3日目


4月30日

ヴァチカン博物館→サン・ピエトロ大聖堂→サン・ピエトロ広場(天使と悪魔「空気」)→サンタンジェロ城→ナヴォーナ広場(四大河の噴水、天使と悪魔「水」)→パンテオン→サンタ・マリア・ソプラ・ミネルヴァ教会→トレビの泉

今日は今回の旅行最大のメイン、ヴァチカンだ!
ヴァチカン美術館の予約は8時30分なので、少し早めに起きて、朝食。相変わらず、日本人がいない.....。
昨日は途中でスタミナが切れたので、頑張ってしっかり食べます。今回の旅行は、いつもと違い随分しっかり食べたと思います。食事がおいしかったし、Mさんがおいしいところをセレクトしてくれたからだと思います。
トイレタイムをしてから、さっそく地下鉄でヴァチカンへ。駅がオッタヴィアーノとチプロとどちらがいいのか迷ったのですが、最終的にガイドブックに載っているオッタヴィアーノで。
それにしても、混んでいる.....でもスリらしい人は相変わらず見かけないでちょっと安心。ヴァチカン目当ての旅行客がよく被害に会う、と聞いていたのですが、ラッキーだったようです。
駅で降りたら、ノシノシと歩く歩く!結構時間ギリギリだったので急ぎたいんですが、緊張するとおなかが怪しくなってくるので、気をつけながら進みます。まだ朝だから、あまりBarもないし。ここでもよおしたら、死ぬ思いをする。こういう場面で変に我慢したり無理したりして、何度痛い目にあったことか!

ヴァチカン博物館に到着してみると、すでに長い列ができています。でも、入り口が違う予約客はとてもスムーズ。5分遅れたけど大丈夫だったし、予約しておいて良かった!オーディオコメンタリーも借りて、やっと一安心。と、ここで昨日ボルゲーゼであった日本人の男性に遭遇!
同じようなところを歩いていたらしい。.....まさかこれからの教会めぐりまで一緒じゃないよね?(^^;
ところで、美術館などでオーディオコメンタリーを借りると、必ずパスポートを預けなければなりません。持って帰られるのを防ぐためなんでしょうね。(持って帰ってどうするんだろうという気もするが)
申し込むと、英語で「今パスポートを預かるけど、下の受け取り口までエレベーターで送っておくからね。オーディオについてる番号と照合して返すから。安全に保管してるから、心配しないでね!」と懇切丁寧に説明されます。パスポートを預けるということで、結構抵抗する人もいるんでしょうねぇ。わたしも、いい気持ちはしません。

念のためにトイレタイムを取り(ここのトイレは便座なしだった)、観覧開始。ガイドブックにはいろいろなコースが書いてありますが、これが最大の山場なので、全部観覧の5時間コースで頑張るつもり。
ヴァチカン博物館はさすがに混んでいます。ガイドブックを見ながらとにかく見て歩く歩く!館内には、座って見れる場所がほとんどありません。イスを持っていくか、長時間たちっぱなしを覚悟してみるか。それなりに準備したほうが良いです。オーディオは、有名な作品というよりも気になったものを気ままに聞くような感じで楽しみました。でも、いちいちコメントが長いんだよね.....。
美術館に入るとまず、大きな中庭に出ます。ここにはドーンと松ぼっくりの彫刻がある。でけー。そしてなぜかキンピカの球体もある。変なのー。


(左)「松ぼっくりがあったとさ〜」 (右)「変な金の玉」

始めはエジプト美術館です。うーん、ヴァチカンになぜエジプト。ファラオを飾っていいんかい?っつーか、ヴァチカンって、成金なんだなぁと密かに思いながら進む。展示物の状態がいいぞ。
ここでのお気に入りは、かわうそ?の両手をあげた置物。可愛いぞ!


かわうそちゃん

次は彫刻だらけのキアラモンティ美術館。とにかく壁際にずらーっと彫刻がいっぱい並んでいる。でもちょいと暗いし埃っぽい。いっぱいありすぎるせいか、オーディオコメントがまったくない。これは価値があるのかないのか、わからん!とにかくたくさん。


ビミョウなレリーフ

次の新回廊も彫刻。さっきの空間よりは明るい雰囲気。


(左)「プリマ・ポルタのアウグストゥス帝」(なんとなく芸能人っぽい) (右)「本当はこんな色なんです」(.....無色がいいな)


「ナイル川」(おお、えらそうだぞ。そしてこの子どもたちはナニ?) 

