ビデオタイトル |
NOSFERATU |
ジャンル |
ホラー |
原題 |
eine Symphonie des Grauens |
制作国 |
ドイツ |
邦題 |
ノスフェラトゥ |
出演 |
マックス・シュレック |
制作年 |
1922年 |
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制作社 |
ウーファ |
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監督 |
F.W.ムルナウ |
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制作・総指揮 |
エンリコ・ディックマン |
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原作・原案 |
ブラム・ストーカー |
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脚本 |
ヘンリック・ガーレン |
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映像情報 |
モノクロ/サイレント |
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DVD情報 |
image ENTERTAINMENT/リージョンコードフリー/81分/音楽2種、ノスフェラツアー、スチルなど収録/ ELITW/リージョンコード1/2枚組(カリガリ博士51分・巨人ゴーレム68分・ノスフェラトゥ64分、カリガリ博士とノスフェラトゥは回転数違い、ゴーレムは原版違い) CLEOPATRA/リージョンコード1/63分/ゴシックロックオリジナルスコア |
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不動産屋の社長レンフィールドに、オルロック伯爵の転居の手続きを依頼されるジョナサン。彼はオルロック伯爵のもと、トランシルヴァニアにおもむく。しかしオルロック伯爵は吸血鬼であった。ブレーメンにやってきたオルロック伯爵は、レンフィールドを手先とし、ネズミを使ってペストをまん延させる。しかしジョナサンの気丈な妻ニーナによって、一番鶏の鳴き声と共に消え去ってしまう。 原作はブラム・ストーカーの「吸血鬼ドラキュラ」ですが、著作権に無許可であったために名称や舞台を変更して作られました。しかし、見るからに「ドラキュラ」の映画化であることは隠すことができず、著作権管理者であるブラム・ストーカーの妻であるフローレンス・ストーカーによって著作権侵害で訴えられ、全てのフィルムを焼却処分するという判決が下されます。しかし幸いなことに全てのフィルムが破棄されたわけではなく、現在に残る名作となりました。 オルロック=ドラキュラ伯爵役のマックス・シュレックは、もともと舞台役者です。「シュレック」はドイツ語で「恐怖」を意味するらしく、彼の名を英語風に解釈すると最大の(マックス)恐怖となるのもちょっとした語呂合わせだったんでしょうか。ちなみに彼の映画出演は、日本ではこの作品ぐらいしか知られていないようですが、けっこう多数の出演作品があります。しかも、ミュージカルやコメディーなど、幅広いジャンルに出演しているようですね。 imageのDVDに収録されているノスフェラツアーは、ブレーメンの街並みから辻に残る小さな礼拝堂、オルロック伯爵の居城など、現在も残るロケ地を訪ねて歩きます。また、有名なネガで起こされた馬車のカットをポジにおこし直して別収録されていますが、想像通りとはいえ真っ白なオルロック伯爵と白馬に白塗りの馬車というのもインパクトありすぎです。エレクトリックオーケストラとオルガンの2つの音楽が付けられていますが、今ひとつしっくりとは感じられないのが残念でした。 ELITWのDVDではドイツで付けられた音楽にあわせた回転数でフィルムがまわされており、まるでカットされているかのような上映時間になっています。 CREOPATRAのDVDはゴシック・インダストリアル・ミックスとなっており、オリジナルのゴシックロックスコアが付けられています。やや抑揚に欠けるきらいはありますが、ミサ曲、あるいは賛美歌のような、コーランの調べのような、マニ車のひびきのような、それでいて光の裏側にある陰りのような独特の楽曲ですね。この暗く沈んだ雰囲気は秀逸で、シーンごとの切替も見事。コミカルといってもいい冒頭のジョナサンの下りですら、何かを予感させる雰囲気をかもし出しています。映像の回転数が早めなため、スコアと映像のペースが今ひとつ噛み合っていないと感じられたのが残念ですが、「ノスフェラトゥ」をいつもと違った角度から楽しみたい方にはお薦めできる一枚です。(Special Thanks to Kihito) |