アンサンブル曲紹介(第16回演奏会〜第20回演奏会分)


(1)ずばり!こんな曲(第一印象です)
(2)演奏してみての感想,練習中苦労したエピソードなど
(3)うまく演奏するためのポイント

※ 編成については、パート毎に楽譜から拾っています。ですから同じ楽器を掛け持ちで演奏する場合 には、だぶって掲載している部分もあります。細かい指定は省いてあります。また、楽譜によっては楽 器が把握しにくく、リストから落ちていたり、間違っている可能性もあります。あらかじめご了承くだ さい。






曲名
作曲者 西原大樹
出版社 岡田知之音楽事務所にお問い合わせください。
編成
ずばり!
さわやか系と思いきや、汗だくだ!(木琴が)
エピソード・感想
私たちは、とりあえず木琴部隊、鉄琴部隊、打楽器部隊にわかれて、それぞれ練習を開始しました。そ れぞれの部隊がある程度仕上がってから、全員そろって合奏しましたが、それぞれのテンポ感や、楽器 の違いによる音量バランスをあわせていくことに苦労しました。
一度気の迷いで、パートを変えて演奏してみたら、「他のパートがどんなことをしているか」という発 見になって面白かったです(ぼろぼろな演奏になりますが)。
ワンポイント
基本的に同じフレーズの繰り返しで構成されており、強弱等の指定が少ないので、単調になってしまい がちです。前半は、おのおのの部隊で曲を作っていくようにしました。
後半は全員での演奏になるので、「盛り上がり」や「誰を引き立たせるか」というのを考えながら作っ ていきました。人数が多いアンサンブルなので、強調するところとそうではないところのメリハリをつ けて、スタイリッシュにいきましょう。

曲名 アコースティック・スーツ
作曲者 William J.Schinsteine
出版社
編成
ずばり!
不思議な曲。
エピソード・感想
*1楽章・・個々はあまり難しくありませんが、バトンを渡すような部分がたくさんあるのできれいに つなげるのに苦労しました。テンポ指定が196ととても速いですが、できればカッコイイと思います。 (ただかなり無理なパートがあります・・・。)
*2楽章・・1&2パートがメロディーなのですが、半音ずれていて最初は間違いでは?と思いました。 しかもとても平和なメロディーで1楽章とのギャップが かなりあります。また、アウフタクトからCuicaが始まったり、ビブラスラップを2つ用いる等、かな りおもしろい曲でした。
*3楽章・・8分の7拍子が多く、途中で拍の取り方が何度か変わることに加え、変わる部分の最初がい ずれも2つのトライアングルのみで始まるため、かなり 拍が取りづらいです。いろいろ工夫はしましたが、結局は次に入るS.Cym.にお任せ、という感じでした 。中間部は4分の3拍子でAla Jazzという指定ですが、そのような雰囲気なのは最初の数小節だけでその 後はサンバ系のリズムで進んでいきます。3つのパートにソロが出てきますが、楽譜以上に派手にした 方がカッコ良くなると思います。
ワンポイント
全体的に強弱の指定があまりなく(特に2楽章)、どこを山場にしてよいかが分かりにくい曲なので、 いろいろ工夫してみると面白いかもしれません。あと、別 々の楽章で違う人が同じ楽器を使う、ということがよくある上、1楽章、2楽章での1&2パートや3楽章 の4&5パート等のように曲中に対話がたくさん含ま れているので、楽器配置にも工夫が必要だと思います。

曲名
Nagoya Marimbas
作曲者 スティーヴ・ライヒ
出版社
編成
  1. MARIMBA
  2. MARIMBA
ずばり!
不思議な響き・・・。幻想夜想曲?みたいな
エピソード・感想
とにかくさらうのが大変です!まず個人でひたすら練習して練習して、そのフレーズを体が覚えるくら いにならないと合わせられない。フレーズとフレーズの変わり目もまた練習が必要で、×2とか×3と か×4とか、わけわかんないんじゃ〜!! 
しかしその苦しみを乗り越えて2人の心と音楽が1つになったとき、この上ない喜びを感じることが出来 ます。なので、私たちはとにかく黙々と合わせ続けました。不思議と合わせれば合わせるほど、相手の 音と自分の音が流れがわかるようになるんです。そうなると、弾いててとても気持ちいいです。ただし 、ものすごい集中力がいるので疲れます。癒しなんだか酷使なんだか・・・。
>ワンポイント
大変なのはマリンバ2です。1に比べて音がとぶし、1と合わせるとつられます! けど、落ちても立 て直せるのが2かも。1は自分を信じてGO!! 
そして、単調な曲なので、演奏会で演奏する際にはメリハリをつけたほうがよいです。 それから、つ いつい弾くのに一生懸命になって、音が荒くなったり固くなったりしがちです(まじめな人とくに注意 !)。なので、イメージを豊かにもって、2人だけのナゴヤマリンバを奏でてください♪
 
