4日目


5月1日

サンタ・マリア・コスメディン教会→サンタ・マリア・イン・トラステベレ教会→サンタ・チェチーリア・イン・トラステベレ教会→サンフランチェスコ・ア・リーパ教会→サン・クローチェ・イン・ジェルザレンメ大聖堂→国立楽器博物館→バルベリーニ広場→サンタ・マリア・ヴィットリア教会→サン・カルリーノ・アッレ・クアットロ・フォンターネ教会→マッシモ宮

今日は、一日強運の日でした。

今日からは、比較的時間に余裕がある(1日目はボルゲーゼ、2日目はヴァチカンの見学時間が決まっていた)ので、多少はのんびり.....するはずだったのだが、やはりいつもどおりに朝食。
しかし、いつもより若干遅かったらすごい混み具合!うわ〜、失敗したかも。今日は初めて日本人ツアー客らしき人にも会いました。でも、ほんとうに少ない。知られていない、隠れた穴場ホテルという感じ。
今日の朝食では、シリアルにも挑戦。これはなかなか良かった!やはりつぶつぶの炭水化物は腹持ちがいいです。昨日の夕食が結構多かったので、ちょうどいい感じでした。

さて、トイレタイム終了後には、ホテルを出発してバスに初挑戦。今日はトラステベレ地区に行く予定。トラステベレは、昔ながらの下町の雰囲気が残る場所だとか。
バス亭についたものの、時間どおりに来るかどうか.....びくびく待っていたら、あれ、向かいのバス亭に来てる!ローマ、侮れません。バス停にバスが来てくれません(^^;
乗り込むと横にあきらかにジプシー系の二人組。こちらは幸いにして座っているので、がっしりカバンの口をガードして、わたしはガンを飛ばします。なめんなよー、「眼力あるよね」としみじみ友人に言われるような目だぜ、でも視力弱いから本当は見えてないんだけど!(爆)
わたしのガンが効いたのか、それとも普通の人だったのか、とにかくスリの被害にも会わず下車。このバスですが、車内はまったく案内ないので、地図とニラメッコしながら降りる場所を見極め、すかさずボタンを押さないといけません。結構、デンジャラスです。わたしたちはローマパスがあったので乗り放題だったけど、本当はチケットをカシャンと改札機に通さないと、罰金取られるようです。

さて、というわけで観光開始。まずは、「真実の口」で有名なサンタ・マリア・コスメディン教会です。
朝一番だったせいか、観光客はまだあまりいない。本日は、ここが一番日本人に遭遇するはず。なぜか、この2日間ほとんど日本人に合わなかったのです。やはり火山の影響なんだろうか?これだけの観光地、日本人がいないわけがないのだが。それにしても、9時からとガイドブックにはあるのに、入り口の案内を見ると9時30分からかよ!ローマ、あてになりません。ガイドブックは「参考」です。
さすがにポツポツと日本人はいるけれども、どう見てもツアー客はいない。ここは、朝一番でツアーに来るような場所ではないのかもしれない。入り口付近にならんでいるうちに時間になって、かなり早く入れました。ラッキー。
「真実の口」では順番に写真を撮るのだけれども、その前に箱と「寄付してください、50セント」の文字が。.....でも教会の人は写真を撮る手伝いに夢中でこっち見てない。というわけで、無視!しっかり写真も撮ってもらって密かにほくそ笑みながら中に入ります。

   
「真実の口」かまれませんでしたよ!

ちなみに、これがわたしのローマ滞在中の服装。白いブラウスの中に、猫カバンを肩から斜めにかけております。ちょっと妊婦さん風です。
ここの教会は随分古いので、昨日までの華やかな教会とは違って、寂れた感じがします。規模も小さいし、中をちょびっと見てすぐ退散。
そろそろおみやげを買わないとまずいので(いつもいつもいつも忘れて最後に焦る!)、売店を覗いてみることにしました。教会ももうけないとやっていけないのか、必ず売店があるんです。
真実の口マグネットとスノーボールを売っていたので購入。おぉ、さっきの真実の口にいた係りの人が戻ってきている.....ちょっと疲れています、お兄さん。さて、さっさと行かねば今日も予定はびっしりだぜ!
ガイドブックによると、開館時間はそのときによって違うらしいし、わたしたちのときには何も言われなかったけど、写真撮影の時間制限や、寄付についても厳しく取られるときもあるようです。