ここまでちょくちょくオーディオを聞いているのですが、懇切丁寧な解説のわりには一番聞きたいネタは言ってくれないので、「これで終わりかい!」とオーディオにつっこむこと数回。

次はちょっともどって八角形の中庭へ。ここには、有名な「ラオコーン」があります。博物館で見たかったものNO1!ううん、混んでいる!めげずに小さな体を生かしてスルスルと前に進んで写真をGET!こういうときには、小柄な体が役に立つなぁ


(左)「ラオコーン」(右)もとはこんなの


(左)「ペルセウス」

有名なものがたくさんあるのだが、とにかく人が多いしこれから見る場所も多いしで、オーディオをゆっくり聞いてる暇がない。気になったものはポツポツと写真を撮っているのだが.....(肝心の「ヴェルヴェデーレのアポロ」を撮らないし(^^;)

そうそうに通り過ぎて、動物の間でちょっと一息。


「ぶたさん」

ミューズの間で「ベルヴェデーレのトルソ」を観賞。うーん、筋肉?審美眼があるわけではないので、美術的に貴重なんだよね?以外の価値を見出せず。まぁ、一応撮っとくか


「ベルデヴェーレのトルソ」

次の円形の間はパンテオンを意識したつくりなんだそうだ。


「オトリーコリのジュピター」.....オーディオの解説も短いんだけど。有名なんだよね?(価値わからず)

床のモザイクがきれいだった。このモザイク、最初は価値がわからなかったけど、いろいろなところでMさんが熱心に撮るので興味を持つようになった。なるほど、凝ってるよね。

 
きれいなモザイク

脇に入って、エトルスク美術館→ギリシア彫刻の間→壷のコレクション。すいてるので一息つける。すげぇ微妙な燭台発見。これは.....なんでこんな格好?(^^;

 
(左)「ブリッジな燭台」(右)「股割りな燭台」(こういうのにオーディオ解説がほしいぜ)

そして、足をこちょがしているようにしか見えない彫刻も発見。ううむ、有名じゃないけど気になる。


「足をこちょがしている彫刻(うそ)」

再び人ごみにもどって、彫刻を見ながらタペストリーのギャラリーへ。.....うーん、タペストリーは正直あまり興味がない。きれいじゃないし、保護のために暗いんだもん。フラッシュ禁止だから写真ももちろん撮れない。
ここでMさんのカメラ大活躍。うおお〜、文明の利器はすごいぜ〜!!!

 
ラファエロの下絵を織ったタペストリー

その後は地図のギャラリー。いろいろな地域の地図がドーンと飾られている。すでにいろいろなところが開発されていたんだな〜とちょっと感心。

 
イタリア地図

その後がややこしかった。ラファエロの間に入ろうと思ったら、順路がわからない。誘導されて細い廊下のようなところを通り、ようやくラファエロの間に到着。後から館内図を見てなっとく。一方通行にしてるのね。フラスコ画がすごいんだけど、ここも暗くてフラッシュたけないよ〜Mさんまかせた!状態。有名絵画がたくさんある。
署名の間(ここで法王が署名をしていたらしい)に、有名な「アテネの学堂」がある。でかい。写真部分しか撮れない。ここは全部ラファエロの作品だそうで、部屋中に筋肉美がとびちっているような感じ。

 
「アテネの学堂」

イタリアの美術って、筋肉と裸体だらけ。ほのかにエロティズムって感じではなくドーンと見せてるのが多くてときどき疲れる。この部屋もそんな感じ。
次の火災の間に、「ボルゴの火災」というテーマの絵がありました。この火災、随分有名なようでいろいろなところでこのテーマの彫刻やら絵やらを見る。昨日のボルゲーゼにも、ベルニーニの作品であったなぁ。

 
「ボルゴの火災」

注:847年に起った火災を、法王レオ4世が祈祷によって消し止めた、という奇跡らしい。サン・ピエトロ大聖堂のテラスから姿を現したローマ教皇レオ4世が空に向かって十字をきると火災が静まったらしい。それに、なんだか知らないけどトロイ陥落のエピソードがくっついているらしい。アエネアスはアンキセスと女神アフロディテとの子で、敬神の念があつく、トロヤ陥落の祭に市の守護神の像を救い出した。それに孝行者で老父アンキセスを背負って脱出し、ギリシア側はその人格に感心してこの父子だけは殺さなかったという。