曲名
組曲
作曲者 Lou Harrison
出版社
編成
  1.  ブレーキドラム(×3)、トライアングル(×3)、ドラゴンマウス(×5)
  2.  ブレーキドラム(×3)、ベル(×3)
  3.  ブレーキドラム(×3)、クロックコイル(×2)
  4.  大型の洗い桶(真鍮製)、サンダーシート
  5.  タムタム、ゴング(×2)、バスドラム
ずばり!
貧乏系なんちゃって民族音楽
エピソード・感想
演奏の方は、ブレーキドラム隊の3人がしっかりしてればよろし。
問題は楽器で、ブレーキドラム(計9個)、洗い桶の調達が大変でした。
この不景気のご時世、自動車のスクラップ屋さんは衰退の一途でブレーキドラムがそろわない。金物の でかい洗い桶なんて子供の頃はそこら中にあった気がしたけど、今やプラスチック製ばかりでどこにも 売ってない。高度経済成長期の遺産は遠くにありにけりという21世紀の悲劇。ポストモダンというのは こういうことなのでしょうか。
ついでに、クロックコイル(時計のゼンマイ)も絶滅危惧楽器でしょう。結局適当な代用品 を使いましたが、その間抜けな音色のせいで一部のお客さんが笑い転げてました。あとサンダーシート はホームセンターで薄めのトタン板を買えばどうにでもなります。
ワンポイント
2拍5連、3拍5連、小節をまたぐ4拍3連等々、面倒な連符が頻出するので、根性で何とかしましょう 。第3楽章の3声のカノンは、とりあえず3人ユニゾンで正確に叩けるようになってからずらすようにし ましょう。

曲名
スクエア・コーナーズ
作曲者 Dave Samuels
出版社
編成
ずばり!
ちょっと聴いた感じでは80年代フュージヨンを思わせるすっきりした16ビートのきれいで手頃な曲とい う感じだが、楽譜を見て少しびっくり。とにかく楽譜そのままだとかなり演奏しにくいのだ。
エピソード・感想
問題点は、
@ベースを一手に引き受けているティンパニが演奏不可能に近いほど音数が多い。何よりティンパニら しくない
A内声部がやたらと充実している上にみんなほとんど同じようなことばかりしている
Bシンバルや小物が鍵盤パート上に書かれていたりしてまとまりがない
B常にビブラフォンがメロディをやっていて変化に欠ける
このようにかなり不親切な‘生煮え’の楽譜なので、私達はこの楽譜を大胆に調理することにした。ま ずティンパニのパートを全てバスマリンバで演奏することにし、ドラムセットを導入した。マリンバの 1stとビブラフォンの2ndを一人で演奏することにして、分厚い内声部のリストラにも成功した。そして 中間部で各パートのソロで目先を変え、最後にジャンベによってエスニックなテイストを加えたのだっ た。

ワンポイント
この曲をより良く演奏するためにはこのような事前の下拵えを丁寧にしておくことが何より重要であろ う。
この曲にかぎらず、打楽器アンサンブルを演奏するための重要なポイント、それは楽器を叩きはじめる よりもはるか以前のところにある。初めて楽譜を開いてみた時の『どうしよう、この曲…』という戸惑 いを乗り越えてゆくためには、理性的に楽譜を見つめるクールな眼と、曲のあり得る最良の形をイメー ジする翼を持った想像力がぜひとも必要なのだ。すなわち、“叩く前にイメージせよ”この一言に尽き るのではないか。

Edition Musica Europea
曲名
トリオ パー ウノ
作曲者 N.ジヴコヴィッチ
出版社
編成
  1. Bass Drum, Bongos, China gongs
  2. 1st : Crotales, Rain stick, Glass chimes, Sus.Cym 2nd, 3rd : Vibraphone
  3. 2 Tom toms, Snare drum
ずばり!
しんどい。スタミナが必要でしょう。

(第21回) 雰囲気作りと切り替え!

エピソード・感想
この曲は、譜面的に非常に完成度が高い曲だと思います。譜面に書いてあることを忠実に再現すること ができればすばらしい演奏になるでしょう。
やっていて、合わせることの難しさと楽しさを教えてもらった気がします。
いろいろと大変なことはありましたが、演奏終了後に達成感を感じました。非常にやりがいがあり、楽しい曲だと思います。

(第21回)
譜読みが大変で、基礎力と体力が必要です。2つ打ちもTで使います。 最後の方は1回の練習でTとVを5回ぐらいずつ通したりしました。ハードでした。 Tはカチカチと機械のような感じ、Uは静かで柔らかい曲(個人的にはとても遺跡が連想されます)、Vは和太鼓などの熱血ドンドコ系ではなくあくまで太鼓を使ったパフォーマンスのようだと感じました。

ワンポイント
1楽章は非常に基礎力が要求される曲です。最低でもテンポ174で16分が刻めるくらいのスピード は欲しいです。
2楽章は単調になりやすいので、気をつけたほうがいいと思います。
3楽章はとりあえず気合です。テンションをあげまくってください!!

