を過ごし、明日の試合へ向けてるのを見て気分が高まってきます。

 1時半頃青山門の前へ到着。寒い中並んでいる友人達に挨拶。初めてお会いした超野人倶楽部の岡野雪さんがチゲ鍋を作って談笑していました。食事をしながら、話が弾みます。食べてるときに、ウルトラスのリーダー植田朝日君がやってきて、”岡野超野人倶楽部”と書いてあるのを見て”知ってるよいつも見てるよ”と話し掛けてきて、私の友人達は感激で鍋を薦めていました(^^)夜も更けてきましたが国立の回りの熱気は下がりそうに有りません。しかし3時を過ぎた辺りから急激に冷え込みが激しくなってきて、軽装で来た私にはちょっと辛くて、車を置きに自宅に戻りました。(カシマで一緒に観戦したマリノスサポの仲間もカシマから国立へ直行したみたいで、何人もいて挨拶してきました)

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 4時半頃自宅到着、シャワーを浴びて始発で国立向かおうとしましたが時間が有る為、ベッドで横になったら、何時の間にか寝てしまって起きたら7時半でした。(午後7時半じゃなくてよかった(^^))あわてて用意して電車で国立へ…

 9時少し前に国立青山門前に到着。並ぶ友人達もぞくぞくと集まってきました。初めて会う人もいて交流を深める談笑。開門時間が早くなるという噂がある為、早めに片付けして、ダッシュ隊を決めて用意。開門時間は予定どうり11時。今回はウルトラスがホーム側ゴール裏に陣取る為、我々もホーム側25番ゲート上(車椅子席の上)に全員で応援予定。11時に開門。ダッシュ隊は荷物を他に人達に預けて席取りに…席の確保完了、超野人倶楽部の人達もすぐ隣に席確保。フーリガンズも10人前後合流するという事で、フーリの分も席確保。数日前から交代で並んだみなさんお疲れ様でした…総勢60人位の大応援団の結成!!

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 席についてから、青いゴミ袋をみんなに配り(私の袋に表には”ROAD TO FRANCE”裏には大きく”能活”と書く)紙吹雪も配る、めいめい買い物に行ったりして時間潰し。待ってる間、国立の電光掲示板に車椅子席にいた、私が持っていた”能活”と書いた青いゴミ袋が映し出され、やっぱりすごく目立つと実感。そのままカメラは上に上がり、みんなを映し出す。めいめいに青い袋を振って声援を送る(^^)

 12時頃、瞬間オフの為、集合場所へ…友人が買ってきた日本代表のビッグフラッグに各自思いを記入。一番初めにFさんが”積年の思い今年こそ”と力強く記入。みんなの拍手が鳴り響く。その後各自記入。(私は、他の日の丸の旗に一度”いろいろな想いを込めて”一言記入してある為、いろいろな所に書いてしまうと想いが分散してしまうような気がして書けませんでした…)ゴール裏の席を空けておくと危ない為、早々に瞬オフは打ち切って席に付く。アウェー側ゴール裏半分空いてる所に、”レッドデビル”(韓国サポ)登場、スタジアム全体からブーイングの嵐。徐々に応援も盛り上がってきました。ホーム側ゴール裏からウエーブを始めるが、韓国サポは完全無視で対抗。”いい根性してんじゃん”とこちらも気合が入る。13時30分韓国選手がピッチでアップ開始。韓国サポの声援に対して日本サポ、ブーイングで対抗。

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 13時50分スタメン発表。韓国選手から紹介。日本サポからブーイングがずっと出ていたましたが、ホンミョンボ、コジョンウオンの所で一段高いブーイング。チェヨンスの紹介では更に高いブーイング(日本サポは能活との出来事をみんな理解していました)最後にチャブンクン監督の所でも高い高いブーイングが発せられ韓国代表の紹介が終わりました。続いて日本代表の選手紹介です。能活、井原、小村、相馬、中西、山口、本田、名波、中田、カズ、大きな声援です。最後に”呂比須ワグナー”と紹介されたとき、国立が震えるような歓声が上がりました。

