黒プリTRPG(仮)セッション#0



導入その1

とある部屋の一角


その日、乙女達は不振の声を上げていた。
ユリカ「怪しいよねぇ」
ルリ「ええ、怪しいです!」
ラピス「怪しい・・・」

何が怪しいかって?

ユリカ「最近、アキトが夜な夜なアキさんの部屋に通い詰めてるらしいの!」
ラピス「本当に怪しい」
ルリ「リサーチの結果、二人は『大人の遊び』なるものをやってるらしいんです」
ユリカ&ラピス「「大人の遊び?」」
ルリ「ええ、これはぜひ調査する必要がありますね!」
ユリカ&ラピス「「ええ!」」

ということで乙女達は夜を待って現場を直接押さえることにしました。



アキの部屋の前


乙女達は通路の影でこそこそ歩いているアキトの姿を追っていた。
アキの部屋の前に立つと、アキトはキョロキョロと辺りを窺ってそれからアキの部屋に入っていった。

ユリカ「よし、行くよ!」
ルリ&ラピス「ええ!」
タタタ・・・
ユリカ達はアキの部屋に近づき、ドアに耳を峙てた。

・・・でも普通、ナデシコのドアは防音装備じゃないんですか?

ルリ「大丈夫です。ウリバタケさんを脅してせしめた盗聴君を使えば!」

で、中から漏れ伝わる音を聞いていくと・・・

アキト『アキさん、ダメです!』
アキ 『こら、男の子でしょ!もうちょっと我慢しなさい!』
アキト『ダメです、死んじゃいそうです〜〜』
アキ 『こら、一人で勝手に果てるんじゃない!!』
アキト『うわぁ!そんなこといったって持ちこたえられそうにありません!』
アキ 『ばか、私がイクまでもう少しぐらい持たせなさい。男の子でしょ!!!』
アキト『男でも持たないものは持ちません!』
アキ 『私ももうすぐイクからそれまで我慢を・・・』
アキト『ダメです〜〜死んじゃいます〜〜』

ユリカ「・・・・・(真っ赤)」
ルリ 「・・・・・(真っ赤)」
ラピス「・・・・・(真っ赤)」
漏れ伝わる会話を聞いて妄想を爆発させる乙女達
何を想像しているかは、お父さんお母さんに聞いてみましょう(笑)

ユリカ、ルリ、ラピス「そんなことしちゃ、ダメです!!!」
部屋に乱入する乙女達!!!

だが、彼女たちが見たものは・・・

アキ 「・・・・・どうしたの、あなた達?」
アキト「どうしたんですか?アキさん?」

恥ずかしがるでもない二人。
それもそのはず。

二人は着衣の乱れもなく、普通に掘り炬燵(外伝8.5話参照)に入っていたからだ。
しかも、近くにはオモイカネ@GMのウインドウが浮かんでいた。
そしてアキトの手からポロリとサイコロが落ちる。

コロコロ・・・
出た目は1と1・・・

オモイカネ@GM「あ、一ゾロ。
 残念ですが抵抗ロール失敗しました。アキトさん、死亡です」
アキト「・・・ガックリ」
アキ 「残念、フォローが間に合わなくてゴメンね、アキト君(苦笑)」
ガックリくるアキトを慰めるアキ
だが、乙女達にはその光景をすぐには理解できなかった。

ユリカ「・・・二人とも何をしてるの?」
アキ 「・・・なにってテーブルトークRPG」
ルリ 「TRPG?」
アキト「あ〜あ、また死んじゃった・・・・(ガックリ)」
アキ 「アキト君、出目が悪いから」
ラピス「・・・つまり遊んでたの?」
アキト&アキ「そうだけど、何か?」

ということでさっきの勘違いのシーンが戦闘での会話であることを理解するのであった(笑)



キャラメイクその1

ってことでアキの部屋


さてさて、誤解もなんとか解け(?)、改めてどんな遊びか知る乙女達。
ルリ 「つまり会話を中心としたRPGな訳ですね?」
アキト「そうだね」
ユリカ「でもでも、これのどこが大人の遊びなの?」
アキ 「だって会話が中心だから想像力だけが頼りになるでしょ?
 それにゲームは参加者達の会話だけで進展していくということは、みんなが「バカばっか」とか言って協力しなかったら全然成り立たないゲームなのよ?」
ラピス「・・・・なるほど」

