ダークビヨンド/死霊大戦

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惨劇から生還したランドルフ・カーターは、一つの墓を眺めていた。ジョシュア・ウィンスロップここに眠る、1704年10月7日。そう、この惨劇を招いた魔導師の墓である。

ケガをおいながらもタニアを心配するハワードに、持ち出したネクロノミコンを預けるカーター。事情聴取で警察に取り上げられないためだ。

次々と運び出される学生たちの無残な死体。

検死に訪れた医師は、老練な警官アーニーに話す。これは大きな事件の一角に過ぎないだろう。死体の傷は犬や狼の仕業ではない、ダンウィッチ家の事件に似ていると。

アーニーは屋敷を完全封鎖するよう指示を出す。

ハワードの病室にやってきたカーターは、ネクロノミコンに書かれた呪術を使って魔術師の墓の下で見つけたトンネルへ入り、怪物の謎を解くという。このなぞこそが、何世紀にも渡ってアーカムの住民を脅かしてきたものなのだ。

ネクロノミコンの記述を一人解明するカーター。そこへ事件の噂を聞いた友人が訪ねてくる。事件に関してしらを切るカーターだったが、黒板に書き写したネクロノミコンの一節を物理学専攻の学生バージャーが量子力学の方程式、それも時間を扱ったものだと解き明かす。

量子力学の基礎は1900年ごろにフランクが確立したもの。ネクロノミコンはそれよりもはるか以前にかかれたものなのだ。

怪物の夢を見て目を醒ますハワード。そこへウィンスロップの霊が現われる。自分の呼び出した悪魔が娘アライダにとりついてしまい、怪物になってしまったこと、ネクロノミコンの重要な一ページが破り取られていたため、封じることができなかったこと、そして、破壊をもたらすその怪物を殺してほしいとはなす。

学長のもとを訪れ、事件の真相を話すカーター。真実を発表してこれ以上被害が出ないように食い止めたいと説得するカーターだが、学長はそれが真実であることを認めつつも聞き入れない。アーカムの町はすでに17世紀から呪われ続けており、自分達の力ではどうすることもできないという。

カーターが次に訪ねたのは、ウォーレン教授だった。ウィンスロップ家の伝説を調べたことがある教授だったが、その家には足を踏み入れたことがなかった。現地調査の協力を依頼するカーターだが、伝説が事実である証拠がなければ引き受けられないと言い張る教授。そこでカーターはネクロノミコンを見せ、教授の協力を得る。そしてその晩、ハワードを病院から連れだし、カーターとウォーレン教授はウィンスロップの屋敷へ向かう。

ハワードを見張りにたて、ウィンスロップの墓から地下に下りたカーターとウォーレン教授は、トンネルの中に学生の死体を見つける。このトンネルは、怪物が食料を運ぶために作ったものだったのだ。さらに奥へ足を運んだ彼らは、不可解な文字が刻まれた石碑を発見する。教授によると、その文字はクスルー語であり、魔術師の時代よりもはるか以前の物であるという。そしてその石碑の裏、洞窟の果てに、魔術師ウィンスロップと木々の精霊に捉えられている怪物を発見した。

石碑にかかれているのは量子力学の理論で二つの世界が重なって存在していることを示しているという教授に、その理論が実践できればアライダと怪物を分離できるのではないかと考えるカーター。そこで、教授はインシュリンを投与して人間の部分に異変をおこさせれば、怪物が抜け出してアライダと分離できるかもしれないと提案する。

果たして、インシュリンによって血液中の糖分が減少し、その異変を感じた怪物はおぞましい苦鳴をあげてアライダを開放した。

ネクロノミコンに書かれた呪文によって精霊のいましめからアライダを解き放ち、カーターは地上へ戻った。しかし、片づけのために残った教授は、怪物の餌食となってしまう。アライダを解き放った呪文は、怪物をも呼び戻してしまったのだ。そして墓地に響き渡る怪物の叫び声。それはアライダを取り戻すための宣言であったのだろうか、本当の悲劇の幕は切って落とされた。

アライダを連れて大学へ戻ったカーターとハワードは、メンデス教授とサーバー教授にアライダの診察を依頼しにいく。

彼らが出かけた直後、学生寮にアライダがいたことを嗅ぎつけた怪物が現われ、寮は惨劇に見舞われてしまった。

病院に着いたカーターたちだが、怪物と感応しているアライダはここにも怪物がやってくるという。アライダを助けるためにももっと詳しい人の手にゆだねると説得するが、やってきたメンデス教授は怪物に惨殺されてしまう。なんとか逃げ出したカーターとアライダは、ネクロノミコンの失われた一ページを探すために図書館へ走った。

サーバー教授を連れて病院にやってきたハワードたちはアーニーたち3人の警官と合流し、図書館へやってくる。しかしそこではすでにカーターたちと怪物の追跡劇が始まっていた。

なんとか古文書の保管室へやってきたカーターは、そこで残された一ページを発見する。急ぎ読み解こうとするカーターに、クトゥルー語を知るアライダはその正確な発音を教える。

その間、アーニーたちは図書室で怪物と遭遇するが、アーニーは深手を追ってしまい、女性警官デビーもまた惨殺されてしまう。残ったハワードともう一人の警官は、急ぎ古文書の保管室へ走る。

時を同じくして怪物もまた古文書室へ現われてしまった。呪文を唱えるカーターだったが、クトゥルー碁を解せなかったために効力が得られず、怪物はアライダを取り戻し一つになろうとする。カーターは体当たりに出て、アライダを吸収しようとしている怪物に椅子を投げつけて難を逃れた。しかし、アライダと怪物はもともとは一人。怪物のいなくなったアライダは存在できず、一気に300年の年を経てしまう。惨劇のさなかに生まれたカーターとアライダの愛はみのらず、悲劇的な最後を迎えてしまった。

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