5日目


5月2日

サン・ジョバンニ・イン・ラテラノ大聖堂→カピトリーニ美術館→ジェズ教会→サン・ルイージ・ディ・フランチェージ教会→サンタゴスティーノ教会

いつもどおりに起床し、朝食。今日はそんなに混んでいない。やはり昨日が多かったんだなー。それにしても日本人がいないなー。
いつものようにトイレタイムの後に出発。今日はもうローマパスが使えないので、1日券を購入することに。これで、地下鉄バスなどの公共交通機関が1日乗り放題になります。4回乗れば元を取れる。
地下鉄は相変わらず人が多いけど、さすがに昨日ほどではありません。昨日は、いろいろなところでイベントをしていたんでしょうね。

さて、今日は残り観光という感じなので今日こそ!のんびり観光できるはず。まずは、昨日はコンサートのため回避したサン・ジョバンニ・イン・ラテラノ大聖堂です。
ここは、法王がヴァチカンに移るまでのカトリックの総本山だった由緒ある場所で四大聖堂のひとつ。さすがに大きいです。中心の祭壇には聖パウロと聖ペテロの頭が納められているそうで.....聖人やキリストの体ってばらばらにして保存してるんですね.....各所にありがたいご利益を広めるためなんでしょうけど、なんとなくいろいろなところに埋葬されて聖人も落ち着かないんではないかと思うのですが、どうなんだろう。

   
「祭壇の上の金の箱の中に、頭が入っているらしい」

ここは、ボッロミーニが改修作業をした教会だそうで、モザイクとか内部の彫刻とかが美しいです。床のモザイクも凝っている。モザイクマニアにはたまらん床のようで.....Mさんが何気なく撮っていたら、見知らぬ観光客(どうやら彼女もモザイクマニアだったらしい)「こっちのほうが、きれいに撮れるわよ!」と勧められたそうです。

   
「モザイクな床」

教会めぐりをしていると、わたしのように彫刻をテーマ(作家もいろいろいます)にするタイプ、絵をテーマにするタイプ、モザイクをテーマにするタイプ、床タイルをテーマにするタイプなどいろいろな楽しみ方があります。ローマの教会はパリのようにステンドグラスはあまり凝っていないので、教会内が暗いのが難点かなぁ。
中を一通りゆっくり見た後は、外の回廊へ。4ユーロかかりますが、きれいな中庭は一見の価値あり。モザイクと彫刻の調和が美しいです。

   
「モザイクが貼り付けてある柱」

帰り際に売店によってみたのですが、十字架とかなかなか買いにくい。日本で言えば、数珠買うようなもんですからねぇ.....。
最後に、フォロ・ロマーノから掘り出された青銅の扉を写して、次のカピトリーニ美術館へバスで異動します。

さて、バスから降りたとたんに、方向がわからなくなるわたしたち。しばらくうろうろした後、ようやく階段を登って、カンピドーリオ広場に到着。と、ここでも結婚式か!市役所の庁舎もあるので、再婚とかの場合だと、直接役所に来るんですね。それにしても、結婚式によく出会うなぁ。(実はこれで三回目)
カンピドーリオ広場の設計はミケランジェロだそうで、きれいな格子状の模様が描いてあります。ミケランジェロ、いろいろなものに関わっているんですね。

   
「カンピドーリオ広場」ミケランジェロデザイン

さっそくチケットを購入して入ろうと思ったら、すごい並んでる!仕方がないのでわたしが入場の列に並び、Mさんがチケット購入の列に並んだのですが、いつまでたっても戻ってこない.....結局入り口付近まで行ってしまったので、仕方なくチケットの列の方向に戻ることに。なんでも特別展中だとかで、チケットも倍近い11ユーロ。昨日のマッシモ宮が1ユーロだったのに、これで取り返された感じです。
なんとなくグッタリして中に入り、さっそく観賞開始。ここも彫刻とカラバッジョが有名。でも、ここまで来る前にさんざん彫刻は見てしまったので、なんとなく写真を撮るのもぐったりしてきました。今日も結構予定を詰め込んでしまったので、サクサクまわらねばならない!
というわけで、まずは最大のお目当て「カピトリーノの雌狼」のブロンズ像。教科書には必ず載ってるもんなー、このブロンズ。でも、狼の像に後から双子の像をくっつけたのだそうで。

