邪神伝説デビルゾンビ

戻る

占い師マグナスの館。占いの準備をするマグナスをよそに、占いに理解のない夫の愚痴をまくしたてる婦人。

マグナスはそれを制し、タロットをならべ占いを始める。

カードをめくりつづけていたマグナスだが、出てくる答えはあまりかんばしいものではない。最後並べたカードが出した答えは、魔術師、タワー、悪魔、そして死を暗示しているのであった。

強引に婦人を追い返したマグナスは、急ぎ家を出る支度を始める。しかし、最後に婦人が発した声は、マグナスへの罵声などではなく、悲鳴であった。

荷物をまとめ家を出ようとするマグナスだったが、黒いローブをまとった何者かにはばまれた。それこそがカードの示したものなのか、なにか得体の知れない力でマグナスを屈伏させようとする。屈しようとしないマグナスであったが、部屋はまばゆい光に満たされ、マグナスの運命はわからないままであった。

別荘を売り払うため、不動産屋を呼んだマーク。好条件で話はまとまり、別荘での最後の週末を友人たちと過ごすことに。集まったのは、マークとホリー、ロバートとジニー、マークの兄ジェイとジュリーの三組のカップル。しかし、何者かが様子をうかがっていることなど、知る由もなかった。

夜になり、一同がカードに興じていると、シャワー室からホリーの悲鳴が。急ぎ駆けつけると、ホリーは腹を切り裂かれ息絶えていた。マークがつぶやく、子供が・・・。あまり望まれてはいなかったが、ホリーの胎内にはマークの子供が宿されていたのであった。

ダイニングに戻ってきたマークたち。だが、ジュリーの姿が見えない。彼女が犯人かもしれないと疑うロバートに、テレビの見過ぎだと食ってかかるジェイだが、とにかくジュリーを探すことにする。そして寝室をまわり、ダイニングへ戻ってきた一同が見たものは、首を切り裂かれ、逆さに吊るされたジュリーの無残な姿だった。

これ以上犠牲者にされてはかなわないと別荘を離れようとしたとき、奥の部屋からのびて来た何か得体の知れない怪物の触手にジェイが搦め取られ、マークとロバートが必至で助けようとするさなか、今度はジニーが窓の外から入ってきた木の枝に連れ去られてしまう。ロバートがその後を追ってしまったため、マーク一人では支えきれず、ジェイは怪物の餌食となってしまった。マークもその餌食となりかけるが、ナイフで触手を切り裂き、難を逃れる。

しかし、別荘を出て車に乗りこんだマークが後部座席に見たのは、ロバートの無残な姿であった。あわてて車を降り、走って逃げようとするマークは様子をうかがっていたゾンビのような化け物に襲われるも、目玉を潰して逃げおおせることに成功する。しかし、街道に出て安心したところへ車が走ってきて・・・。悲鳴を上げて目覚めたマークは、両手足をベッドに固定されていることに気がついた。そこは病室であり、彼は街道に出たところで車にはねられたのであった。

惨劇の翌日、別荘を取り囲む警官のもとに、一人の女性が取材させてくれと掛け合ってきた。しかし身分証の提示を求められ、警部補に確認しようとすると、それまでの勢いは鳴りを潜め、引き返してしまう。やや気にかけたレオ警部補だが、別荘から運び出された無残な死体を目の当たりにし、現場に戻ったのであった。そして生存者がローズウッド病院にいることを聞いたレオは、その晩、病院の友人の女医を通じて生存者に会う約束をする。しかしその電話のさなか、不審な気配を感じて家の外に出るが、何も見つけることはできなかった。そして翌日、病院の食堂でレオはマークと会い、退院後に訪ねてくるよう約束を取りつけ、共に事件の捜査を始める。

図書館の一室で過去の事件の記事を調べるマークのもとに、レジーと名乗る女性が現われた。現場検証の場に現われた女性がレジーだと、マークは知る由もないが、取材ならお断りだというマークに、彼女は記者ではないという。そして偶然開いた記事の中に彼女を見つけるマーク。レジー・オズボーン、惨殺事件唯一の生存者と。

その事件の後、婚約者の保険金を受け取ったレジーは、一人、事件の調査をしてきたという。そして同じ境遇の人物にあえば、少しは慰めになるかとマークを探してやってきたのだ。そう話す二人の足元に、一匹の黒犬がやってきた。犬をなでたマークが胸元から時計を取り出すと、レオ警部補に会う時間が近づいている。レジーのトラックに移動する二人の後を、何か意味ありげについていく黒犬であった。

マークたちがレオ警部補に案内されて向かった先は、マグナスの館であった。しかしそこにマグナスの姿はなく、「レオへ」と書かれた段ボールにいくつかの古い本と新聞の切抜きが残されていた。「ネクロノミコン」、C・D・ウォード著「門と鍵」、「失われた神々」、「ヨグ・コサッグ記」・・・。それを調べる二人を残し、ぼろぼろに荒らされた屋敷内を捜索するレオ。ふと窓の外を見た彼の目に一匹の黒犬が留まるが、ほんのわずか目を離すと、すでにその姿はなかった。

