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CPUの換装で一定の成果は得たものの、想像したよりもシステム全体のスピードやスムース感の変化は体感できませんでした。Katmaiコアの450MHzからCoppermineコアの850MHzに換装、CoppermineはKatmaiの同じクロック数のCPUよりも25%性能が上といわれていますので、単純に考えれば、もとのCPUの2倍以上の処理能力があるはずなのになぜなんだろうと悩みました。
いろいろ研究した結果、いくらCPUが早くてもその周辺が遅いのでCPUの能力が発揮されてないのではないかと思い至りました。
HDDの換装がシステムのスピードアップに貢献するところが大きいとは聞いていたのですが、未経験の私にはいまひとつリアリティがありませんでした。しかし、換装後はその効果の大きさに驚くこととなったのです。

IBM, Seagate, Maxtor or Western Digital? - どれにしようかな
換装を思い立った当時はIBMのDTLAシリーズがもっとも早いと評判でした。しかし、何件か電源周りのノイズが原因とされるトラブルが報告されていましたので不安がありました。早ければ早いにこしたことはありませんが、安定性を欠いてしまうのでは困るからです。
私が代替HDDに求めるスペックとしては、バッファが2MBであること、シークタイムが9ms以下であること、回転数が7,200rpm、そして20Gプラッタであることでした。SeagateやMaxtorからもこれらのスペックを満たすHDDが発売されていましたが、それらに関しては換装報告例に乏しく臆病な私には手が出せずにいました。
そんなときにKazuさんのサイト(現在お休み中です)で、同じL510/BP2のユーザーがHDDの換装レポートを挙げてくださいました。その方のレポートは詳細で以前より一目置いていたのですが、HDDに関するレポートでも緻密な分析のもと換装するHDDを選ばれたとのこと。それがWestern DigitalのWD200BBでした。DTLAで指摘されたような問題もなく、また純正のHDDに比べ静かであるとのことでしたので私もようやく重い腰を上げることができました。

WD300BB購入 - CPU売り払ったお金で購入
購入にあたりその資金を捻出するため、Coppermine導入にあたり使うあてがなくなったKatmai600MHzのCPUを中古PCショップに売りました。そもそも中古として購入したものでしたのでいくらで売れるか不安だったのですが、13,800円で買い取ってもらえました。購入したときの価格が21,000円程度でしたので価格変動の激しいCPUにおいては4ヶ月後にもとの価格の7割ならば充分納得。そのお金をもってあらかじめ調べておいた別の店に向かいます。しかしながら、ショーウィンドウには30G版のWD300BBしかありません。
店員さんに聞いたところ、「在庫はない。あっても価格は30G版とほとんど変わらない」とのことでした。容量が大きい分には問題なかったのですが、特に大容量のHDDを必要としていなかったこともあり、横に置いてあるDTLAがちょうどCPUの買い取り価格と同額だったので心を奪われそうになりましたが、ここは安定性を優先して15,000円弱でWD30BBを購入しました。初めて単体で持ったHDDの重みに緊張しながら家路を急ぎました。

HDD換装 - コネクターが抜けない!
Western Digital製のHDDはシングル使用時のジャンパーピンの設定が変わっていますのでHDD表面の説明書きをよく見てジャンパーピンの位置を確認します。
例によって開けにくい筐体ですが、さすがに慣れてきました。手際よく開け、HDDの載っているプラスチックのトレイを外します。
と、ここまでは順調だったのですがいざHDDについているコネクターを外そうとするとこれがかたいかたい。電源ケーブルとIDEケーブルふたつのケーブルが付いていますがどちらもかたい。前者はマイナスドライバーをそっとあててテコの原理を利用して抜くことができましたが、IDEケーブルはドライバーを引っかけるところもありません。ケーブル部分をもつのはこわかったのですが、しょうがないので力がケーブルだけにかからないように慎重に引っぱってなんとか抜くことができました。ケーブルをはずせたら、HDDを固定しているねじを外し純正のHDDを購入したWD30BBに入れ替えます。外したケーブルもしっかりはめ込んで(入れるときもかたいです)再び筐体に収めます。
筐体を閉めてシステムを起動したところ、システムが換装したHDDを認識しません。焦りました。いろいろ調べたのですが原因がわからず、最後の手段でWD30BBに接続したケーブル類を再度はめ直したところ無事起動することができました。あまり力を入れすぎるとコネクター部分が壊れることがあるそうですので注意が必要ですが、ケーブル類の接続はきちんとしなければならないことを再確認。

システムの再構築 - Win98とWin2Kの再インストール
システムがHDDを認識したらWin98の起動ディスクを使用してディスクをフォーマット&パーティションを作成します。私の場合は、Win98用Cドライブ(10G)、Win2K用Dドライブ(10G)、共用データ用Eドライブ(10G)の3つに分けました。
これが終わったらWin98を再インストール。これはもうリカバリーCD-ROMを入れてそのままです。そしてWin2Kも。特に問題はありませんでした。

使用インプレッション - ハヤイ、デカイ、シズカ
さて、環境の再構築が終了し実際に使用する段になっていちばん驚いたのがその静かさでした。純正のSeagateは「ガリガリガリ」とアクセスランプがなくてもHDDが動いていることが確認できましたが、WD30BBはランプを見ないと動いているのかどうかわかりません。特にWin2Kの起動時に顕著です。
標準装備のSegateでベンチマークを取っていなかったので抽象的な表現しかできないのですが、Win98やWin2KなどOSの起動で1.5倍程度、アプリケーションの起動では倍近く早くなったように感じます。これはすでに換装されていたCPUの効果と相まっての結果であり、HDDの性能すべてというわけではないのでしょうが、コストパフォーマンスの点では非常に効果のあるグレードアップであると思います。
安定性を求めてWin2Kを導入したものの、その「重さ」にちょっと参っている方はHDDの換装も考えてみてはいかがでしょうか。■

Revised on April 11, 2002
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