   
「ローマ建国のロムルスとレムスが雌狼から乳をもらうの像」と一緒に乳を飲むわたし

そしてやたらとでかいマルクス・アウレリウス帝の像。これ、前はガラスに囲まれていたようですが、どーんと表に出ていました。本物だと思うんだけど、いいのかな。
あと、でかい東部とか手首とか、なんかやたらとでかい物が多いです。あまり時間をかけるつもりはなかったので、がっしがっしと見たあとは、地下の連絡通路を通って新館へ。途中で、フォロ・ロマーノの一望できるポイントもあります。わたしたちが訪れたときにはすごい人手でしたけど、心なしか少なめに見えました。最初の観光で見つけた名もない遺跡は、外に出ないと良く見えないので、断念。

    
(左)「マルクス・アウレリウスの像」(中)「でかい手」(右)今日は人が少ないフォロ・ロマーノ

新館のほうには、「瀕死のガリア人」の彫刻(これはルーブルと違ってうっふんしていない)や「物を言う像」マルフォーリオの像とかあります。このマルフォーリオに不平不満をべたべた貼ることが許されていて、ローマ市民の告発の場所だったんだそうな。.....でも、これ外に置いといていいのかな?(^^;時々、有名な彫刻が無造作に外に置いてあるんだけど、痛んだりしないんですかねぇ.....。

   
(左)「けだるいマルフォーリオ」(右)「ほんとに瀕死なガリア人」

絵画館には、カラバッジョの有名な絵も何枚かあって(ルーブルにあった「女占い師」もありました!あれは借りたものだったのかな)なかなか見ごたえはあったんだけど、いかんせん疲れてるし見飽きてるし、時間がない。
わたしたちのツボにはまったのが、「瀕死のガリア人」の向かいにあったこの可愛らしいチュー彫刻。おおう、可愛いぞ!ほのかにエロイぞ!

 
可愛いちゅー彫刻

みんなも惹かれるか、結構写真を撮っています。.....そうそう。カピトリーニも館内撮影禁止なんだけど、みんな撮ってましたよ(^^;。カピトリーニの後にマッシモ宮に行ったんだったら、きっとわたしたちはこそこそと写真を撮ったに違いない。
さすがに、美術館の学芸員さんは、イヤそうな顔してましたけどね。タペストリーやフレスコ画、油絵なんかは確かにフラッシュでやられるから写真ダメっていうのもわかるけど、彫刻はいいじゃんよ〜、痛まないんだから!
と勝手に思ってしまう観光客がここに一人。

というわけで、わたしたちにしてはかなり駆け足で観賞を終えたあと、ちょうどお昼時間だったので近くのBar?に入って昼食。サラダとパスタを頼んだら、サラダはあっというまに出てきたのですが、パスタはなかなか来ない。やっと出てきたと思ったら、わたしのパスタはチーズが固まっていた.....チーズと胡椒のパスタをMさんが頼んだものを味見したときにおいしかったから、わたしも食べてみたかったのに〜。サラダは、ルッコラがどーんとボールに入って来たものを、オリーブオイルとバルサミコと塩で味付けして食べるものでした。結構、おいしかった。なるほど、こういう食べ方もあるんだなーと感心。