わかったのかどうか、よくわからない乙女達だが・・・

アキ「・・・と、なんだかやりたそうな顔ね」
ユリカ「コクコク♪」
ルリ 「コクコク♪」
ラピス「コクコク♪」
まぁ、見つかった時点で彼女達がやりたがるのはわかっていたから、アキト達もこそこそやっていたのだが・・・

ルリ 「でもお二人だけでやってたのですか?」
アキ 「えっと、今日は私達だけ。いつもはイネスさんとハーリーくんも一緒にやってるわよ」
ユリカ「ハーリーくんって?」
アキト「TRPGに詳しい子だよ。たまたまネットで知り合ってね。
 んで、ティーティングもかねてネット越しに参加して貰ってるんだ。」
ラピス「ふう〜ん」
アキ 「まぁ、とりあえず今日は遅いから遊ぶのはまた今度にしましょ?」
乙女達「は〜い」

って事でキャラメイクは後日改めてすることになった。



数日後、アキの部屋


さてさて、今日は乙女達三人組に加えて、イネスやネット越しにハーリーも参加してのトークとなった。
アキ 「こちら、私達の先輩でハーリー君。」
ハーリー「よ、よろしくお願いします(真っ赤)」
ハーリー君、ルリちゃんを見つけてさっそくメロメロドキューンになったようだ。

ユリカ「イネスさんがゲームやるなんて意外です」
イネス「あら、私は説明できればどこでもいいのよ」
ラピス「説明・・・してるの?ゲームの中で?」
アキト「コクン」
力無くうなずくアキトであった。

それはともかく

ルリ 「ってことでまずはなにをすればいいんですか?」
ハーリー「まずはキャラクターメイクですね。まずは種族を決めてから、種族の特長に従ってさいころを振って行きます。よくわからない方は自動作成ボードを使うとラクチンで作れます」
乙女達はアキやハーリーの指導の元、さいころフリフリ、鉛筆なめなめでキャラクターを作っていくのであった。

さてさて、こちらはラピス、せっかくキャラクターは自分の自由に作っていいって言われたので一生懸命キャラクターの設定や背景を考えているのだった。
ちょっと方向性が違っていたが。

ラピス「年は大人の方がいい。でもおばさんすぎてもいやだし・・・」
イネスをちらっと見てにらみ返された(笑)
大人に憧れるラピスとしては頃合いが難しいらしい。
結局、一旦15歳くらいで設定してみることにしたようだ。キャラの名は自分の名前のラピス。外見の設定は・・・設定は・・・

ラピス「やっぱり大きい方がいい。」
何気なくプロフィールに願望で身長とスリーサイズ(!)を書き込もうとする。
だが、そんなラピスを横で見ていたルリが茶々をいれた。
ルリ 「止めなさい。あとで空しくなるだけですよ。」
ラピス「ふん!ピチピチの私にはまだ可能性があるの。もう終わってるルリと違うの」
ルリ 「私だってまだピチピチです!」
アキト「まぁまぁ二人とも。将来に期待しよう?」
アキ 『ルリちゃん、ラピスちゃん。それはかなわぬ願いなんだ・・・』
アキが密かに涙を流す傍ら、アキトの仲裁により仲直りするかに思われたが・・・

ハーリー「でも、二人ともエルフかハーフエルフなんでしょ?
 だとすると種族的にはやせぎすになっちゃうんで設定してもたぶん意味がないと思います」
場の流れを読めないというか鈍いというか・・・思い切り自爆発言をしたハーリーがどうなったかはご想像にお任せします。



キャラメイクその2

再びアキの部屋


さてさて乙女達がキャラクターを作っている最中、既存のメンバーはどうするのでしょうか?

