1日目・2日目
とまぁ、若干心配を抱えて出発です。いつものとおり、新幹線でふみふみと合流し、もしゃもしゃとご飯を食べながら成田に向かいます。今回も京成電鉄を使って移動。いやぁ、快適快適。
さて、空港でスーツケースを受け取ったら、集合場所へGO。案内をよおっく見れば良かったんですが、てっきりゲートの中だと思って入ったら、誰もいない。
不安になったので、わたしは荷物番でふみふみに様子を見にいかせました。
ところがなかなか帰ってこない.....うーん、変だな。携帯で呼び出すか。.....検索、検索.....あ。
ところで、ブータンに行こうと思う人は、だいたいが海外旅行のスペシャリストです。(^^;
最初にこの国を狙おうなんて人は、たぶんいません。国を知らない人のほうが大部分じゃないですかねぇ。
ブータン自体は大変親日的な国で、国王が日本に来たこともありますから、名前くらいは聞いたことある、という人は多いのですが、「今度ブータンに行くんだよー」というと、たいてい「そこどこ?」と言われました。
というわけで、素人さんはいないので、いろいろな手続きが大変スムーズです。添乗員さんも、必要最低限の指示で済ませているようなので、これは楽でした。
あまり親切だと、イライラするんだよね(笑)。(昨年の旅行記参照)
とまぁ、順調かと思われた旅の始まりですが、いきなりつまづきました(爆)。
さて、バンコクに着いたのは良かったのですが、荷物をピックアップして入国したけど、ホテルに行く暇がない、ということで、空港内のイスがホテル。
でも、今日はブータンに着いてからちょっと観光するし、結構長い時間バスで移動もするので、今のうちに寝ておかないと!
というわけで、ホームレスのようにごろごろ寝るわたしたち。朝食も念のために渡されたけど、食えたもんじゃないです、眠くて。
人がざわざわする中で横になるので、眠れるわけではないんですが、体を横にするだけでも、随分違います。旅行中は寝て食う!これ大事。
そうしている間に、ブータン国営航空ドゥルク・エアの搭乗手続きが開始します。昔はプロペラ機で有視界飛行だったらしいですが、今はエアバスでやはり有視界飛行っぽい。
途中コルカタ(カルカッタのこと。カルカッタというのはアメリカ英語読みなんですってね。占領されたときの呼び名なんだそうです)経由で、いよいよブータンに入ります。
パロは、ブータンの首都ではありません。ブータンは山国なんで、一番広い谷に空港を作っているんですね。それがパロ谷だったというわけ。
この日は、首都ティンプーまでの移動日なのですが、「せっかくですから、パロの観光もちょっとやりましょう」とのこと。小さな旅行会社さんって、こんな感じなのですかねぇ。決まった日程をバンバンアレンジしていく手腕はなかなかのものでした。このときも、まったく日程にはのっていないのですが、パロのマーケットを散策することに。
ブータンには小さなスーパーなども確かにあるのですが、食べ物を購入するのは土日に開かれるマーケットが主流なのだとか。
広場には大勢の人が集まっています。そして、行くまでの道に、なぜか犬がゴロゴロと寝ている。というか、落ちてるって感じ。道端の石みたいに犬がいたるところにいます。みんなぐったり寝ています。ブータンは殺生をしない国なので、動物はもちろん、害虫でさえ殺さないのだとか。犬はすべて野良犬のようですが、人間がいじめないせいか、敵愾心はないようです。でも、病気が怖いので近寄れませんが。
マーケットには、たくさんの野菜が持ち込まれていますが、種類は少ないようです。とうがらし、じゃがいも、すいか、トマト、だいこんなどが多い。エシャロットかな?と思う野菜などもありますが、少数派です。昔なつかしい天秤で量り売りしているようです。
そのほかにも、仏具や雑貨なども売っています。雑然としたマーケット内を散策していたら、突然日本語で話しかけられました。
「日本の観光の方ですか?」
「.....えぇ(大警戒中)」
「わたし、ブータンに住んでるんですよ」
どうやら、あやしい人ではないようです。日本語に飢えていたようで、一生懸命話しかけられたのですが、こっちも時間がないし、いろいろ自由に見たいんだけど.....。
というわけで、話途中で切り上げてしまいましたが、「じゃがいも料理は外さないよ」などと教えてもらい、親切でした。
さて、それから昼食ということで、さっそくブータン料理に遭遇です。
ブータンは、もともと農業がさかんな国ではあるのですが、山岳地帯で土地がやせているため、自給自足できる食物が大変少なかったようです。主食は赤米という米で、とうがらしが野菜としての扱いになっています。ヤギとかの乳も貴重な栄養源。チーズの種類も豊富です。西岡さんという日本人がブータンの農業に大きく貢献し、今ではいろいろな野菜や果物が作られるようになったようですが、相変わらず「辛ーいおかずでご飯をかきこむ」という食事方法が主流だとか。
そのせいか、胃がんが多いんだそうです。
というわけで、その辛ーい料理を試食。お。でも結構大丈夫だぞ。
疲れているせいもあるし、日本人向けに辛さを抑えているらしくさわやかでおいしい。なあんだ、大丈夫じゃん!