「ルッコラとトマトのサラダ」

昼食を食べた後は、ヴィットリオ・エマヌエーレ2世記念堂は断念(時間がもったいない!階段登るの面倒!)して、おみやげショッピングへ。
まず、スペイン広場まで戻って、手袋店で自分用に手袋GET!裏にシルクが貼ってあるものです。おみやげ用にも1つ。同じようなサイズでいいと思ったけど、怖いので一回り大きなサイズを購入。本当はもっとカラフルな色がたくさんあったようだけど、売り切れていて無難な色しかありませんでした。それでも、種類が豊富で見ていて楽しい。
それが終わった後は、三越まで移動して革製品などをGET!ここでリモンチェッロというレモンのリキュールなども購入。.....なんか、リモンチェッロに緑のものが浮いているんだけど。Mさんは「三越だから大丈夫だよ〜」と言ってくれたけど、なんとなく不安。でも買う。後からわかったのですが、これはレモンのオイルが浮いているものなんだそうですね。やはり大丈夫でした!
その後、昨日時間ギリギリまで粘ったので覗けなかったマッシモ宮の売店もちょっと寄ってみます。たいしたものはなくて、これは残念。リヴィア家の絵のマグネットがあったので、それだけ購入。
これで、だいぶおみやげは揃ったので、ひとまずホテルに帰って荷物の中に放り込みます。明日はいよいよ帰国ですからねー。

トイレタイムの後、すぐ教会めぐりへ。まずは、ジェズ教会です。ここは、天井のフレスコ画が有名なようなんだけど、ガイドブックの写真を見てもいまいちわからない。昨日まではがつがつ観ていたのであまりガイドブックをじっくり読むことはなかったのですが、時間があるので教会の中でじっくりと解説を読みながら天井を見上げます。.....うーん、暗すぎていまいちわかんない。
ここにはザビエルの右手が飾られているということなので、それを探し出して写真を撮ったり、きれいな彫刻があったりしたので、それを楽しんだりしている間に、なんだか音楽が流れてきました。しまったミサか〜?と思っていたのですが、それにしては観光客らしき人が多く、ある礼拝堂に向かって写真もバシバシ撮ってる。
「???」と様子を見ている間に、暗くてなかなか見えなかった彫刻にきれいにスポットが当たっているのに気づきました。おお!シャッターチャンス!!
慌てて祭壇に近寄り、ジリジリと写真を撮る瞬間を狙っていたら、真ん中に飾ってある絵がすーっと下に下りていくではありませんか!
思わず、ポカーン。な、なにこれ!
そして荘厳な音楽とともに奥からキラキラの像が出てきてライトもバッと当たって雰囲気最高潮。すっげー!!!
慌ててMさんのもとに戻り、「すごいよ!見ておいでよ!」と話します。うおお、すげーと遠くから祭壇を見ているうちに、教会全体がぱあっと明るくなりました。
なんと!暗くて全然わからなかった天井のフレスコ画がライトアップされて、絵の全容がはっきり見えるのです。

   
(左)「ショー開始前の天井画」(右)「照明があたった天井画」

.....くやしいが、教会の演出にすっかりしてやられました(笑)。すごい、きれいでした。夕方5時30分から6時くらいにかけて、ライトアップショーをやるようです。ガイドブックにも載っていません。(だいたいにして、写真が暗いときのものしか載ってない)みなさん、知らないんでしょうね。でも知ってる人はいるみたいで、どうりで音楽が鳴り始めたら彫刻の前に座るはずだよ、と思いました。てっきり熱心な信者の方かと思って遠慮しちゃったよ。
天井画はいつまでも見ていたい感じでしたが、とっても首が疲れます。そうすると、用意がいい教会は床に鏡まで設置してある。確かにきちんと見える〜!
.....というわけで、この旅行期間中、最大級の盛り上がりを提供してくれたのが、全くノーマークだったジェズ教会でした。2番目はマッシモ宮のリヴィア家の壁画かな。いやぁ、「期待してないイベントほど盛り上がる」の法則、ここでも発動。期待を良い方向に大きく裏切るので、インパクト絶大。

