日本代表/試合観戦記/1997年


アジア地区最終予選グループB

第1戦 97.9.7 対ウズベキスタン 国立競技場(東京)

「 4年間の想いを乗せて 」

 

 いよいよ4年間の想いをぶつける最後の戦いの始まりです。長くて短い2ヶ月が始まります。 試合当日の朝、6時に起床思ったより感情の高ぶりが無く、準備を整えて出発。途中並び隊への差し入れのビール等を買い込んで国立へ移動。地下鉄の表参道駅から歩いた為、千駄ヶ谷門まで競技場を半周する形に、途中競技場の周りは徹夜組も含めた人達でいっぱいで、新聞を読んだり紙吹雪を作成していたりしていました。

 歩いてる途中の公園で、大きい日の丸へ寄せ書きを行っていました。真ん中に都並さんの”俺の夢をかなえてくれ”の文字があり、私も端っこの方に一言”一心”と書いてきました。(この言葉は小さい頃から好きな言葉で、”一つの事に向かって心を込めて”という意味があります)

 千駄ヶ谷門に10時頃到着し、並んでいる友人の人達と合流、いろいろな話をしながら、交代で食事をしたりしながら、時間が経っていきます。待っている間にも、そくぞくと人が増えていきま話がはずみます(^^)。 いよいよ16時に開門。手荷物検査が有るということで、席取り隊は何も持たずに、ホーム側とアウェー側にダッシュして席取り。私は手荷物預かり所にクーラーボックスを預けてホーム側ゴール裏へ。自由席の埋まり方はアウェー側の方が入りが良くて、アウェー側から席が無くなっていきました。17時に瞬間オフ実施。総勢30人くらいが集合。ほとんどが一度会ったことがありましたが、人が多くて混乱していたため、あまり話も出来ず…。オフも数十分でお開きになりました。記念撮影と応援に気合いを入れるために一本締めを行い解散。この時間になってもあまり気持ちの高まりがなかったです。

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 18時過ぎに先発メンバー紹介。マリノス4選手がスタメンなのを確認して、応援も徐々に始まり気分も高揚してきました。いよいよ試合開始です。

 19時すこし前に選手入場。自由席の人も一斉に立ち上がり声援を送ります。多くの多くの本当に多くの紙吹雪がホーム側、アウェー側ゴール裏、バックスタンド、メインスタンドからも撒かれてスタジアム中が日本の勝利を祈って一つになった瞬間でした。私も、入場口で貰った日の丸の旗に、”能活”、”城”と名前を入れて旗を振り声援を送ります。ウズベクの国歌が流れて、日本の君が代斉唱です。独唱は”つのだひろ”でした。独唱に合わせて同じように君が代を歌いました。目をつぶりながら4年前の事を思い出し、自然と涙が出てきました…(まだ試合が始まってもいないのに…泣くのはまだ早いと思いながら…)

 いよいよキックオフです。カズと城がボールに祈りを込めているのが、国立の電光掲示板に大写しになったとき、また涙が出てきました…

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 主審の笛でキックオフ。試合開始から3−5−2積極的に攻める日本。1本目のコーナーはクリアされましたが、2本目のコーナーでこぼれ玉を井原がキープ。ゴールに背を向けたところにDFの足が入り、PK。主審が笛を吹いてペナルティスポットを指差した時、スタンド全体から沸き上がる歓声!!カズがボールに祈りを込めて思いっきり蹴ったボールがゴールに吸い込まれて先制。先程より大きい歓声がスタジアム全体を埋め尽くします。

 この先制点でリズムに乗った日本。左サイドの相馬の上がりと名波からのパスでいいリズムで攻撃をしかけます。前半23分、相馬からのうまいパスをフリーのカズが押し込んで2点目。この後、城が決定的なのを外しますが、前半40分、中盤真ん中でフリーになった中田のシュートが左隅に突き刺さり3点目。このシュートは綺麗な軌跡を描いてゴールへ吸い込まれていきました。スタンドはますますお祭り騒ぎと化してきます。城に1点決めて貰いたいと思いながら、前半ロスタイム。カズとポジションチェンジから、DFの裏を回ってキーパーと1対1に、さっき外したのはサイドを狙ったため、今度はキーパーの上を浮かしてシュートし4点目。これで前半終了。

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 前半は、日本の良いところばかりが目立ちましたが、ウズベクは中盤でミドルシュートするシーンが多くて、危ない場面では、プレスプレスと叫んでいました。ボランチが一人というのも大変そうでした。前半は反対側のアウェー側のゴールへ4点入りましたので、後半はさらに3点くらい目の前で見たいと思いながら後半に入ります。

 後半開始。ウズベクは前半より動きが良くなり、何度か危ないピンチを迎えますが、相手のシュートミスに助けられます。特に右サイドの名良橋のサイドをつかれていきます。そうこうしてる内に、後半11分名良橋が上がって戻りが遅いところに井原がカバーに行き、リベロがいなくなったところに、中盤からのロングパスで抜かれて、失点してしまいます。場内一瞬静寂がよぎります。気を取り直して応援を続けます。城に変えて西沢投入。決定的なチャンスが有りましたが、カズの折り返しをヘッドで戻してしまい得点ならず、8分後、カズが中央をドリブルで突破してハットトリック達成。しかし、5分後能活がスルーパスで抜け出した選手のボールをはじく動作をしたところ、相手選手を押したと言うことでPKを取られてしまいます。(能活お怒りモード突入です)これを止められず、5対2。また3点差になります。ここで名良橋に変えて中西投入、DFを締めようと思ったんでしょうか、中西は攻撃のタイミングがつかめず、さらに上がったときに相手DFに右足を蹴られてこれ以降いいところが無かったです。

 後半32分、井原が中盤に上がった時に、小村が裏を取られて、ヘディングシュートを決められてしまい、5対3です。(Bグループで韓国抜くには、得失点差3以上ないとだめです)追加点を狙ってウズベクも攻撃の手を緩めません。しかし、後半35分中西からのパスを、カズが相手DF2人に囲まれながらキープしシュートして、6対3。この直後、足を痛めた西沢に変わり本田を入れて3−6−1で逃げ切りました。タイムアップの瞬間はほっとしました。

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 ウズベク選手はろくに整列もしないまま控え室に戻っていき、インタビューのカズ以外の選手は、アウェー側ゴール裏からバックスタンド、ホーム側ゴール裏と挨拶に来てくれました。(能活は3失点で満面の笑みといかない様でした)インタビューが終わりカズもアウェー側ゴール裏からホーム側ゴール裏と挨拶に回ってきてくれました。

 初戦は勝利で終わりました。次のアウェーのUAE戦まで気力を溜めて、次はTVの前で声援を送りたいと思います。帰宅してから、顔と両腕が日に焼けてるのと、喉ががらがらに枯れているのに気がつきました(^^;

 

〜fin〜