(第21回)
T
・無理のないテンポに設定し、・スティックの上げる高さを強弱によってしっかり決めて、・6の切り替えは明確に行い、・叩くものによって音量の出方に違いがあるので考慮し、・基本的に手順を統一し、・Improvisationは始まりと終わりが分かりやすいようにし、・弱奏部でテンポが落ちないように注意し、・12からはうるさくならないようにアクセント以外のBDを小さくすることが大事だと思います。
U
とにかく静かに。クロテイルのパートの人は雰囲気を出すために多少拍通りに楽器移動ができなくても焦らないようにした方がよいです。弓は松ヤニを使って、すぐ音が出るように練習しましょう。
V
アクセントの叩きわけを極端にした方がよいと思います。mfもかなり小さめで。自分で指揮を振れるのが理想らしいですが、せめて3/8が長く続く部分は3拍子でずっと感じられるようにしましょう。中間部に弱奏部が多いですが、やはりそこでテンポが落ちないように注意。

曲名
JAPANESE OVERTURE
作曲者 Ney Rosauro
出版社 PRO PERCUSSAO
編成
  1. Xylophone
  2. Glocken
  3. Vibraphone
  4. Marimba1
  5. Marimba2
  6. Percussion1(bongo,conga)
  7. Percussion2(conga)
  8. Percussion3(conga)
ずばり!
決して日本っぽくはない。
エピソード・感想
上記の通り、確かに「さくら」のフレーズが所々にありますが、日本というよりは作曲者の地元である南米アメリカの雰囲気が強く出ている曲だと思います。この曲ができた背景を考えれば多少は納得できますが・・。
練習はまず鍵盤セクションと打楽器セクションに分かれて練習をしました。その後皆で合わせて練習をしたのですが、鍵盤楽器と打楽器とのバランスや掛け合いをはっきりさせること、途中出てくる変拍子を合わせること、そしてテンポ感を統一することに苦労しました。
また鍵盤セクション内での掛け合いも多くあるのですが、裏拍から始まっていることが多いため、メロディをすべて覚えるまでは毎回ずれて大変でした。
ワンポイント
曲が単調になりやすいので、メリハリをはっきりつけた方がいいと思います。特に鍵盤の伴奏隊がかなり単調なので工夫が必要だと思います。今回は2or4小節でcresc.& decresc.の山をつけてみました。また打楽器ソロの部分は拍にとらわれずはみ出して自由にやった方がかっこよくきまりそうです。

曲名
STRESS
作曲者 Siegfried Fink
出版社 ZIMMERMANN・FRANKFURT
編成
  1. S.D 1
  2. S.D 2
  3. S.D 3
ずばり!
一に基礎、二に基礎、三に基礎!
エピソード・感想
楽譜の前に色々な奏法の指定が書いてあったが、譜面に実際出てこない奏法の指定まであったのが気になる。あのページはいろんな曲に使い回ししてるのだろうか?
ワンポイント
特別な技術が求められているわけではなく(1)オープンリムショットが自由に入れられて(2)パラディドルを自在に叩きこなせる人なら誰でもできる!簡単だよね?

曲名
Sculpture in wood
作曲者 Rudiger Pawassar
出版社 Rudiger Pawassar(作曲者に直接、と楽譜にはあります。JPCで購入可能だと思います)
編成
  1. MARIMBA 1
  2. MARIMBA 2
  3. MARIMBA 3
  4. BASS MARIMBA
マリンバ1 (C−C4)、マリンバ2(C−C4)、マリンバ(F−C4)、マリンバ 4(C−C4)と指定されていますが、私たちは、所有楽器の都合でマリンバ1とマリンバ4を(C−C4)の連弾、マリンバ2(A−C4)、マリンバ3(A−C4)で演奏しました。ごく一部パートの入れ替えをしましたがこれでも全く問題ありません。
ずばり!
静かな森の中で木を彫る音が響きわたる?どんな形を掘り出すのか迷い、何かにつき動かされるように堀り進んだり、そしてちょっと引いて眺めたり、そんな雰囲気の素朴で美しく透明感のある旋律がこの曲の魅力です。
エピソード・感想
イメージ、雰囲気、マリンバの響きの美しさを伝えるのがこの曲の命だと思います。 でも、強弱の指定や、スラーなどがほとんどないため、どのように具体化していくかが難しい点です。奏者どうしのイメージがなかなか重ならず、何をどうしよう???っていう感じの演奏からなかなか抜け出せませんでした。 女性アンサンブル向きの曲だと思います。私たちも女性だけで演奏しました。この曲には演奏練習のほか、ヘアメイク、衣裳のスタイリング、ウォーキングレッスンも必要かも?
ワンポイント
メロディーが4人分解されているので、テンポを正確にきざまないと流れません。雰囲気重視の曲ですが、まずはテンポ感をきちんと合わせる必要があります。それとソロをよく聴いてそれを活かす伴奏の工夫が大事です。

