第3日目



4月30日(日)
さて、二日目は、クランダというアボリジニの村にいく日です。アボリジニとは、オーストラリアの先住民族ですが、最近は混血が進んで、純粋なアボリジニの人はいないんだそうです。
まずバスで熱帯雨林が生い茂る山のふもとまで行きます。そこから、スカイレイルというモノレールにのるのですが、これは何でも熱帯雨林を傷つけないように、細心の注意を払って作られたものだとか。
モノレールの下には豊かな熱帯雨林。さまざまな動物の声も聞こえてきます。天気も良くてなかなか良い気分です。
が。
「あれー、止まりそうなんだけど.....。」
すーっと、スカイレイルが止まってしまった。しかも宙ぶらりんのまま。結構、高いんだけど、ここ。
気の毒だったのは、一緒に乗っていた親子連れで、お嬢さんは高所恐怖症だったようです。動いている間は我慢できていたようなのですが、止まってぶらぶらしているのはかなり苦痛らしい。結局、何も説明がないまま、10分ほどそのままでした。あれは何だったんだろう.....。
さて、無事?到着した後は、またバスに乗っていよいよクランダの街に着きます。ここで、アボリジニのテーマパークにお邪魔しました。最初にコアラだっこして写真を撮る、というイベントがあります。
「コアラをだっこしている写真はいっぱいあるけど、あれ、実際には抱いてないんですよ〜(ほんとか?)。でもここは本当に抱っこできます!」
なんて言われたら、抱きたくなるじゃないですか!お金を払って、いそいそとコアラのいる場所へ。
お姉さんがにこにこと箱を指差している。ここに立てってこと?『Standing!』って言ってるしなぁ......。まるでお立ち台のように箱の上に乗ったら、「オゥ〜」とか言われます。
???
さかんにジェスチャーでなにか訴えているのですが、今ひとつわからない。頭の中で?マークが飛び交っているYに業を煮やしたお姉さんは、Yの帽子をぱっと取ると、箱の上に置きました。
......なるほど。ここに荷物を置いて、あそこに立てと言っていたのか。
撮影場所に立つと、木にすがってうたた寝していたコアラをべりっと剥がして持ってきます。
うおお〜〜〜!!!本当にぬいぐるみみたいだ!可愛い〜〜〜!!!
コアラがカメラ目線になって、Yがスマイルすると、パシャッとシャッターがおります。コアラを抱いてうっとりしていると、またべりっとコアラを剥がして次の人に抱っこ。
コアラも大変だねぇ.....。繊細な動物なのになぁ。
コアラ抱っこが終わって、次はカンガルーとかウォンバットがいる庭へ。カンガルーはの人間に慣れているので近寄っても大丈夫。でも、油断すると足でキックされそうで結構恐いもんです。ワラビーは小さいので、あまり恐くありません。おしりふりふり歩くウォンバットが一番触りたいんけど、夜行性で寝てばっかり。ううむ。
ウォンバット抱っことか、コアラ抱き放題ツアーとかあればいいのに。
ワニの餌付けとか、アボリジニの人達の楽器演奏や、ブーメラン投げ、アボリジニダンスなどを楽しんだ後、食事です。
食事が終わった後は自由時間なのですが、世界最大の蝶の館に入ってみました。
温室のような施設の中に、オーストラリアの珍しい蝶がわんさか跳んでいます。真っ青に光る蝶や、緑に光る蝶、赤い蝶などいろとりどりで、きれい!です。
ところで。
Yはなぜかとっても蝶に好かれます。伊豆にも蝶の館があったのですが、そこでも蝶がふわふわとYにいっぱい寄ってきました。匂いなのかな......。
ここでも、じっとしていると、蝶がすぐ寄ってきます。はじめは小さ目の蝶だけだったのですが、最後に真っ青に光る大きな蝶が寄ってきました。これは結構いい気分でした。
さて。自由時間が終わった後は、メインのクランダ鉄道です。昔ながらの古い内装の電車に乗って、ケアンズまで帰ります。当然冷房などもないので結構暑かったのですが、景色は抜群だったし、なんとも懐かしい雰囲気で、ほんわかしながらケアンズの町まで帰ってきました。

さて。
昨日は疲れて外に食べにいく体力は無かったけど、今日はそんなに疲れていないし、外に夕食を食べに行こうという話しになりました。
ガイドブックで、すぐ近くにおいしいと評判の店を見つけたので、行って見ることにしました。
歩いて5分で着いたのはいいのだけれど、なんか、様子が変。休み?
おろおろしていたら、上半身裸で半ズボン姿の恰幅のいいおじさんが話しかけてきました。どうやら、『この店に来たのかい?』と聞いているらしい。『そうだよ』と答えたら『今改装中なんだ、新装開店は5月4日なんだよ!』とのこと。なんだぁ、残念。
がっかりしていたら、『4日に、まだケアンズにいるかい?』と質問されました。
それまでは「Yes!」だけでなんとかしのいでいたわたしたちはとっさに答えが出てきません。 「we don’t stay〜」とかなんとか言えば良かったんでしょうが、浮かばない。二人で同時に口にしたのが、
「ノットッ!!(not!!)」
.....なんだよ、ノットって。せめてNOといえば良かったのに。
おじさんは苦笑いした後、『じゃぁ、違う店を教えてあげる!』と懇切丁寧に教えてくれました。結局見つけることができなくて、違う店にはいったのですが、おじさん、親切だったなぁ。
わたしたちが入った店はなぜかギリシャ料理を出すところで、コースが有名だったようなのでそれを頼んだのですが、恐れたとおり、死ぬほど量が多い!
おいしいんだけど、二人ともコース途中で涙目です。へろへろになって食事を終えた後は、どうやって帰ろうか、という話しになりました。
日本と違い、どんなに安全に見えてもやはり夜は危険だと言われているし、でもタクシー乗り場に行くまでかなり歩きそう。
「.....走らない?走ってる奴、襲う奴はそんなにいないって!」
というわけがわからないYの提案で、ホテルまで1KMほど走ることにしました。
ところで。
ケアンズは、リゾート中心の田舎町ですから、ジョギングでもない限り走っている人なんていません。東洋人の小さな女の子(いや、そういう年じゃないんだけどそう見えるだろう)が、たったったと走っている姿は、かなり異様にうつるらしく、みんな怪訝な顔で走っているわたしたちを見ます。ついでにわたしたちの後ろも見ます。誰かに追いかけられているように見えたんでしょうね。
そのうち、だんだんおかしくなってきて、二人でへらへら笑いながら走り始めたので、怪しさはさらに倍増、周りの誰よりも危険な人物に......。おかげで、無事帰れたけどさ。