とみんなでワイワイ食します。その席で自己紹介もしたのですが、どうやら自分たちがツアー参加者の中では年齢が低いらしいということがわかりました。13人中、5人が一人での参加というのもすごいですが、紹介の中で今までの旅行経験を聞くと、すごい場所ばっかり&回数もすごい。そんな人たちが「ずっと来てみたかった」と口にするブータン。
昼食の後は、ホコリっぽい山道を延々とドライブです。途中、観光スポットで時々とまります。といっても、ブータンは国全体が観光地みたいなものなので、スポットが際立って珍しいというわけではありません。
この日みたのは、ブータンで初めての鉄の橋。山岳地帯なので、谷や川にかける橋はとても重要で、木を使った橋しかなかったブータンに鉄の橋は貴重だったのだとか。鉄の橋を作った人はタントン・ギャルポという高僧で、ティンプーの尼僧院に祀られているそうです。
そして、3つの川が合流しているところ「チュゾム」に建てられたチョルテン。
川が合流するところは、重要な意味があるようで、関所やチョルテンがあります。この場所は3つの川が合流するので、3種類のチョルテンが建てられていました。チョルテンはもともとは仏舎利を祭ったものですが、現在は信仰の証として建てられているものが多く、ブータンのいたるところにあります。壁の上のほうに朱色のラインがあるのがブータン式、金色の尖塔が目立つのがチベット式、その他がインド式だそうです。ブータン式のチョルテンは、田んぼの中にポツンとあったり、山の上に突然現れたり、と日本の看板みたいにたくさんありました。
チョルテンのまわりを右回りにまわると、1回お経を唱えたことになるのだとかで、車ですら右回りにまわって通ります。さすが、仏教の国。
このありがたーいチョルテンを見ながら、おトイレタイム。が、なんだか様子がおかしい。
「オープントイレ?」
.....良くある、ドアがスカスカだから下から覗けちゃうよ?なトイレのことかいな。
と思ったら、なんのことはない、青空トイレだとのこと。ひいい、野外でトイレとはあらかじめ告知されてたとはいえ、こんなしょっぱなからですか!
※ ブータンちょい知識
田舎の国なので、トイレがないことが多し。なので、野外でこそこそとトイレになるのです。用意するものは、ティッシュ、ウェットティッシュ、そしてビニール袋。自然を汚しちゃいけませんからね!
旅行通の人に言わせると、青空トイレはまだトイレ事情ではいいほうで、それすらも許されない(延々と都会の中をバスで移動とか。しかも渋滞につかまっちゃうとか)ときには、「大人のオムツよ!どうせみんな穿いてるもんなんてわかんないんだから!」だそうです(^^;。なるほど。
というわけで、準備をしていそいそと川べりへ。ドギマギしているわたしたちをよそに、旅の達人たちはさっさと済ませていきます。うおお!
慌ててマネをして済ませたあと、またホコリっぽい山道を延々とティンプーへ。
来年ブータンでは大きな式典(次の王の戴冠式など)があるので、その式典にあわせて国内のインフラをいろいろと整備中とのことで、この山道も工事中なんだそうです。それにしても、すごいホコリ.....花粉症の季節は終わったはずなのに、花粉症再発。ううう、最初からマスクしとけば良かった。
やっとティンプーに到着したときにはクタクタです。ホテルにチェックインしたあとは、少しぐったりしてしまいました。
ティンプーは首都なので、ブータンの中ではかなりにぎやかな街を持っています。でも、信号がない(^^;。
お店も多いし、人も多い。でも建物はすべて釘やカンナを使わないブータン式のもので、高層建築物も禁止されています。
そのせいか、マダガスカルの首都アンタナナリボよりも、さびれてみえる。でも、なんとなくほっとするような街並みです。
治安がいいとわかっていたので、少し休んでからは街を散策してみました。今回、わたしは織物(すごく細かくてきれいなんです!)と曼荼羅、ふみふみはマニ車と毛織物のバックとヤクの毛で作ったぬいぐるみをほしいと思っていました。
でも、なかなかいいのがない.....特に、曼荼羅はすごく高価で、とても買えませんでした。美術品としての価値も高く、宗教的な意味を含めるとあの値段(数万円)は安いほうだと思うんですが、そう簡単に買えませんよ。日本の自分の部屋に飾る場所もない。織物もとんでもなく高価でしたが、これも全部絹でできていること、細かい手作業で作られていることを考えれば、そのくらいの値段(キラで10万円ほど)はするのがあたりまえ。日本で着物を買うようなもんですね。でもな〜、旅先で買う値段じゃないや。幸い、織物は小さいものを見つければ買えそうだ、と目星がついたので、後日なんとか購入しましたが。
ふみふみは、気に入ったマニ車(中に経典が入っていて、右回しに回すと1回お経を読んだことになる)がなく、この日は断念。今回も、おみやげは苦労しそうだ。
夕食もブータン料理だったのですが、ここのは辛かった!いい気になって食べたら、口の中が大変なことに。痛くて痛くて!
幸い、口内炎はいつのまにか治ってたけど、それにしたって無理!
疲れていたのもあるんでしょうけど、これ以来わたしはブータンの辛い料理は極力口にしませんでした。ふみふみは果敢に挑んでましたが。(わたしよりも辛いものは苦手なんだけどね)
この日は、もう何も考えずにさっさとベットへ。明日はティンプー観光です。