.....そうなんだ。しかしなんでまた、くっついて載ってるんだろう。わからん
トロイを落ち延びたアエネアスはイタリアに辿り着き、やがて古代ローマを建国するわけだ。上の画像でアエネアスに抱きかかえられた老父アンキセスが手に持っているのは、古代ローマ時代の家の守護神ペナテスなんだそうな。足元にいるのが幼い息子アスカニウス。なんでこんなに詳しく書くかというと、めっちゃ気になったから。
このあと、ニコリーナ礼拝堂まで行こうとしたのですが、修復中らしく、行けませんでした。

その次の現代美術館では、ダリなどの有名画家の宗教絵画あり。へええ、ダリって無神論者だと思ってたのに!かなり意外

 
ダリのキリスト画

再び人ごみの中に突入して、システィーナ礼拝堂へ。
でかいです。でもものすごい人がたくさんいて、狭く感じます。ここはカメラ禁止なのに、フラッシュつきでバンバン撮る人はいるわ、無駄話禁止なのに、うるさいわでカオス。天井画もカオス(^^;。
ミケランジェロの超有名画は迫力満点だけど、あまりにも絵がいっぱいでおなかもいっぱい。人もいっぱいでなんだか、とにかくカオス。天井の細部を見るために、と思ってオペラグラスも持ってきたけど、うまく焦点があわないし、一部分見てもつまらないので、あきらめて普通に観賞。それだけでも迫力いっぱい。ここでコンクラーベするんだな〜、こんなカオスな絵に囲まれて冷静に判断できんのか〜と思いながら観賞。
警備の人が何人かいて、しょっちゅう「静かに!」と叫んでいたけど、ほとんど効果はなかったです。なんとか脇のベンチに座れたので、飽きるまでじっくり観賞しました。

ここまでの行程で披露困憊だったので、途中の美術館はほとんどぶっとばしで、レストランでちょっと休憩。セルフのコーナーもあったのですが、あまりおいしそうに見えなくて結局ピザを買うことに。昨日のピザのほうがおいしかったかなぁ。まぁ贅沢はいえない。
終わりぎわに、レストランが他にあったことに気づいたのですが、もう遅い。あれ、どこから行けるんだろう.....。

トイレ休憩した後に、再び博物館へ。そろそろ疲れが溜まっているので、サクサクと観賞。次の絵画館での一番の目玉は、ラファエロの「キリストの変容」ふわふわしたイメージの絵を描く印象が強いラファエロなんだけど、この絶筆した作品は圧巻。キリストの降臨によって悪魔におかされていた男の子が正気にもどるらしいのだが、男の子キモイ。(^^;


「キリストの変容」

後は、ダヴィンチの「聖ヒエロスムス」とかもある。他にも有名絵画てんこ盛りですが、さすがに疲れた!
ところで、絵画館入り口付近にピエタの模刻があるんです!本物はこんなに接写できないので、今のうちに撮っちゃえーとパチリ。結構おすすめです。


「なんちゃってピエタ」

ここいらへんになってくると、閑散としている。みんな、疲れて見ないんだな。グレゴリアーノ美術館の奥に、なぜかおじさん模様のモザイクの床発見。「.....床の親父祭りだねぇ」とつぶやいたら、Mさんにオオウケされた。

 
オヤジフェスティバル

ようやく全部見終わり、ショップへGO。ここで、ヴァチカンのコインがほしかったんだけど、残念ながらおつりはコインで来ず。キリのいい値段が多いので、コインGETはなかなか難しいかもしれない。
イタリアでは、お守りとして重宝がられているようなんですが、ローマの人もなかなかGETできないようです。
オーディオを返して、長い螺旋階段を下りたらようやく外へ。時計を見るとすでに4時!ひー、時間かけたなあ

慌てて次の目的のサン・ピエトロ大聖堂へ。入るまでに荷物チェックがある。どうも、ある時期から厳重になったみたい。途中で、衛兵発見!確かに派手だ。

 
「ミケランジェロデザインの派手な衛兵」

とにかくでかい!そしてちょうど光がさしこんできれい!そしてピエタは予想どおり近づけず。なんでも、反キリストの人がモノをぶつけて彫刻が傷ついてしまったことがあったそうで、今はガラス越しにしか見ることができません。