バスに乗る計画だったのですが、たいした距離でもないので、歩いて橋を渡ってサンタ・マリア・イン・トラステベレ教会へ。トラステベレ地区は確かにのんびりした雰囲気の場所で、祝日だったせいもあって、結構人影が少ない。のんびり歩いてトラステベレ教会についたら、なんだかミサでも始まるような雰囲気。どうやら洗礼式かなにかがあるらしく、始まる前に観光を済まそうと慌てて中を観賞。ここはコズマーティ様式の床モザイクで有名らしい。ローマの教会の床はきれいなモザイクが多い。ここもきれい。祭壇の向こうのモザイクも詳しく見たかったけど、もう今にも始まりそうなので、慌てて退散。中に入れただけでもラッキーだった。

    
(左)「コズマーティ方式の床」(右)「キリストと聖母」のモザイク

次は、ちょっと歩いてサンタ・チェチーリア・イン・トラステベレ教会へ。そろそろおなかが心配になってきたので、途中にあるはずのマックでトイレ休憩しようと思ったらつぶれていた。まあ、確かにこの地区にはおよびでないかもなぁ、マック。仕方がないのでそのまま歩いて教会に到着。ここには、チェチーリアという音楽の守護聖人のお墓があるのだが.....うお!?結婚式!?
サングラスをかけてドレスアップした人たちがたくさん。なんだかマフィアが集合しているようなちょっと異様な雰囲気。まもなく始まりそうだったので、慌ててお目当ての彫刻を探しまわります。
いつもは側面にある礼拝堂にたいてい彫刻はあるので、そこを頑張って探してみたのだが、ない。どこだ〜!?と焦っていると、「こっち!あった!」というMさんの声。慌ててかけよると、なんとど真ん中の祭壇に彫刻があった。そうか、ここチェチーリアのための教会だもんね。ご本尊なのか。というわけで、さっさと写真をパチリ。あぁ良かった!

   
(左)「聖チェチーリアの像」(右)「聖チェチーリアの像の上にあるきれいなモザイク」

教会内には、中央後陣にモザイク画などがあり、こじんまりとしているわりにはみどころありです。でも、とにかく時間がなく、慌てて退散。マフィアな人たちをすり抜けて玄関を出たところにドーンとリムジンが乗り付けます。どうやら花嫁が乗っていたようです。
さて、2回続けてニアピンだったものの、順調にクリア!今日はついてるなぁ。さっそく次のサンフランチェスコ・ア・リーパ教会へ。
ここにはベルニーニの色っぽい彫刻「福者ルドヴィカ・アルベルトーニ」があります。.....なめるように見る。あぁ、きれいよルドヴィカちゃん!そして色っぽいわ、ルドヴィカちゃん!!(至福)

   
「福者ルドヴィカ・アルベルトーニ」(なめるように鑑賞中)

いやぁ、美しいっす。今回の旅のテーマの1つが、「天使と悪魔」に登場した彫刻めぐりとローマの色っぽい彫刻を見る!なので、ご満悦。ちなみに、もうひとつのテーマは「ヴァチカン」。キリスト教総本山は、一回は見てみたいとずっと思っていた。

ここでさすがにおなかがあやしくなってきたので、トイレを借りることに挑戦。不思議だったのだが、なんでガイドブックには教会でトイレを借りるようにと書いてないんだろうということ。日本で言えばお寺さんみたいなもんなんだから、言えば貸してくれるんじゃないの?と不思議だった。まぁ、Barで借りてもいいんだけど、お金がかかるじゃん。
ちょうど、教会の人らしき人に出くわしたので、トイレを借りたいと頼みます。快く貸してくれた!
だよねー、信者の人だってミサに来るんだからさ、トイレはあるに決まってんのに。そこそこきれいなトイレでありがたいことに便座があった!ヴァチカンの美術館ですらなかったのに、ここにはあるってすばらしい。
でも、あえてガイドブックに書いてないのだとしたら、トイレ目的で教会に来られても困るからでしょうね。団体客のトイレスポットにされても困るでしょうし。やはり、Barで済ますのが、礼儀かもしれません。
すっきりした後は教会内をちょっと見学。と、そこでパードレ・ピオの像を発見!!この人は、奇跡を起こして聖人扱いになっているらしい。イタリアでは、すごく人気があるんだとか。

注:なんだか、とても霊感が強かったみたいで、子どもの頃から悪魔に襲われつづけ、聖痕に苦しめられつつも病院を建てたり病気を治したりと奇跡をおこしつづけた人で有名らしいです。この人の遺骸は、40年たっても腐敗してなかったそうだ。

   
「パードレ・ピオの像」

パードレ・ピオはフランチェスコ会の人だからなんでしょうねぇ。そうそう、この教派の人たちの衣装の色がカプチーノの語源だとか。いろいろありますね!