ルリ 「で、アキトさん達はどんなパーティーを組んでいたんですか?」
アキ 「私はファラリスのプリースト5にファイター5、セージ5ね」
ルリ 「・・・いきなり闇司祭ですか?」
アキ 「うん、完全版に沿ってね(笑)」
ラピス「でもなんで男性?」
アキ「それは・・・あははは」
まさか、こういうときぐらいは元の性別でやりたい・・・とは言えないアキであった。

アキト「ファイター3のみ」
ユリカ「アキさんと比べてレベル低いねぇ」
イネス「出目が悪いからねぇ。何回か死亡して作り直したんだっけ?」
アキト「2回です」
ラピス「でもこの前死んだ」
アキト「ガックリ」
ラピスのきつい一言にうなだれるアキトであった。

イネス「ソーサラー3、セージ5ね」
ルリ「なぜセージの方が高いんですか?」
イネス「それは・・・」
ハーリー「セージの方がレベルアップに必要な経験点が少なくて済むんです。
 それにレベルが高い方が冒険者レベルがあがって死ににくくなったりするんです。」
ルリ「冒険者レベル?」
イネス「違うわよ。単に説明が出来るようにしたかっただけよ。」
ハーリー「え?」
なんか、すごくらしいと思う一同であった。

ハーリー「僕はシーフ4、シャーマン3、セージ3です」
ルリ 「珍しい組み合わせですね」
ハーリー「そうですか?でもパーティーのバランスを考えるとちょうどいいんです。」
ユリカ「そんなものですか・・・」

さてさて、これでメンバーは計7名。旧メンバーはどうするか考えているのだが・・・
ハーリー「7人はちょっと多めですね。どうします?」
イネス「私がはずれるわ」
ルリ 「え?でもそんな・・・」
イネス「どうせ説明できればいいだけだから。たまに現れて説明する謎の錬金術士ってことにするわ。ちなみにキャラはソーサラーを封印しただけで前のままだからよろしく♪」
セージ5のみでパーティーにつきまとう不思議なキャラ・・・だそうです(笑)

アキト「俺は・・・素直に作り直します。」
ラピス「死んでるし」
アキト「ガックリ」
ユリカ「んじゃんじゃ私の幼なじみってことにしよう?」
なんかユリカに巻き込まれつつレベル1からキャラクターを作らされるアキトであった。

アキ 「んじゃ、私も作り直そうかな。パーティーのバランスもあるし」
ルリ 「ダメです!」
ユリカ「そうです、ダメです!」
ラピス「ダメ!」
アキ 「なぜ!?」
ルリ 「アキさんは強くなくちゃダメです!」
ユリカ「アキさんは格好良くなくちゃダメです!」
ラピス「アキはゴブリンごときに後れをとっちゃダメ!」
アキ 「でも・・・」
ハーリー「それじゃ、とりあえずプリーストは改宗しましょう。さすがにこのパーティーでファラリスはまずいでしょう」
アキ「でもファイター5は強すぎるよ?」
イネス「ん・・・制約を付ければ?武器攻撃だけはファイター技能1で戦うとか」
アキ 「・・・そうですねぇ。」
ルリ 「あと、要望があるんですけど!」
アキ 「ん?なに?」
ルリ 「アキさんの女性化プリーズです」
アキ 「はい?」
ルリ 「アキさんは見目麗しいお姉さまでないと」
ユリカ「やっぱりそうよね♪」
ラピス「そう、ふかふかがいい」
アキ 「・・・って言ったって作り直しもせずいきなり女性には・・・」
イネス「いいんじゃない?そんな薬もあるはずだし。」
アキ 「イネスさん・・・」
イネス「有り余っている所持金を使ったらちょうど買えるわよ♪」
アキ 「・・・わかりました」
ってことで短い男性復権となるアキである(笑)

ハーリー「・・・・じゃぁ僕もキャラを作り直そうかな〜〜」
ルリ 「ああ、頑張って作り直して下さい」
ハーリー「どうせ僕なんて〜〜」
ハーリー強化案には誰も賛成してくれないのであった(笑)

ってことで次回は皆さんのキャラクターの発表です。


※注意!:この作品はソードワールドRPGに準拠しておりますが、一部ハウスルールを交えている部分があります。
実際にプレイされる場合は必ずルールブックを参照するようにして下さい。

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