ビデオタイトル |
The BELLS |
ジャンル |
ホラー・ファンタジー |
原題 |
The BELLS |
制作国 |
アメリカ |
邦題 |
ベルス |
出演 |
ライオネル・バリモア |
制作年 |
1926年 |
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制作社 |
チャドウィック・ピクチャーズ |
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監督 |
ジェイムス・ヤング |
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制作・総指揮 |
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原作・原案 |
エドガー・アラン・ポー |
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脚本 |
アレクサンドル・チャトリアン |
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映像情報 |
モノクロ/サイレント/68分 |
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DVD情報 |
IMAGE ENTERTAINMENT/リージョン1/「Crazy Ray」短縮版収録 |
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表向きは気前のいい宿屋の主人だったが、内情は借金の肩代わりに一人娘に結婚を迫られる始末の火の車。そんな主人は吹雪のクリスマスの夜、ついつい出来心でワルシャワからやってきた旅商人を手にかけて大金を奪ってしまった。そのために娘は相思相愛の軍人と婚約できたものの、商人の手にしていたベルの音がのべつ彼の耳に鳴りひびき、商人の幽霊に苛まれ続ける。やがて興行師にして奇怪な能力を持つ男の手により真相が暴かれ、娘の婚礼の晩、主人の魂は旅商人の霊と共にマリア像に導かれ、旅立ってしまうのだった。 気難しそうな宿屋の主人ライオネル・バリモアもさることながら、カリガリ博士と同じスタイル同じ設定のボリス・カーロフがユニーク。さすがに本家ヴェルナー・クラウスほどのインパクトはありませんが、1931年の「フランケンシュタイン」でブレイクする前のちょっと控えめな演技がいいですね。さらに、旅商人の幽霊が気のいいオヤジで、宿屋の主人とカードをしたりするんですね。もっとも、当然恨みを晴らしに出てきているのですから、人の良さそうな演出が対照的な効果を生みだし、薄気味悪さが増幅されています。まあ、苦悩しているのは主人のほうで、商人はと言うと実はいい人で終わるんですが。その他にも、主人の気の良さにつけ込んでつきまとうオヤジがハンプティ・ダンプティそっくりの人間離れした体型だったり、借金の形に娘に迫るオヤジが結構不気味な雰囲気だったり、オヤジ共のキャラクターが濃いのも妙にインパクトがあります。 さて、ポーの詩「鐘のうた」をベースにしているんですが、旅商人の幽霊が鳴らす馬車のベルがかなり印象的で、光と影という対極的な部分もストーリーに反映されています。詩からインスパイアされた映画の中でも、雰囲気たっぷりの逸品に仕上がっていますね。アメリカの作品ですが舞台は北欧、さらにバッドエンドと見せかけて実はハッピーエンドなのでした。 |