と、小さな教会の割にはなかなか濃い内容だったア・リーパ教会を出て、またバスに乗って今度はサン・クローチェ・イン・ジェルザレンメ大聖堂へ。本当はトラム(路面電車)に乗ろうと思って待っていたら、なぜかバスが来た。後からわかったのですが、この日は祝日で、サン・ジョバンニ・イン・ラテラノ大聖堂で大きな音楽イベントがあったようです。
また地図とにらめっこしながら異動し、すかさずボタンを押して下車。バスは、地下鉄よりも細かく走っているので、うまく使えばなかなか便利です。
ジェルザレンメ大聖堂は、ローマの7大聖堂なので、かなり大きい。ここのメインは聖遺物。キリストの十字架の断片と一本のクギと茨のトゲ。.....本物かどうかわからないですが、信者の方には特別なものですし、パリで見たときもそうでしたが、キリストの時代のもので間違いないのでしょう。(科学的に、調べた人もいるでしょうしね)
聖遺物はキラキラした十字架などに収められていて、よくわかりませんでした。入り口付近にはゴルゴダの丘の土というのもあったのですが、ここにはお金がびっしり入っていた。
なんつーか、宗教って力があるんだなぁとちょっとしんみり。

     
(左)「聖遺物が入った十字架」(中)「聖へレナの礼拝堂の天井モザイク」(右)「ゴルゴダの丘の土とお金」(なんとなくしんみり)

ひととおり見たあとには、隣の楽器博物館へ。ものすごく閑散としていて、しばらくチケット売り場に人がおらず、「えきゅすきゅーずみー!」を連発。ようやく出てきてくれた人にローマパスを見せたら、半額にしてくれた!すげえよ、ローマパス。(ちなみに、初日のコロッセオ、フォロ・ロマーノ、ボルゲーゼ美術館も無料♪)中はほこりっぽくかび臭い感じだったけど、古い鍵盤楽器や弦楽器がたくさんあって、なかなかおもしろかったです。ツアーじゃこない場所だもんな。

次はサン・ジョバンニ・インラテラノ大聖堂の予定なのですが、遠くから見てもすごい人だらけ。コンサートがあるらしいという情報もあるので今日は回避しようということになり、いいかげんヘトヘトになっていたこともあって、昼食タイムに。少し歩いて、ティラミスがおいしいという店に行ってみることにしました。きれいなカフェかと思ったら、なんとなくファミレスっぽい雰囲気の場所。軽食も頼めたので、サンドウィッチとティラミスを注文。どちらもおいしかったけど、ティラミスはすんげー大きかった!!!上にゴロゴロとビターチョコが乗っていてなかなか迫力があった。どうしても食べきれず、残念ながら途中でギブアップ

   
「巨大ティラミス(おいしかったけど)」

少し休んだ後は、地下鉄に乗ってバルベリーニ広場まで。いつも混んでるけど今日の混み具合は異常なくらいで、何事かと思う。観光客だけではなく、地元の若者も多い。やはりコンサート目当てなのでしょうか?
バルベリーニ広場には「トリトーネの噴水」があるのですが、冗談のようにすいてました。.....一応ベルニーニの彫刻なんだけど、確かに地味だから?それにしても、今までの観光場所の混雑が嘘のようだ。

   
「トリトーネの噴水」

そこから歩いて、サンタ・マリア・ヴィットリア教会へ。ここでは「聖テレサの法悦」を見るのが目的。この彫刻を一番楽しみにしていたといっても過言ではない。
ガイドブックに午後のほうが光が差していい感じと書かれていたとおり、比較的彫刻の部分も明るい。でも結構上のほうに設置してあるので、ちょっと離れないと全体が良く見えない。ルドヴィカちゃん同様、なめるように見る。
ううん、色っぽいわ、テレサちゃん!(法悦にご満悦)

   
「聖テレサの法悦」(色っぽいわ〜。これは、教会に置くには色っぽすぎると当時言われたらしい)

ここの売店は小物が充実していると書いてあったので、覗いてみる。確かに、はちみつとかハーブとかが充実しています。お店の番をしている神父さんがイタリア語しか通じない人だったのでコミュニケーションを取るのに苦労しましたが、どうやら飲むハーブエキスとやらの小瓶をGET。ここの売店は、本当に充実していて良かった!

お目当ての彫刻を全て見終わったので、ご満悦なわたし。疲れた足も少し軽くなって、次はちょっと買い物をしよう、という話になりました。
店に行く途中で、サン・カルリーノ・アッレ・クアットロ・フォンターネ教会がちょうど開いていたので、中を見ることに。実はこの教会、開いている時間がとても短くて、なかなか入りづらいのです。
中の天井の細工がとても美しい。この建築を請け負ったのが、ベルニーニのライバルのボッロミーニという人で、教会の中では、ボッロミーニ作品をめぐる地図なども売っている。ローマはテーマを決めてめぐると、とてもおもしろい場所だと思います。