曲名
Emotion
作曲者 神田 佳子
出版社
編成
  1. Marimba1,Bongos,4Tom-toms(High),Cymbal,Wood Block,Antique Cymbal
  2. Vibraphone,5Temple Blocks,2Tom-toms,Chinese Cymbal,Splash Cymbal
  3. Marimba2,Bongos,4Tom-toms(Low),Cymbal,Wood Block,Bass Drum
ずばり!
シャープに!メリハリつけて!
エピソード・感想
練習に使っていたVibは音域が足りなかったため、練習に苦労しました。譜面の拍子と実際に聞こえてくるビートが違うことが多く、各奏者のテンポあわせも大変でした。
ワンポイント
3人そろわないとフレーズにならないものが多いので、なるべくスコアをみて練習するのがいいと思います。一見規則性の無いフレーズもよーく見ると規則が見えてきます。それがわかれば譜読みはぐっと楽になります。また多くの楽器を扱うので、最適な配置になるよう試行錯誤が必要でしょう。フォルテ、ピアノは極端につけてメリハリある演奏にすると面白くなります。

曲名
Bingo
作曲者 山本 祐介
出版社 Honey Rock
編成
  1. Marimba1
  2. Marimba2
  3. Marimba3
  4. Marimba4
  5. Vibraphone
  6. Timpani
  7. Percussion1
  8. Percussion2
  9. Drums
ずばり!
ノリ命。とにかく軽〜い感じです。
エピソード・感想
中間部分は、鍵盤の人もみんな小物に持ち替えてラテンな演奏を繰り広げる!!…はずなんですが、みんなのテンションが上がってないと楽しくないです!自分もノリきれてないんですが(>_<;)
ワンポイント
中間部分以外では、鍵盤同士のタテを合わせることに気をつければなんとかなるんじゃないでしょうか?
あと繰り返しが結構多いんで、ダイナミクスの変化でメリハリをつけるとか。とにかく楽しげに、そしてノリを失わなければカッコイイと思いますよ〜!

曲名
SONATINA
作曲者 Fisher Tull
出版社 Boosey&Hawkes,Inc
編成
  1. Snare Drum , Wood Block , Triangle , Antique Cymbal
  2. Xylophone , Tambourine , S.Cym , 2 Plate Cyms , Slap Stick
  3. Timbales , Temple Block , Tenor Drum , Glockenspiel , Tam Tam
  4. Timpani , Bongo
ずばり!
楽譜と基本に忠実に。
エピソード・感想
中間部のソロは歌うという難しさがあると思いますが、この曲の一番嫌なところは、音が薄いというところなんです。
楽譜に書いてある強弱をきちんと表現しないと、なんだか物足りない演奏になってしまう。っつーことは、当然基礎力が問われます。
おまけに、ちょこっと落ちるとすごく露骨にわかるし、メンバー全員動揺が走りました。意外に、こわい楽譜です。わたしたちが演奏したときは、最後までビクビクしていたような気がします。
あと、持ち替えが結構難しいです。とにかく、楽譜を覚えて、瞬時に対応できるようになることが大切。
ワンポイント
楽譜にもともと書いてある音が少ないので、自分たちでアレンジできる要素はほとんどありません。楽譜の強弱をきちんと出しましょう!
個人の技量がもろに演奏に出ますので、基礎も大事。ソロは、楽譜に書いてあるものを歌えばOK。バックの入り方、ソロの繋ぎ方を工夫しましょう!

