ビデオタイトル |
The Tomb of Ligeia |
ジャンル |
ホラー |
原題 |
The Tomb of Ligeia |
制作国 |
アメリカ |
邦題 |
黒猫の棲む館 |
出演 |
ヴィンセント・プライス バーデン ロウェーナ ケンリック |
制作年 |
1964年 |
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制作社 |
AIP |
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監督 |
ロジャー・コーマン |
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制作・総指揮 |
ロジャー・コーマン |
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原作・原案 |
エドガー・アラン・ポー |
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脚本 |
ロバート・タウニー |
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映像情報 |
カラー/82分 |
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ビデオ情報 |
ORION |
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DVD情報 |
MGM/リージョンコード1/「The Tomb of Ligeia」「An Evening with Edgar Allan Poe」収録 |
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美しい妻リジイアを失ったバーデンは、彼女の墓所で偶然であったロウェーナと恋に落ち、後妻に迎えた。平穏に包まれるかにみえたロ ウェーナの結婚生活だったが、頻繁に黒猫に襲われ、バーデンが夜毎自室から離れることを知る。そしてある晩、黒猫に追われたロウェーナは隠された地下室へ と入り込み、そこにバーデンと、死してなお美しさを保つリジイアを見つけた。リジイアの死を信じず狂気に陥っていたバーデンはロウェーナによって正気を取 り戻すが、黒猫に襲われて失明し、失火によって館は燃え落ちるのだった。なんか変な説明だな。 「赤死病の仮面」と共にAIP時代コーマンのポーシリーズ最後を飾る作品は、「リジイア」をベースに「黒猫」と「アッシャー家の崩 壊」を盛り込んだ佳作。さすがに赤死病の迫力にはかないませんでしたが、コーマンらしく魅力的なキャスティングとそれなりの雰囲気づくりがなされていま す。廃墟で行われたロケはさすがに低予算を隠しえなかったようですが、古寂れた室内セットと共に雰囲気はまずまずでした。 特徴的なところでは、バーデンを視覚過敏の設定にしてサングラスをかけさせ、不気味な雰囲気を持たせたました。このサングラスによる 演出はヴィンセント・プライスの表情演技の要となる眼を隠すことになるのですが、それでも独特の雰囲気をもって怪演しています。しかし、最後まで徹底して サングラスをかけていたわけではなく、中途半端になってしまったのが惜しまれます。サングラスに絡んだ下りも一つしかなかったしね。まあ、サングラスのプ ライス、ちょっと若作りなスタイルとあいまって渋さ倍増でした。 また、エリザベス・シェファードがリジイアとロウェーナの一人二役を演じているんですが、恥ずかしながらスタッフ・ロールを見るまで 気がつきませんでした。確かにリジイアは黒髪で怪しげ、ロウェーナは金髪ではつらつと演じているんですが、私の目にはまるきり別人に見えたんですね。さら にこのエリザベス嬢が芸達者で、横座りで乗馬しながら障害を越えてしまうといった見事な手綱さばきを見せています。 この後コーマンが抜けたAIPのポー作品よりはまだ良質なのですが、さすがにコーマンの手腕を持ってしてもパワーダウンの感は否めま せん。これは作品のほとんどが「死」をテーマにしていることもあり、マンネリに陥ってしまったからでしょう。ほとんどの作品にプライスが出ていることも、 うれしい反面マンネリに拍車をかけてしまっていることは否定できません。ちなみに、初作「アッシャー家の惨劇」で撮影され、延々と使いまわされた納屋の焼 け落ちるカット、この作品でも使われています。 |