   
「とてもきれいなボッロミーニの天井」

教会を出てお目当てのスーパーに行ってみましたが、祝日でお休み。残念。
そこからいったん歩いてホテルまでもどり、トイレタイム。やれやれ、今日もがつがつ歩いたな〜.....。

ローマは一大観光地なので、道端におみやげを売っている露店がたくさんあるのですが、おみやげのほかになぜかルイ・ヴィトンのカバンがものすごくたくさん売ってました。たぶん、偽者でしょうけど。
あと、おみやげの中で結構おもしろかったのが、イケメン神父のカレンダー。もうすでに来年版です。美人シスター版はありませんでした。

少し休んでから、ホテル隣のマッシモ宮に行ってみました。ここでもローマパスを使おうとしたら、今日は特別で1ユーロでいいという。まじすか!?
午前中からの幸運といい、さっきのフォンターネ教会の時間といい、なんだかついてるな〜今日は!と二人で話しながら中へ。1ユーロの割には、夕方のせいかすいていた。中は最新の展示技術が使われていて、今までとはまた違った雰囲気。館内撮影禁止なので、のんびり見て歩きます。ここもきれいで状態のいい彫刻が多く、見ていてなかなか楽しい。座る場所も比較的多いし。
そして、3階のコーナーが秀逸だった!モザイクがたくさん展示されていて美しかったし、なんとフォロ・ロマーノの遺跡から出てきたアウグストゥス皇帝の妃リヴィアの館から出てきた青い壁画をはりめぐらせた部屋があるのです。
照明も工夫されており、何よりも2000年たっているとは思えないほどの状態のよい壁画は本当に美しい。二人でうっとり。写真撮りたい〜という欲求にさいなまれますが、周りも誰も撮っていないし.....泣く泣く、記憶の中にとどめることに。この美術館はガイドブック以外にはあまり情報がないようですが、本当にオススメ!特に3階のモザイクとリヴィア家の壁画は必見です。そして、トイレがちょーキレイだった!
そうそう、パリのルーブル美術館でみた両性具有の眠る彫刻もあった。これは、有名なモチーフなんですね。
時間ギリギリまで観賞して、うっとりと外に出ます。あぁ、見てよかった。実は、エスポジツェオーネ美術館でデ・キリコ展というのもやっていたのですが、迷った末にマッシモ宮にしたのでした。でも、これは大正解だったなぁと思います。キリコは、1つだけすごい好きな作品あるけど、それ以外は別に好きではないので。

今日の夕飯はホテルの屋上で食べようという話になっていたので、帰りにテルミニ駅構内のスーパーによってみることに。なかなか場所を見つけられなくて苦労するわ、行ってみたらなぜか閉まってるわでとまどいましたが、なんとか中に入ることができました。ここで、おみやげをGETせねば!香辛料やお菓子などを買い込み、試しにリンゴを食べてみようと1個だけ買ってレジに並びます。
と、後ろからドン!と押してくる人がいる。なんだよ!と思わずガンをつけてみれば、酔っ払いのカップル。ぐいぐい押してくるので、こっちも意地になってグイグイ押しかえします。なめんなよ、おばさんを!(怒)
ようやく順番になったら、後ろから割り込もうとするのでぐいっと押しのけて自分の場所を確保。バー(欧米では、ベルトコンベアの上にカゴから出しておいて会計するのが普通。次の人と区別するためにバーを置く)をドンと置いて威嚇。まぁ、とりあえず混ざることもなく会計できたのでよかったけど、あれは絶対混ぜようとしてたな.....。

というわけで、なんとかギリギリでトラブルもなく、ホテルに帰ってきましたが、入り口でMさんがつまづいて自動ドアに激突!怪我はなかったのですが、ドアが開かなくなってしまった(^^;
Mさんは相当焦ってましたが、わたしは今までトラブルらしいトラブルがなかったので、心の中で盛大におもしろがり&「これくらい、大丈夫だろ」となめてかかってました。思ったとおり、ちょっとレールを直してやったらすぐ戻ったようだったので、良かった良かった。
ところが、部屋に帰ってみたら今度は電気がつかない(^^;。なんだかなー。仕方ないので、英語で電話し、直してもらいます。てっきり電球が切れたのかと思ったけど、どうやらそうではなかったらしく、原因はわからないけれども、それからすぐ復帰。ここのホテルは対応が早くて本当に良かった!

ホテルの屋上にレストラン(Bar?)があるので、今日はそこで夕飯。ちょっと寒かったし、パスタは硬かったけど、景色が良かったのでまぁ良し。
今日まで、かなりハードに濃い内容をこなしきってしまったので、明日はちょっとトーンダウン。絶対みたい!場所はもう全部クリアしてしまった。
というわけでまた二人で新しい計画をたてたわけですが、やはりどんどんヒートアップしていくことに.....結局、朝早くから出かけることにして、就寝。