曲名
Lamento e danza barbara
作曲者 Nebojsa Jovan Zivkovic
出版社
編成
  1. Solo Marimba
  2. Vibraphone,Thunder sheet,2Tom-toms,Bongos,Tam-tam,Wooden Tom-tom,Split drum他
  3. Glockenspiel,Rainstick,2China gongs,2Tom-toms,Bongos,Glaschimes,Crasher,5Wood blocks他
  4. Crotales,Bass drum,2Tom-toms,Bongo,Gong in B natural,5Wooden instruments,Cymbals他
ずばり!
楽器も音も多すぎ!!
エピソード・感想
まず、前半(Lamento) と後半(Danzabarbara)では圧倒的に前半が難しく、苦労しました。
4/4+1/8などの拍子はあまり厳密にとらず、打楽器パートとのアンサンブルを重視しました。後半へのつなぎの部分は何度も練習しましたが・・・・・(苦笑)。
後半はとにかく音が多い!!体力勝負的なところも(汗)。打楽器ソリは白熱しすぎて大変でした。

<ソリストコメント>
ソロマリンバと打楽器3人による大変濃厚で高度な曲です。曲は大きく2つの構成になっており前半は祈りによる静かな旋律から徐々にエネルギーが増加し後半の狂乱的な舞曲に続きます。
練習初めの予想通り後半の舞曲よりも前半の祈りのほうが表現とアンサンブルが難しく最後まで難関でした。静と動が明確になっており1曲に様々な表現や奏法が含まれています。
 この曲に取り組む上では奏者同士の信頼感が重要で技術的なアンサンブルだけでなく、エネルギーや表現の受け渡しが奏者相互で行なわれており、演奏後は技術レベルだけでなく信頼感も向上したと思います(いつもは人間関係悪いわけではないですよ)。
 エピソードとしていつもの練習では、練習の都合上A-Cマリンバを用いたのですが演奏ではC-Cが必要で、練習マリンバと本番マリンバのギャップが大きかったです。特に低音部でのオクターブがC-Cでは取りづらく、柄の長いマレットを買って、かつグリップも変えてなんとか対応しました。本番まで間に合って本当に良かったです。
 楽譜およびCDが市販されておりどちらも安価で入手できるのでとりあえず楽譜だけでもということで検討されてはいかがでしょう。

ワンポイント
音が多いので、すべてがんばってしまうとうるさいだけになってしまいます。アクセントが浮き出るように演奏しましょう。まずは打楽器三人が手順からしっかりあうようにして、その上にソロマリンバが乗れるようにしておくとベストです(大変ですが)。
マリンバは体力的にも大変です。ペースを考え、最後までバテないように注意しましょう。曲の最後は、大きな三拍子の感覚を失わないように。
持ち替えやいろんな楽器を叩かなくてはいけないので、最適な楽器配置を考えるひつようがあります。楽器調達は・・・・がんばりましょう(笑)。

<ソリストコメント>
この曲のポイントはマリンバの技術を要するのはソロとして当然ですが、それよりも打楽器奏者の技術レベルの高さが曲の完成度を高める上で非常に重要です。それぞれの楽譜はマリンバと同等レベルで高度な技術を要しますし多種な打楽器を演奏するのでマルチプレイヤーであることが条件です。
 また、演奏時間約16分ですがその間に緊張感が途切れないように維持することが良い演奏するために重要です。多分自分の楽譜を忠実に演奏することで相当緊張感は保たれると思いますが。
 楽器について多種な楽器を必要としますが金属系の楽器をどのようにそろえるかで曲の雰囲気も変わります。サンダーシート、グラスチャイム、クラッシュボックスは吟味しましょう。

曲名
簾(REN)
作曲者 奥田昌史
出版社 ??
編成
  1. ? 
  2. ? 
  3. ? 
ずばり!
素朴な歌心と現代音楽が同居した音楽家奥田昌史を理解するには欠くことのできない一曲。
エピソード・感想
それでは廉を演奏する際のポイントですが、その前に「あなたが手にした廉の楽譜は一体どのバージョンか」という問題があります。ちなみに今回SPGが演奏したのが「奥田昌史版1stエディション」ということになると思いますが、これ以前には各地の中学校や高校がアンサンブルコンテストで使用した「串田昌夫版(笑)」というものが存在するわけで、とくに二楽章の前半部は全く別物といえる状態なので注意が必要です。ここでは今回使用した「奥田昌史版」に基づいてポイントを紹介していきましょう。

 まず一楽章。この楽章の最大のポイントは、なんといっても「板」です。何も特別な板である必要はなく、ホームセンターなどで売っている物で十分ですが、三枚の板を高速で叩き分ける必要上、演奏しやすいようマリンバの鍵盤状の細長い物を選ぶと良いでしょう。間違っても巨大な正方形の板を選んではいけません。板はマレットスタンドか机などに単に水平に置くだけで構いません。また各プレイヤーの板によるアドリブソロの最後にキメの音として歌舞伎の付け板のようにバチを板に押し付けるように叩く奏法がでてきて重要な役割を果たします。

 二楽章の主役はマリンバです。登場していきなりマンドリンロールがあります。これは二本のマレットで鍵盤を挟んで手首を上下させ、片手でトレモロを奏するという特殊奏法です。後半にはいかにも現代音楽らしいシークェンスが展開しますが、誰かのフレーズの最後が次の誰かへの合図になっているということを理解すれば見た目ほど難解ではないはずです。