 
(左)「光が絶妙の教会内」(右)今度こそ「ピエタ」

ちょうどミサの時間にあたってしまったので、ベルニーニの祭壇には近寄れず。

 
「ベルニーニのブロンズ祭壇」(ここでローマ法王が祈ったりするんですかねぇ)

外に出て、サン・ピエトロ広場でレリーフを撮影しようとしたら、なんだよ16個もあるよ!どれが本物か判断できず、仕方がないので片っ端から撮る。あとから調べねば。

 
「これが本物です」

さて、ここからは時間との勝負。まずはサンタンジェロ城まで歩く歩く!ここは中にも入れるのだが、時間もないし見たいメインもないので、スルー。横目に見てさっさと橋をわたり、ナヴォーナ広場へ。

 
「ベルニーニの天使とサンタンジェロ城」

ナヴォーナ広場の四大河の噴水が目玉だったのに.....修復中かよ!泣く泣く、囲いの窓から覗いてパシャリ。しっかし、映画はうそつきだな〜。こんな浅い噴水で、隠れてるなんて無理だぞ!おぼれるにもすげぇ努力しなくちゃいけないし。

 
「囲まれた四大河の噴水」

そして、なぜか絵描きがたくさん。パリのようだ。それより、ローマの街中(観光地?)にはやたらと大道芸人が多いのです。透明人間とか静止パフォーマンスの人とか。なんでだろう。
オベリスクの上にある鳩をなんとか撮影して(わっかんねーよ!)、さくさくとパンテオンへ。もう足はボロボロ。ヴァチカンに行くときにはハイテンションで多弁だったのに、無言になるわたし。

 
「鳩」(これが天使と悪魔では道しるべだったはず)

どうにかパンテオンにたどりついたけど、ここも外観修復中。中に入ってみたが、ラファエロの墓以外は特にみるもんないしなぁ.....悪魔の穴とお墓を撮影したら、すぐ出てサンタ・マリア・ミネルヴァ教会へ。

    
(左)「悪魔の穴」(右)「ラファエロの墓」

ンタ・マリア・ミネルヴァ教会には有名絵画が多いのですが、とにかく滑り込みだったので、がつがつ確認して写真を撮っている間にタイムアウト。ゆっくり観賞する暇もなかった。

    
(左)「受胎告知」(暗いよー)(右)「聖トマス・アクィナス」(暗いよー)

ぐったりして外に出て、パンテオンの外堀に腰掛けて今後の相談。近くに、昨日見損ねたトレビの泉があるので、それを見てから夕飯にすることにしました。
行ってみると、トレビの泉も人がびっしり。お約束でコインを投げて、じっくり観察。「ここの泉って、飲めるんだよねぇ?」「そうらしいよ〜わたしは遠慮しとくけど」
そうなんです、ローマは水が豊富で、いたるところに水場がある。管から水が流れっぱなしになっており、その管をふさぐと脇の小穴からぴゅーっと水が出る仕組み。これで飲むらしい。
ローマの人はもちろん、外国の人も結構飲んでいるのをみかけた。ローマは水道橋が古代からあるくらいだから、上下水道が整っていて水がきれいなんでしょう。.....わたしは飲まないけど!

 
コインを投げるわたし

ようやく観光が終わり、レストランへ。人気だったらしく、予約で中には入れないので外の席になってしまいました。別に外でもいいんだけど、さすがに日が落ちてからは寒かった!ウェイターさん、なかなか来ないし。花売りのおじさん、うざいし。
でも、とてもおいしかった。ここが一番おいしかったような気がします。昨日の反省を踏まえ、今日はパスタ(アラビアータ)はピリ辛でおいしかったです!

    
(左)アラビアータ(右)チーズと胡椒のパスタ

食事が終わった後は、地下鉄に乗ってテルミニにもどる。夜なのに混んでる!へろへろになりながらホテルに帰り、明日の観光順路を考えます。ここまでで結構ハードスケジュールをこなしたので、ちょっと余裕がある。少しはトーンダウンすればいいのに、二人で考えているうちにどんどんヒートアップ。.....明日もハードな観光になりそうだ。