フランス6日目


5月4日

今日は、ちゃんとモーニングコールが来ました。同じソフィテル系列ですが、パリのホテルは大丈夫だったみたいです。Mさんはとても心配していて、わざわざ電話をくれました。大丈夫ですよう、起きてますって!

さて、朝食をおいしくいただいた後は早速ルーブル美術館に出発です!昨日のうちに地下鉄の乗り方はクリアしているので、楽々とルーブルまで到着。さて、これからが本番〜。正面玄関にはすでに人が並んでいましたが、まだ朝早いこともあってひどく混んでいるわけではなさそうです。
わたしとふみふみは日本ですでにカルト・ミュゼという期間内(1日券とか2日券とかあります)なら、決まった美術館や建物に何度でも入れるチケットを購入済みだったので、美術館に入ればすぐに閲覧可能でしたが、Mさんはまだチケットを持っていません。オルセー美術館も見る予定だったので、Mさんもカルト・ミュゼを購入希望でした。ちなみに、カルト・ミュゼは3つの施設を見学すると元を取れそうですが、2つだと高上がりになるので、そのつど買ったほうがいい!という人も多いと思います。カルト・ミュゼのいいところは、チケットを買うために並ばなくていいこと。パリの観光ポイントはもれなく混んでいるので、これは結構快適です。
正面玄関にMさんを並ばせておいて、わたしとふみふみはもっと空いている入り口を探しに出かけました。何箇所か入る場所があるのですが、地下鉄からすぐ入れる入り口というのがあるんだそうで、そこが穴場だという情報を持っていました。
うろうろ探していたら、後ろから中学生くらいの男の子の集団がやってきます。.....なんだか危険を感じたので、さりげなくよけて様子を見ます。何気なく通っていきましたが、やはり目つきが普通じゃない。こちらを探るように見てきます。若い少年のスリ集団というのがルーブル周辺には多いと聞いていましたので、もしかしたらそうだったのかもしれません。
しばらくうろうろした後、なんとか地下鉄近くの入り口を見つけました。正面よりは空いてそう。ふみふみがMさんを呼びにいきましたが、彼女は正面からでいいとのこと。中のモナ・リザの前で待ち合わせすることに。
二人を待っている間に列が2つに分かれ、不安に思ったわたしたちは短いほうに並びなおしました。ところがこれが失敗!どっちに並んでも大丈夫だったんですね。しかも、列を交互に入れていく方法だったので、わたしたちが並んだほうが後に入ることになってしまった!うう、くやしい。
まあそれでも、カルト・ミュゼのおかげですんなり中に進むことができました。まずはモナ・リザだ!
ルーブルはとにかく広いです!みんなガッシガッシ歩いていくんですが、行けども行けども着かない.....。途中、道に迷って美術館の職員に聞くのですが、何度も何度も聞かれるらしく「こいつもか!」というしぐさをされてしまった。いや〜、だってわかんないだもん。
モナ・リザに行くまでの道筋で、「岩窟の聖母」など超有名画が壁にさりげなくかかっているのを横目で見ながら、とにかく急ぐ!ひどい混み具合だと聞いていたので、最初に見てしまおう!という作戦です。
やっと着いた〜!モナ・リザはすごく厳重に守られていました。壁のくぼんだ空間に入れ込まれ、その前には防弾ガラス。さらにその周りを1.5Mくらい離れてロープが張られているのです。当然、警護の職員つき。うわ〜。モナ・リザ自体が小さな絵だというのは知っていたので、とくに小さいなぁという感じはしなかったです。どの角度から見てもモナ・リザの視線が自分を向く、というのは本当ですね。三箇所から見てみたのですが、モナ・リザの視線を感じました。後は遠すぎて筆のタッチなどを見ることができなかったのが残念!朝早くから人が多かったのですが、ツアーに乗ってみるのと違いじっくり自分のペースで見れたので良かったです。