 三楽章は変拍子に惑わされなければスムーズにいくはずです。最後のティンパニソロは間を取り過ぎることなく一気に駆け抜けるのが良いでしょう。

ワンポイント
今回の廉では幾度となく楽譜が改訂され、そのたびに肝を冷やす羽目になりました。作曲者が直接指導するのだから当然といえば当然なのですが、プレイヤーが初見になれていないのを思えばいくら心配てもしすぎるということはありません。でも蓋を開けてみたら…書き直されるたびに楽譜がどんどんわかりやすくなってゆき、なんとか一安心。市販されている楽譜だったら「楽譜どおりに演奏しなさい」と簡単に言えるけれど、自分が書き起こした楽譜では「書き方が悪いのかな」と悩んでしまい、つい楽譜に手を入れてしまう…というのは私に限らず誰しもあてはまる心理なんだなとあらためて思い至った次第です。
どんな曲でも言えることですが、たとえどんなに不可解な楽譜に思われても、誠実に読み進めば必ずどう演奏すべきなのか見えてくるものです。先入観に囚われること無く、主観に頼らず、客観的な読み込み、普遍的な解釈を心がけてください。それが真のオリジナリティに到達できる唯一の道です。

曲名
ミトス・ブラジリオス
作曲者 Ney Rosauro
出版社 ??
編成
  1. ? 
  2. ? 
  3. ? 
ずばり!
Ha!ha!ha!・・・・
エピソード・感想
1楽章:何といっても「笑い声」。練習っていっても・・・・。
2楽章:水・・・寒い時期にこれはつらい・・・!
3楽章:アドリブからフェルマータを経てもとのリズムに戻るのに若干苦労しました。呼吸は大事ですね。
4楽章:シロホン、グロッケンは音が硬いので良く聞こえ、マリンバ、ビブラホンはやわらかくて聞こえない、という状態だったので互いの音色を近くして全体で一つのアンサンブルを目指してみました。
5楽章:譜面のままではあまりに歌が無いので勝手に抑揚をつけてみました。
ワンポイント
特殊楽器集めは・・・・がんばってください(苦笑)。
グラスハープは、ハーモニーがきれいになり過ぎないようにしないと曲にしっくりきません。楽器の持ち替えはかなりシビアな部分があるので、試行錯誤して最適な配置にしましょう。特に1楽章冒頭のGongのパートは至難の業です。
2楽章は間がもたないと判断した場合は繰り返しを省略しても良いと思います。

曲名
子象の行進
作曲者 H.Mancini(Arr. 小栗克巳)
出版社 ??
編成
  1. Xylophone
  2. Vibraphone 
  3. Marimba  
  4. Guiro,Claves, Whistle, Agogo, Maracas, Timbales & Suspended Cymbal  
  5. Hi hat Cymbal & Bass Drum
  6. Bongo & Conga
ずばり!
実はサンバです。ノリ命です。
エピソード・感想
本番直前まで今ひとつ乗り切れていなかったのですが、本番前日に子象メンバーで踊り狂ったらノリが変わって、いい感じに壊れることができました。
その結果といいますか、僕は本番にぷっつんと切れてしまい、テンポが前に前にいってしまい、止まらなくなってしまいました。
ワンポイント
音楽に疎い方でも割りと知っているほど有名な曲ですので、楽しそうにやることができればお客さんも楽しんでくれるのではないでしょうか?

曲名
バリ島からの幻想曲'84
作曲者 伊藤康英
出版社 ウィンドギャラリー(レンタル)http://wind-gallery.co.jp/
編成
  1. (easy)-Bongas,2Toms,Sus.Cym
  2. (easy)-Bongos.2Toms
  3. (midium)-(Bongos),2Toms or Vib.(with bow),Timp.(with Maracas),Glockenspiel
  4. (difficult)-(Bongos),2Toms,Chimes,Glockenspiel
  5. (easy)-Chimes,Mba,Tambourine,Timp
  6. (easy)-Vibraphone,Maracas
ずばり!
勢いです。手さえ回ればなんとかなると思います。
エピソード・感想
ドラをただ叩くのではなく、スーパーボールで擦って演奏したのですが、とても不思議な雰囲気になりました。
本番前日にメンバーの代奏で入ったらボンゴを叩き割ってしまいました・・・。パリパリに張ったボンゴをスティックで叩くのはやめましょう・・・。ボンゴをスティックで叩くときはちょっとゆるめのチューニングで!!
ワンポイント
この曲は崩れても戻ってくることができるように、取り直すためのポイントがいっぱいあります。
崩れてしまったとしても落ち着いて取り直してください。