 14時選手入場。この時のために作った紙吹雪を思う存分天に撒きます晴天の中、青い袋と紙吹雪のコントラストが映えます。先に韓国国家斉唱、日本サポはなにも言わずにじっと聞いていて、拍手で終わります。次に日本の国家斉唱です。独唱は布施明さんでした。語尾を少し延ばす独特の唄いかたで、布施さんより先に歌詞を唄ってしまい苦笑している人が何人かいました。最後の”苔のむ〜す〜ま〜で〜♪”も思いっきり延ばして唄っていました(^^)(今回は前回のウズベク戦みたいに涙が出るような事は無かったです)

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 14時10分韓国ボールでキックオフ。試合展開は前の試合のビデオで見たまま、韓国のフィジカルの強さを生かした競り合いに持ち込んできます。主審も当たり負けしている日本選手のファウルはなかなか取ってもらえない時間が続きます、チャンスとピンチが交互に繰り返されます。

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 後半23分、コジョンウオンからボールを取った山口。ペナルティエリアまでドリブルするが左右にいた呂比須とカズにはボールを出せず、DFが2人詰めてきて、”取られる”と思った瞬間、右足甲にボールを乗せGKの頭を超すループシュート。ボールは奇麗な軌跡を描いてゴールネットを揺らす。シュートした瞬間、確かに国立で見ている人みんなが一瞬息を呑んでボールの行方を見ていました。ボールがネットに触る”パサッ”っという音が聞こえた気がしました…

 ゴールした後は歓喜を爆発させました(^^)手に持っていた紙吹雪を思いっきり天高く舞い上げ、左右の友人に抱き付き、後ろで輪になって喜んでいる友人達の輪に加わり、最後に前にいたフーリの人と抱き合い喜びを分かち合いました。周りに有った紙吹雪を拾い集めて何度も天高く舞い上げました。点を入れてからも日本の攻勢は続きます。リズムに乗って攻めます。このまま追加点だと思っていた所で、ピッチの外に交代選手が…遠くから見ると”〇7番”と見えました。呂比須に代えて西沢を入れて更に攻勢に出ると思われましたが、交代選手は”17番”の秋田でした。

 結局この交代が裏目に出て、残り10分で2点取られて痛い敗戦をホームでしてしまいました。

 タイムアップの笛が鳴った瞬間、涙は出ませんでした。”なぜ”と自問自答している自分がそこにいました…隣では、やり場のない思いを叫びに代えている友人がいました。選手が挨拶に回ってきても、その場で座ったまま微妙だにしない自分がいました。選手が退場した後、無言のまま試合終了間際に降ってきた雨に濡れながら青いゴミ袋に紙吹雪を拾い集めました。

…天も泣いていました…

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 誰とも、何も話をしたくなくて、試合後の飲み会は初めから参加表明を出していなかった事も有り、挨拶だけして国立を後にしました。どう帰ったかあまり覚えていませんが、家に帰ってから。キムチ鍋を作って、試合のビデオを見ました。なんとも言えない心苦しい気分が蘇ってきます。山口の得点シーンまで見てビデオを止めました。今日はこれで寝てしまおうと強く自分に言い聞かせて眠りに付きました。(起きているとなにをしてしまうか自分でも不安でした)

 翌日、見たくも無いスポーツ新聞を、それでも見なくては!と思い何紙か購入して見ました。通勤ラッシュの中、悔しさが込み上げてきます…

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 ”ソウルでは見てろよ…”という想いを強くして数日が経ちましたようやく心の傷も癒えて次の戦いに望む気分になりました。次だ!次!残り5試合。選手にはサッカー生命を賭けて臨んで貰いたいです。私たちも心の底から声援を送ります。

 

〜fin〜