マークたちのもとに戻ってきたレオ。ヨグ・コサッグ記にはさまれていた新聞記事は65年前のものであった。何者かが博物館の夜警を殺害し、ヨグ・コサッグの短剣を盗み出した。そしてもう一枚の新聞記事は、同じく65年前、その短剣で惨殺された家族のものであった。マークは思った、これでは殺人というよりも生贄ではないかと。さらに、レオ宛に残されていたマグナスの手紙には、「彼が戻ってきた、早く逃げたほうがいい」と謎の言葉が書き残されていた。何か知っていそうなレオにマークは、これは連続殺人なのか、それとも何かの儀式なのかと問いかけるが、レオは何も知らないとその場を後にする。

レオを送り、マークの家に戻ってきたレジーたち。トラックを降りた彼女は、あの黒犬と再会する。協力してこの一件、いや、65年前から続く一連の事件を調査しようと話し合うなか、壁に貼られた古い新聞の切抜きにあの黒犬の姿を見たレジーは、あわてて家を飛び出した。しかしそこにはもう犬の姿はなかった。

翌日、マークの研究室にて。父が発明したヘリコプターのパーツによって、マークは比較的裕福な生活をしていた。また、マーク自身もまた研究発明をしている。レジーがふと手にとったものもその一つであり、携帯型ウインチ、とでもいうものであった。

そしてレオに射撃をならうマーク。そこでマークは一冊の宇宙関係の雑誌をレオに手渡し、あるページに目を通すよう言う。そのページには数年ごとに12時間だけ電波を発進するクェーサーのことが書かれていた。最近では62年に活動しているこのクェーサーが事件と何らかの関係があると確信するマークだが、レオはヨグ・コサッグのことは忘れろという。そして別荘に関ったとして不動産屋のナッシュの調査を報告する。しかし、その経歴が30年前で止まってしまう、それ以前は存在自体が記録に残っていないのであった。

その晩、自宅に戻ったレオのもとに、群の戸籍課からの調査資料が届いていた。その内容に驚いたレオは、調査資料をマークに宛ててポストに入れる。しかし、ポストから家に戻ろうとしたとき、何者かに襲われ、必死に発砲するも空しく落命してしまう。

嫌な予感がして目覚めたマークは、急ぎレオの家に駆けつける。しかしすでに現場検証が終わろうとしており、レオの友人でもあるスウィンボーン検死官から表向きは殺人と車窃盗と発表されたと聞く。

マークたちは過去の連続殺人を調べ直し、また、次のクェーサーの活動時期を調べあてる。それは五日後の木曜日。予想が正しければ、あと五日後に何かとてつもなくおそろしい事が起きることになるのだ。そして事件の発生地点を地図上に並べると、ヨグ・コサッグ記に示された逆五芒星になることに気づく。そのヨグ・コサッグ記によると、邪悪な神ヨグ・コサッグはかつてほかの神々の怒りをかい、星に幽閉されている。それ以来、ヨグ・コサッグの礼拝者たちはその復活のために戦ってきた。もしもヨグ・コサッグが復活すれば、それは人類の滅亡のときであると。

地図に示された事件発生地点を調べていたマークは、その法則性から次の事件がローズウッドで起こることを知る。そこには不動産屋のナッシュがいることから、やはり彼が現況であることを確信したマークとレジーは、急ぎローズウッドへ、あの惨劇に見舞われた別荘へ向かった。

その晩、うとうととしたマークを、何か異変に気付いたレジーが揺り起こした。ショットガンを構えて明かりのもれるドアに近づく二人。そして扉を開けると、以前マークを襲ったゾンビが再び襲いかかってきた。ショットガンを奪われ窮地に陥ったマークだったが、斧を振るうレジーに救われ、ゾンビを串刺しにして倒す。しかし、別荘を離れ街道を走る二人の車の前に、再び姿を現すゾンビ。車で引き倒し、ガソリンをかけて燃やし、今度こそはとその場を立ち去るのであった。

ナッシュのオフィスを見張ることができるモーテルに宿を取り、一息つくマークたち。そこでマークへの愛を告げるレジーだったが、焼殺したはずのゾンビが煙をあげつつ現われた。そしてマークの胸にはナイフが、かつて惨劇を引き起こしたヨグ・コサッグの短剣が突きたてられた。レジーに襲いかかろうとするゾンビ、だが、瀕死ながら携帯型ウインチをゾンビに打ち込み、胸につきささった短剣を引き抜いて反撃するマーク。その隙に逃れたレジーは、ナッシュのオフィスへ。そしてオフィスの前にはまたもやあの黒犬が。

オフィスへ入り込みナッシュへ発砲するレジーだったが、それはシャツに穴を開けただけであった。銃弾の通じないナッシュは、その強力な念力を使ってレジーから銃を取りあげ、屈伏させてしまう。そしてナッシュがレジーに見せたのは、自身の出生証明書であった。そこに記されているナッシュの出生年は1874年、すでに100年を超える時を生きていることになる。65年前の惨殺事件以来、ナッシュは年を取っていないという。しかも、二人を襲った、いや、襲わせたゾンビはその事件で殺害した一家の父親であると。しかし、そのゾンビももう古くなって用済みになったため、次の使用人はマークであった。

途方に暮れるレジーの前に現われた、マーク。彼の目はすでに人間のものではなかった。そしてマークは警告する。ここが危険であると。ナッシュが不審な目を向けた時、マークの目が正常に戻り、ヨグ・コサッグの剣でナッシュの胸をつらぬいた。しかし、最後の力の尽きたマークは、レジーの足元に崩れ落ちるのであった。

動かぬマークをトラックに積みこみ、立ち去るレジー。しかしナッシュのオフィスでは、絶命したナッシュにどこからか声がかけられていた。

「君には失望したよ・・・」

戻る