曲名
Episodes
作曲者 John Beck
出版社 ??
編成
  1. Xylophone,Vibes,Snare Drum,Suspended Cymbal, Temple Blocks
  2. Snare Drum,4 Concert Tom-toms,Xylophone
  3. 2 Timpani,Bass Drum,Snare Drum,Bells
  4.  
ずばり!
意外とかっこいい!!
エピソード・感想
毎年選曲会議の俎上に載りながら、演奏されることのなかったこの曲。
確かに、楽譜を見ると難しくはなく、オーソドックスで地味なアンサンブル曲という印象を受けるかもしれません。ついに日の目を見たわけですが、お客さん・SPGメンバーともに「かっこいい!」と評判がよかったです。
アドリブソロが多いので、各プレイヤーいい感じのソロを考えてください。
ワンポイント
まじめに取り組めば、それなりにはまとまると思います。ただ、楽譜がやや単調なので、強弱の変化をつける等の工夫が必要です。

曲名
Quartet for Four Snare Drums
作曲者 Kevin Bobo
出版社 ??
編成
  1. Snare Drum T
  2. Snare Drum U
  3. Snare Drum V
  4. Snare Drum W
ずばり!
シンプルなスネアドラム4重奏。特殊奏法やマレット、ブラシ等への持ち替えもとくに無く、教則本の練習曲の延長線上に位置する作品です。
エピソード・感想
このようなエチュード的な曲は己のヘタさ加減を自覚するためにあるのだなぁ…ということをまざまざと思い知らされました。単純なだけにごまかしが利かない、タイコ叩きとしての基礎能力が試される作品です。それでいて単なるお稽古の発表ではなく、エンターテイメント性と音楽性も兼ね備えていなくてはならない…思ったよりも大変でしたね。
ワンポイント
中間部に楽譜の乱丁があります。

曲名
彩―sai―
作曲者 山澤洋之
出版社 JPC
編成
  1. Marimba1
  2. Marimba2 
  3. Marimba 
  4. Percussion1&Vibraphone  
  5. claves,floor tom,2small bassdrums,large bassdrums,tamtam,大羅,Djembe&BassMarimba
ずばり!
日本の美、でしょうかね♪
(25回)ジャパニーズ・ロック(笑)
エピソード・感想
きれいな曲、という第一印象でしたが、結構体力がいる曲でした…。20分近い演奏ですので、日ごろの体力づくりから…。
・1楽章:前半はメロディがしっかり歌えれば得に問題なしです。クラベスがんばってください。後半は…、最後に行くにつれて、マリンバ奏者もパーカッション奏者も変拍子に惑わされます。どこで誰と合うのか、をしっかり意識すれば大丈夫、かな?
・2楽章:中間部、みんなのテンポをそろえるのがちょっと大変でした。Marimba2の低音を、別の奏者にやってもらいました。メロディ部分がはっきり歌えるのでよかったかと。Vibraphoneソロは気持ちよ〜く演奏してください♪
・3楽章:中間部Marimba2とPercussion1はほとんど同じリズムなんですが、意外と合わせづらいです。Marimba1が歌いやすいように、2人でがんばって合わせました!後半、Marimba1の変拍子は、16分音符(?)で刻むととりやすいと思います。

 そうそう、私たちは女性メンバー4人で演奏したので、衣装を決めるのが楽しかったです(笑)

(25回)
練習中何度も「ロックだよねぇ…」と言われるほど激しく演奏していた模様。しかし、演奏会の1か月前にメンバーチェンジがあり、そこからの練習が非常に大変でした。最終的には1番に寄せていくという基本的な部分に戻って曲作りをしていきました。
 今回は2楽章で、4人目の奏者にはアドリブで入ってもらいました(Cajon, Rain Stick等々)。ゆったりした部分はより雰囲気に奥深さを、Allegroの部分ではリズムにメリハリを与えてくれました。Good job!!
 ただ、Cajonはあまりリズムを刻みすぎると、鍵盤楽器のリズムエネルギーを損なうため、Fill in以外はほどほどに、とのことでした。
 本番では3楽章後半でヒヤヒヤしました…。

ワンポイント
結構繰り返しの多い曲なので、強弱の変化、メリハリをつけないと飽きちゃうかも…。変拍子は慣れるまで大変ですが、すぐに慣れます!4人のテンポと気持ちを合わせれば、いい演奏になること間違いなし!?