そのうち、Mさんが追いついてきたので、Mさんがモナ・リザを鑑賞中に、モナ・リザの向かいにある大作「カナの結婚式」を鑑賞。おっきいです!いや〜この大きさを描ききったというだけで十分すごいと思う。
その後は、Mさんと一緒に怒涛の観賞開始!とにかく、歩く!見る!
ルーブルは元宮殿なので、その建物の構造は宮殿の特徴を兼ね備えており、それぞれのエリアは「リシュリュー翼」「シュリー翼」「ドゥノン翼」に分かれています。有名なモナ・リザはドゥノンの2階にあり、そこから閲覧を始めたので、ほとんど制覇したのがドゥノン、半分眺めたのがリシュリュー、シュリーは半分も見ていませんでした。
分野で言うと、イタリア絵画、フランスの大作絵画、フランス彫刻、オランダ絵画、フランドル絵画、ギリシャ彫刻の一部ってな感じでしょうか。
絵画のコーナーは写真を撮る人はさすがにいませんでしたが、彫刻のコーナーはバシバシフラッシュたいてました。
以下、覚えている限りの感想です。とにかく、そこここに、超有名画がありまくるので、見逃したものも多し!詳しい画像はネットで検索してくださーい(爆)。

「ナポレオン一世の戴冠式」これもでかい!ベルサイユにもすっかり同じ絵がありますが、3人の白いドレスを着た女性が、ベルサイユのほうは真ん中だけピンクのドレスになってます。
「皇后ジョゼフィーヌ」これも、良く見ますね!悪女だったというジョゼフィーヌですが、絵はきれい。
「若い殉教者」これは、とってもきれいでした!わたしは結構好きです。思わずじっと見てしまった。
「サルダナバールの死」結構大きいです。ナポレオンの戴冠式のすぐ近くにある。
「民衆を導く自由の女神」おおお、社会の教科書を思い出すなぁ。これもでかいです!
「メデューズ号の筏」これも有名ですよね〜。暗い絵ですが、筋肉の動きとかが見えるようです。
「レースを編む女」フェルメールです!Mさんとふみふみは絵の小ささに驚いていましたが、わたしはニューヨークで何枚かフェルメールを見ていたので、こんなもんだよね〜という感想。
「天文学者」フェルメールにしては大きめ。レース〜よりもマイナーですが、これも光の加減がきれいな絵ですね。
「エステ家の婦人の肖像」暗い。保存のために暗い照明の下にあるので、有名だということはわかるんだけど、絵の良さがわからん。
「女占い師」これ、Mさんの指摘で有名な絵だと確認。あとで解説読んだら、かなり有名だったんですね(^^;。
「聖母の死」これも、あれ〜見たことあるなぁと横目で見たくらいだったんだけど、有名だったんじゃん!
「岩窟の聖母」ダヴィンチ・コードの影響で、ここも人が多い!タッチがきめ細かいですね。裏を見たいなぁ.....。
「ミロのヴィーナス」すごい人です。みんなバシャバシャと写真撮ってます。ツアー客が必ず立ち止まっているので、すごい状態!
「サモトラケのニケ」ここもお約束で人が多い。ただ、ここはかなり何度も通ったので、最後には感動しなくなってしまった(^^;
「瀕死の奴隷」『瀕死だけど、うっふんポーズ』という大変失礼(笑)なことをつぶやきながら探した彫像。いやぁ、彫像多いし、うっふんポーズもたくさんあるんで探すの大変なんですよ!
名前はわからないのですが、木の実や木のこぶなどが集まって顔になっているちょっとシュールな絵もあり、みんなじぃっと見ていました。わたしもじぃっと見てしまった。こういうシュールな絵は結構好きなんです。

さすがだな、と思ったのは絵を模写している人がいること。さすが芸術の都パリ!大きな絵は自分の好きな部分だけ模写していたり、実際の絵よりも少し色を明るめに模写したり。学生だなと思われる人もいれば、趣味で描いているのかな?というおばさんがいたり。みなさん、上手です。
中には結構大掛かりな道具を持ち込んでいる人もいました。あれは申請して中に入るんでしょうね。後で聞いたのですが、学生だと無料で見ることができる日というのも設定されているんだそうです。

