菊地秀行的ラヴクラフト&クトゥルー神話の世界

【作品名】切腹
【書籍名】人魚の血
【出版社】光文社カッパ・ノベルス
【初版日】2001年8月25日
【 ISBN 】4-334-07437
【定 価】1000円

 とある孤島で相次ぐ自害の行き着く先は人魚にまつわるおぞましい伝説。そこから還ってきた者たちの物語は、悲しくも恐ろしく、身の毛のよだつものであった。

 菊地氏ご自身はまったく意図していなかったものなのですが、「インスマスの影」を強く意識させられる作品に仕上がっています。あちらの世界から還ってくるというネタなら魔界都市シリーズで展開されていますから、人魚にこれが加わって自然と生み出されたものなんでしょう。しかし、八百比丘尼伝説のラインだけなら、きっとこれほど深い世界にはならなかったんじゃないかな。

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