(25回)
すべての楽章に共通して言えることは、やはり繰り返しの聴かせ方ですね。新しく入ってくる楽器を聴かせる、Subpにする等々、演奏者同士で話し合い、工夫しましょう。
夜桜…7/8拍子は拍子感をしっかり出さないと、叩いている方も混乱してくるし、何をやっているかが伝わりません。Percussionの2人はしっかりリズムキープして、拍感を出しましょう。
紫陽花…Vibは自由に、しかしテンポには遅れすぎないように。音量のダイナミクスとマレットのタッチによる音色の変化に気を付けると、さらに味のある演奏になるでしょう。マリンバの2人は、Allegro冒頭のロールはfpっぽく後ろを抜き気味に、なおかつ16分音符は思い切って前へ行きましょう。 楓…Djembeは叩く姿でも魅せれるように(笑)この楽章はMari1の歌い方に尽きます。

曲名
African Blues
作曲者 Wolfgang Roggenkamp
出版社 ??
編成
  1. Marimba1
  2. Marimba2 
  3. Djembe(option)
ずばり!
ミニマルミュージックにポップス感覚を取り入れたマリンバプレイヤーに人気のデュエット曲
エピソード・感想
『バンド感覚』『完全暗譜』『衣装は相談せず個人で選ぶ』『見せる演奏重視』という感じで今のSPGに足りない要素をこれでもかと盛り込んだチームになりました。その分かなり浮いていたかも…
ワンポイント
ぜひ暗譜で演奏してください。かっこよさが段違いです。伴奏パターンの時、右手が全て黒鍵を演奏するように音を置き換えると楽に演奏できます。

曲名
TALA
作曲者 西村 朗
出版社 ??
編成
  1. Steel Drum,Xylophone
  2. Steel Drum,Xylophone
  3. Marimba,Vibraphone,pair of Bongos,Conga
  4. Marimba,3 Suspended Cymbals,2 Tam-Tams,pair of Bongos, Conga  
  5. Tubular Bells,Vibraphone,Sizzle Cymbal,pair of Bongos,Conga
  6. Tubular Bells,Timpani,pair of Maracas,Tree Chime,3 Triangoli,Tam-tam
ずばり!
曼陀羅!
エピソード・感想
各パートでアクセントの位置が1拍とか半拍ずれてるので、きっちり一定のテンポを保たないとすぐ崩壊してわからなくなってしまいます…。
中間部でXylo×2、Mari×2で複雑に絡み合うリズムのところは最後までピッタリ合うことはありませんでしたが、練習が進むうちに「合わないなら合わないなりの合わせ方」みたいなのを体得していきました(笑)
ワンポイント
この曲は、途中でやってるところが分からなくなることが多い気がします。だからその予防線を張っておくことが大切です。
「Timpが入ったら○小節目」とかここで合わせる!っていうところを決めて演奏すれば奏者としても安心です。
あとはラストへ向けてとにかく熱く突っ走る!ことでしょうか…。

曲名
LIFT OFF!
作曲者 Russell Peck
出版社 ??
編成
  1. 3 Bass drums
  2. 3 Bass drums
  3. 3 Bass drums
ずばり!
まさにヘリコプター。筋トレになりそうな曲!
エピソード・感想
一回通すだけで3人ともぜえぜえ言ってました。
ヘリコプターのプロペラ音(ババババババ…っていうアレ)を太鼓で再現するのは体力的にかなりきます。
ボロボロの状態で一番の見せ所を演奏しなければいけないのでそこでくじけない心も必要。
曲のはじめ(ヘリコプターが雲の奥から登場するようす、と勝手に解釈)はテンポの感じ方をそろえるのが大変でした。 最後ののばしが17小節なのは永遠の謎…。
ワンポイント
基礎体力が重要です!
あと前半のごちゃごちゃした部分は噛み合う部分がそれなりにあるのでそこを見逃さないようにすること。

曲名
五つの島唄
作曲者 真島俊夫
出版社 ??
編成
  1. Vibraphone
  2. Glock
  3. Marimba
  4. Marimba
  5. Castanets,Suspended Cymbal,Triangle
  6. Snare drum,Bongo
  7. Toms
  8. Timpani
ずばり!
実は沖縄っぽくない?でもきれいな曲。
エピソード・感想
1楽章は同じようなフレーズが繰り返されるので少し工夫が必要だと思います。
2楽章(芭蕉布)は間延びしないように、指定テンポより若干速めで演奏しました。
3楽章の前半(安里屋ユンタ)はなぜかマーチっぽくなってしまうので、そうならないように「あいの手」をしっかりいれます。サーヨイヨイ♪練習番号Dからの8分の7拍子からはリセットポイントを見つけそこだけ重点的に合せたりしました。後半(谷茶前)からはノリで。
ワンポイント
まず演奏しながら頭の中で沖縄の民族衣装を着た人たちを思い浮かべます。そして彼らが踊りだしたら正解です。彼らが戸惑ってしまい不安なまなざしで見られることのないように、楽しく演奏できればいいと思います。