というわけで、もんのすごく満足して次の教会へ移動。次は、サン・ルイージ・ディ・フランチェージ教会です。ここには、カラバッジョの3部作があります。
カラバッジョコーナーは大人気で、多くの人が群がっていました。行ったときにはライトがついていたのですが、そのうち消えてしまい、がっかりしていたら誰かが小銭を入れてくれたようでまたライトがつきました。
なるほど、こんな感じになるのか.....!今度見たいものがあったら、小銭入れよう。(今までは我慢してくらーい彫刻とか見てた)

   
(左)「聖マタイ」(中)「聖マタイの召しだし」(右)「聖マタイの殉教」

ガイドブックを見ると、ここにはあのチェチーリアの生涯というフレスコ画があるらしい。(絵に「生涯」とつくと、いろんな物語が入っているように錯覚しますが、実際には死ぬ場面とか印象的な場面とかだったりします)見に行くと、真っ暗なままです。よし、小銭入れるぞ!
ところがいろいろ探してもどこにあるのかわからない。仕方がないので、売店の人(教会内に出張開店している!カラバッジョグッズを売っているらしい)に聞いたら、3つの礼拝堂をまとめてライトつけることができるらしい。ほほう。50セント玉を入れたら、ぱあっとライトがついてくれました。おおお、きれいに見える!なんか、死ぬ瞬間なんだな。これも、後から調べないとな〜と思いながら観賞。

 
「聖チェチーリアの生涯」

注:裕福な家に生まれたチェチーリアは、信仰が深く、結婚しても純潔を守った乙女だそうな。殉教した人を引き取って隠れて埋葬したりしてたんだが、それがローマの総督に知れて、首を切りつけられて亡くなった人だそうです。1599年に腐敗もしない遺体が発見されたとのこと。

さて、次の教会へ!次は、サンタゴスティーノ教会です。ここには、カラバッジョの「洗礼の聖母」があります。当然フラッシュは禁止なのですが、他の観光客がフラッシュをたいていたときに、「ノーフラッシュ!」と神父さんに注意されていました。日本人も含め、アジア系は行儀が悪い印象があったのですが、欧米の観光客もマナー悪いですねー.....。ここにはラファエロの壁画もあるのですが、ガイドブック丹念に読まないとちょっとわからないような場所にあります。柱の壁に描いてありますからねぇ。

  
(左)「洗礼の聖母」(農夫の足の裏が汚くて不評だったらしい)(右)「預言者イザヤ」見つけにくいです!

ここまでで、ようやく今日の観光は終わり。いや〜今日も歩いた歩いた!
観光が終わった後は特に予定はなかったので、目的のひとつだったジェラートを食べに行くことにしました。お金を払ってレシートをもらい、それをジェラートの場所に持っていくと、2つか3つ種類を選べるのです。わたしはキウイとヨーグルトとバナナを選びましたが、とてもおいしかったです!席に座ることはできないので、立ったまま食べるのはイタリアの文化。席に座るということは、それだけの権利を買わないとだめなんですね。チップがないのはいいんだけど、席に座りたいな〜と思うことも多かったです。

 
ローマなジェラート

ジェラートを食べた後はホテルに戻ることにしたのですが、途中で昨日休みだったスーパーが開いていることに気づいたのでちょっと下見。
その後、夕飯を食べようと初日に行ったレストランに行ったけれども休み!仕方なく、別な店に行ったら、すごい混み具合。30分待つといわれ、迷ったけれどもさまようよりはいいだろうとそのまま待つことに。
それにしても、次々とくるなぁ。どうやら、やはり待っていた人たちで、どこかで時間をつぶしてから来ているらしい。
30分で本当に席が空き、ようやく座って夕飯。居酒屋っぽい雰囲気で、おいしかったけど量が多かった!パスタを食べたけど、ピザのほうが有名だったみたいなので、ピザにすればよかったかな?
ホテルに帰って明日に備えて荷造り。明日はとうとう帰国だ〜。