4月29日 首都アンタナナリボ



4月29日(日)
今日から観光開始ですが、今日は首都だけなので結構お気楽ムードです。
朝食を食べた後、フロントにいた渡辺さんに、
「あそこに、床屋さんがいるよ!」
と教えてもらったので、行ってみることにしました。初めて直に歩くアフリカ、マダガスカル。大地が赤くて、乾燥しています。マダガスカルの匂いというか......独特な匂いがします。
さて、公園をぬけて湖のほとりに小さな小屋が並んでいて、覗いて見ると髪を切っているのです。いくらくらいの値段なのかわかりませんでしたが、じょきじょきと勢いよく切ってます。短ければいいんでしょうね。少し覗いた後は、慣れない土地で怖かったのでそうそうにホテルまで帰りました。
みんなが集合したので、準備をして車で出発です。
ふと外を見ると、いやに愛想よくこちらに手を振る男性が。わたしは思わず条件反射でにっこり笑って手を振って答えてしまったのですが、なんだか様子がおかしい。後ろ手に手をつかまれているのです。
「あれ、連行されてるんじゃない?」
.....よく見ると、あれはパトカー?げ!わたし犯罪者に愛想ふりまいたのか!?
それにしても無邪気で陽気な犯人さんだった.....。

マダガスカルにいる間、ずっと案内をしてくれたのがエリアさんという22歳の男性で、日本語がかなり上手でした。ときどきちょっと言葉が変だったけど.....だいたいの会話はできましたから、彼は勉強家なんでしょうねぇ。エリアさん、内気な人だったようであんまりうちとけてはくれなかったけど、いい人でしたねー。
首都だからさすがに道とか空港とかきれいだろう〜と思っていたのですが、いや、これがまた。
田舎の国、というか発展途上なんですよねぇ。国際空港なのに驚くほど小さいし、首都なのに舗装された道路はわずかなのです。しゃれた高層ビルなんてどこにも見当たらないし、200万人も住んでいる都市とはとうてい思えません。まぁ、そこがまた、いいんでしょうけど。
というわけで、女王が住んでいたという場所まで行くのに、結構かかりました。
途中、良く見かけたのが、ベンツの乗合バス。なぜベンツ?(ここはフランス植民地だったんですけどねぇ)というくらいベンツが多いです。そこにみっしりと大勢の人が乗っている。後ろの扉なんて開きっぱなしで、人がはみ出るのを手で押さえてたりして。なんとも、すごいです。他に、歩いている人たちがとても多い。自転車やバイクはあまり見ませんでした。アンタナナリボは、高原にある都市なので坂が多いのですが、そのせいかもしれません。赤土が剥き出しの道路のわきを、籠や荷物を頭に載せて、人々がゆっくり歩いていく.....というのが、国内全土でよく見かけた光景です。潔癖症のわたしは、かなりぼろぼろの服を着ているマダガスカルの人たちに始めは抵抗があったのですが、旅行を続けるうちのだんだん平気になっていきました。ぼろぼろの服だけど嫌なにおいはあまりしなくて、大地の乾いたにおいがするのです。ここでは人がマダガスカルに住んでるっていう感じじゃなくて、大地の中に人が生えてる(はえてる)といった印象でした。

女王が住んでいたという宮殿は、かなり質素な木の館で、作りも簡単です。日本でいえば明治くらいだと思うのですが、こんな作りでよくもってるなぁといった印象でした。地震とかないんでしょうね。フランスの影響でしょうか、女王の写真は重そうなヨーロッパ風の衣装を着てますし、調度品もヨーロッパ風です。でも寝所なんかはマダガスカル風。王に客が来たら、それが敵かどうか調べるのは妻の役目だったようで、妻のベッドは下にあるのに、王様のベッドはロフトのように上にあるのです。奥さんは、大変ですねぇ。
女王宮におみやげやさんがあったのですが、そこの店員さんは、なんと日本語を話しました。びっくり。観光客に教えてもらったようですが、マダガスカルで日本語を聞くとは思わなかったなぁ。随分若くして結婚するらしく、まだ少女のような趣でしたが、小さな男の子を連れていました。ちょうどカバンの中にお菓子があったのであげてみたら、結構喜んでくれました。
宮殿も見たのですが、何年か前に残念ながら謎の火事で焼けてしまったとのこと。外から見るだけでした。


それにしても、動物が多い。
背中にこぶがある牛は車を引いていたり、のんびり草を食んでいたりとよく見かけるし、やせている犬や、野良猫(飼っていたのかも)も結構みました。みんな、動物飼うの好きみたいです。

お昼を食べてから、パラソルマーケットへ。ここではデパートとかないので、個人が開いている小さな露店でいろいろなものを買います。その露店の上にパラソルが広がっているのです。果物とか、サイザル(植物です)製品の籠とか、いろいろ売ってます。でもここはひったくりとかも多いんだそうで、おだやかなエリアさんでしたがここだけはピリピリしていました。それが全員に伝染してみんな緊張していました。スーパーに行けば定価でものが買えるのですが、露店では、交渉で値段が決まります。日本人だとわかると、たいていものすごくふっかけられます。添乗員の渡辺さんは、サイザルのランチョンマットを交渉して買ってましたが、結構大変そうでしたね。わたしは交渉する勇気がなかったので黙ってみているだけでしたが......。
パラソルマーケットの他にも、露店をたくさんみかけましたが、肉とか野菜とか、どちゃっと無造作に板の上に置かれて売っています。虫とかたかっていても誰も気にしないのですが、衛生状態が気になるところです。あれも、慣れるのかなぁ。


マーケットの後は、ツィンバザザの動植物園へ。ここには、マダガスカル特有の猿とか植物が集められています。見たかったワオキツネザルとか横っ飛びで有名なシファカとかいたのですが、おりの中では......。やはり、最終目的地のベレンティーじゃないとねぇ。
大きな亀をみたり博物館をみたり。この動植物園は、ちょっとした息抜き場所のようで、現地の家族連れもたくさん来ていました。みんな思い思いに芝生に寝転がっていたりします。
なぜかその中に、何組か男同士のカップルが......。むむう。これはもしかして、○モってやつですか?
エリアさんに確認してみたら、結構多いみたいですねぇ、同性愛の方。すげぇ。
途中で竹の子とかハスの池があるのですが、
「これは日本では食べるんだよ〜」
と教えてあげたら、エリアさんは複雑そうな顔をしていました。おいしいのに。
「あれがマダガスカルの花です」
と教えられた花は、なんとクリスマスによく見かけるポインセチア!しかも、木になっている。日本でよく見かけるポインセチアは、樹木の先端部分だけの姿だったことがわかりました。マダガスカルの花だったんですねぇ。


というわけで、まぁゆっくり(比較的、ですが)した観光も終わり。明日は、星の王子様で有名なバオバブの木を見に行きます。