さて、うろうろと1時間以上見たでしょうか。お目当ての絵画が結構詰まっているだろうと予想したエリアに行こうとしたら、日本人の女性がいすに座り込んでいました。
「今日は休みみたいなんですよ〜」
と親切に教えていただいたんですが、えええ!?ここを見たいのに!というわけで、シュリー翼の3階部分が大部分閲覧不能(泣)。「ガブリエル・デストレとその姉妹ビヤー公爵夫人とみなされる肖像(長い)」とか「グランド・オダリスク」とかあるのに!
そのほかにも、結構メイン級の絵が見れませんでした。すげぇ残念。なんでだったんだろう?

それならば、とさきほどどうしても見つからなかったラファエロの「聖母子と幼児聖ヨハネ」を探したのですが、イタリア絵画のエリアにあるはずのこの絵がなかなか見つからない。かなり目立つはずだ!と2往復もしたのですが、やはり見つからない。たまりかねて美術館の職員にMさんが持っていた雑誌の切り抜きの写真を見せて「どこにあるんだ?」と聞いてみました。「向こうにあるよ」と言われたけれども、あれ〜さっきもじっくり見たんだけどなぁ。とにかくじっくり見ながらまた回廊を戻ったのですが、やはりない。もう一度違う美術館職員に聞いたら「他の美術館に貸し出し中だよ」

ガーン

この30分くらいを返せ〜ってな感じでした。無駄骨のせいですっかり疲れたわたしたちは、最後にわたしの目的「まどろむヘルマフロディテ」を探したのですが、これまた見つからない(泣)。足が痛んできたので、混まないうちにと昼食を取る事にしました。

ルーブルの下にあるレストランはビュッフェ形式で好きなものを選べるのでなかなか良かったです。おいしくはなかったけど。あ、でもチーズはおいしかったかな!

昼食を食べて少し元気になったので、まずはガイド本をGET。写真を見せて場所を聞いたほうが効率がいいからです。でも、肝心のヘルマフロディテが載ってないよう。マイナーな彫刻ではないんだけど。
しばらくめちゃめちゃに彫刻部分を探したのですが、やはりみつからない。うろうろ探しているときにやはり超有名な彫刻たちがいたような気がするけど、気にしてみていなかった(ルーブルは絵画狙いだったんですよ.....)ので、ヘルマフロディテ以外が良くわかりませんでした(苦笑)。

最後の賭けで、英語でインフォメーションのスタッフに問い合わせてみることにしました。彫刻の名前を日本人発音の英語でわかってくれるかどうか不安だったのですが、なんと理解してくれた!ラッキー!わたしたちが探していたフランスやイタリア彫刻のコーナーではなく、ギリシャ彫刻だとのこと。勇んで直行します。

あった〜!!!

ヘルマフロディテは両性具有の神様で、うたたねしているその姿も美しいですが、眠っているお布団が石の彫刻なのにフカフカ感が出ていて好きなんですよ♪
大喜びで写真を撮って満足!

さて、しばらくハムラビ法典やメソポタミア、ポーの墓などの有名彫刻や遺跡を見ながらうろうろしたのですが、とにかく目当てのエリアに行くまでにえらく歩かなければいけないし、迷うしですっかりクタクタになってきたので、美術館閲覧はやめてお土産やさんへ。

なぜかグッズは少なくて絵と本が多いのですが、おもしろいものも何個かあったので、お土産購入。
ルーブルにはエジプトの古代美術なども多いのですが、そのためか象形文字を書けるテンプレートとか売ってる。おおお、いいんじゃん!
でもわたしとふみふみが釘付けになったのは、その横にあったmummy(ミイラ)です。
ミイラのレプリカなんですが、かなーりリアル。内臓を入れていたつぼまで表現してある。ミイラも、ぱかっと割れて中が見えるのかぁ。
「ふみふみ、お父さんのおみやげにいいんじゃない?」
「やだよ。そっちが姪っ子のおみやげに買いなよ」
「え〜やだよ!.....自分では買いたくないけど、他人には買わせたいよね」
「そうそう!(笑)」
というわけで買いませんでしたけどね!気になるおみやげでございました。

おみやげを購入終わった後は一休み。3人ともぐったりです。この時点で実に5時間近く歩きっぱなしだから当然ですが。
Mさんには悪いことをしました.....。わたしとふみふみはこういうサバイバルな旅は慣れてる(体力が持つという意味ではない)けど、素人のMさんは辛かろう。
と、思ったのですが、気丈にもオルセーにもついてくるとのこと。よっしゃ、そうこなくっちゃ!
というわけで、美術館サバイバルは続く。

ルーブルから500Mほど歩くと、オルセー美術館です。この日はオルセーが夜遅くまで開いている日だったので、着いたのが4時頃だったのですが結構混んでいます。疲れないうちに!と早速閲覧開始。
ルーブルほどではないけれども、オルセーもかなり広い美術館です。もとは駅だったという建物は細長で大きな時計が印象的。きれいな駅だったんですねぇ。

ここもなんだかんだいって、3階まである。広い。しかも、見たことある有名画が、やはりこれでもかというくらい、ある(泣)。
オルセーはノーマークだったのですが、「落穂ひろい」とか「晩鐘」とか、「踊り子」とか、おいおいおい、これ見たことあるぜ?な作品目白押し。いろいろあったんですけどねぇ、すんごーく疲れていたので今ひとつ記憶にないのでございます。なさけない。
結構意外だったのは「踊り子」が有名な割にはすごーく小さな絵だったこと。

最後に、ポンポン(本当にこういう名前)という作者の白熊くんの彫刻を見たのですが、これはふみふみのお気に入りです。可愛いです。のぺーっとしてます。

わたしたちは、オルセーは範疇外でしたけど、Mさんは淡い色彩の印象派が好きなようで、じっくり観賞していました。もう少し元気だったらきちんとおつきあいできたのですけどねぇ。もうしわけないことをしました。

閲覧を終えてからおみやげやでおみやげGETし、ホテルへ。もう地下鉄まで歩く気力も体力もなかったので、初めてタクシーを使ってみました。パリは、有名な観光場所や大通りなどに頻繁にタクシーの待合所があります。そこでつかまえるタクシーはまっとうなので、便利です。
わたしたちがつかまえたタクシーはなんとベンツでした。しかも、運転手さんは携帯電話でひっきりなしに連絡取りまくり。フランスって、携帯流行っているのか?

無事、ホテルまで着いてすぐ夕食。ホテルのレストランはおいしいとパリの人に好評だというので入ってみたのですが、なるほど、おいしい!
モンサンミッシェル以外では、ここのホテルの食事がおいしかった!

ホテルの食事の後、飲料水を買いにホテル周辺をうろうろしたのですが、なかなか見つからない。可愛い店や映画館はあるんだけど、自動販売機がないんですよ。
途方にくれてホテルにもどり、思い切ってホテルのバーで水を売っていないか頼んでみることにしました。一番初めのホテルのバーはお湯をくれたし、もしかしたら水だから売ってないかな〜と思ったのです。
バーのお兄ちゃんに英語で話しかけます。ふみふみも、疲れてフランス語はしんどかったので。
『水がほしんだけど、ありますか?』
『あるよ。』
良かった〜と喜んだのもつかのま、その場で開けようとするので、慌てて持って帰りたいのだ、と制止します。
『ここで飲む分しか売ってない』
と言われてがっかり。
それを見たお兄ちゃんは意気消沈したわたしたちを気の毒だと思ったのか、
『向かいの駐車場に自動販売機にあるよ』
と教えてくれました。助かった!

水を無事GETした後はもう、何もする気力もなくってすぐ就寝。明日は最終日、凱旋門とお土産探しだ!