学生時代、おれはロッテリアでバイトしてました。 もう辞めちゃったから店の名前も出していいのかな?んっと、 西明石明南町店っていうところで働いてました。住宅地の郊外にある 主要幹線沿いの店で、ドライブスルーもありました。そこに延べ3年半くらい いました。 ほんと、よくやってたよなって今になったら思います。
おれがロッテリアでバイトを始めたのは大学1回生の時の夏休み。 それまでもバイトを1つやっていました。病院内の外来食堂での調理のバイトで、 炒飯とか、親子丼とかを作る調理部門のほうをやってたんですけど、 このバイトは週1回、日曜だけだったから、 大した収入にはならなかったんですね。 当時おれは2回生の夏に自動車の免許を取ろうと計画していて、「やっぱり 免許取ったら車ほしくなるよなー。でも今のままじゃ金たまんないしなー」 と思って、平日の夜にできるバイトを探していたんです。
そんなときに、私は折り込み広告の中からロッテリアの求人広告を 見つけました。「時給は安いけど(当時650円)、家から近いし、夜に できそうだし、ここにしよう。」と、その日のうちに電話をして、次の日に 面接、採用が決まりました。ほんとに家から近かったんですよ。 帰り道なんか下り坂で、うまく道を横切ることができたら自転車で30秒くらいで 帰れてしまうくらいだったんです。
そんなこんなでおれのロッテリア人生がスタートしたんですけど、おれは夜の8時頃から 閉店(11時)までいて、その後「ダウン作業」と呼ばれている、いわゆる片付けを することがほとんどだったので、ハンバーガーとかを作ることよりも、 洗い物とかを教わることの方が多くて、「おれってハンバーガー屋でバイト してんだよな」などとちょっと疑問を感じながらも、できるだけ早く家に 帰れるようにせっせと洗い物をしていました。
しかし、そのことがおれのロッテリア人生を少し変えることになりました。 ロッテリアでいう能力とは、「いかに上手にハンバーガーを作れるか」 ということをいうのであって、決して「いかに早く洗い物を済ませるか」 ではないんです。だからハンバーガーを作る機会の少ないおれは、他の 昼間にバイトしている人たちに比べて、いわゆる「出世」が遅れてしまったんです。
知ってる人も多いかもしれないですけど、ロッテリアをはじめ多くの ファーストフード店では、アルバイト店員を能力別にランク分けして、 それに準じて「能力給」を時給にプラスしています。ロッテリアではバイト生 のことを「メイト」と呼び、そのメイトをTメイト、Cメイト、Bメイト、 Aメイト、ALメイト、Lメイトという風にランク分けしています。Tメイトとは トレーニーメイトと呼ばれる、いわゆる「研修生」ですね。今は育成 カリキュラムが変わったのでTメイトは1,2週間で終わってCメイトに 昇格するみたいですけど、おれの頃は違っていて、おれは3ヶ月Tメイトをやっていました。 夜バイトをしていたから昇格が遅れたということもあるけど、基本的にその頃は みんな2ヶ月ほどTメイトをやっていましたね。しかも、Cメイトになる、 ということは、「ようやく一人前のメイトになった」ということなので、 時給は変わらないんですよ。ほんと、いつになったら時給あがるの?って 感じで必死こいて洗い物ばかりしてました。
なーんていっても、時給あがるっていってもBメイトになると20円、 Aになると20円、ALになると10円、Lになると30円それぞれ上がるだけで、 大したことなかったんですけど。おれがバイト始めた頃は基本給が650円。 しばらくして基本給が変わって700円になったんですけど、それでも おれが最終的にALだった時でも、時給750円。よく友人に「そんなバイト やめてしまえ」とよく言われてました。でも、仕事に慣れてしまうと居心地が いいんですよね。それは外来食堂でもいえたことでした。それなりに金は貯まってたし。
そうそう。おれがバイトを始めたのは、車を買うためだったんです。 約1年間、ほとんど 遊ばずに、生活費を節約して、貯まったお金が60万円。よく貯めたもんです。 それで2回生の夏に運転免許を取ると、ほぼ同時に車を購入。昭和63年式 ミラ、550cc、3AT。本体価格29万、任意保険等諸費用込みで42万円。 中古だったですけど、比較的きれいで、それから3年4ヶ月走って くれました。よくもったなあ。大学を卒業するまではって思ってましたが、 卒業してからもしっかりと走ってくれました。
話がそれてしまいました。ロッテリアですね。そう。ロッテリアの世界って、 少しおもしろいんですね。よくやり玉に挙げられるのが、「ハイサンキュー」 でしょう。なんのこっちゃ分からないかもしれません。ロッテリアでは、 「はい」という返事はすべて「ハイサンキュー」と言わなければいけないんです。 だから、次のような端から見ると少し変な会話が成立するんですね。
店員:「店長!」
店長:「ハイサンキュー。」
店員:「ベーコンの仕込み、何枚しときましょう?」
店長:「そうやな、40枚しとって。」
店員:「ハイサンキュー。」
変ですよね。こんなこといっつもしてるから、普段友人と話しているときにも、 ついつい「ハイサンキュー」っていってしまってました。冗談みたいな話ですけど、 ほんとなんです。「慣れ」って怖いですよね。ところで、みなさんはロッテリアというと何を想像しますか?多くの人は 何も想像できないと思います。そう、「ロッテリアといえばこれ!」という ものがないんです。そういう商品を作ろう、ということでロッテリアが 「ロッテリアデラックス」っていうバーガーを作ったんですが、 策略は見事に失敗。ロッテリアデラックスの知名度は、全然上がらない ままに消えてしまいました。逆に働いている者にとって、 ロッテリアデラックスって、すごい うっとおしいだけでしたね。何がうっとおしいって、他のバーガーに比べて 作るのがめんどくさい。バンズと呼ばれるパンから他のとはちょっと違いました しね。で、ソースつけたりレタスはさんだりっていう作業をドレスっていうん ですけど、これがまたとてもめんどくさい。慣れたら楽だけど、やっぱり他の バーガーと比べるとドレスに時間がかかる。このバーガーのためだけに トマト切らなきゃだめだし、ベーコンもいるし。もう、何でこんなん作ったんだ って感じでした。
でも、やっぱりマクドナルドにはかなわないですよね。みんな、ハンバーガー といえばマクドナルドが基本になってますもんね。湿布といえばサロンパス みたいなもんで、ロッテリアにきて「てりやきマックバーガー下さい」とか、 「マックシェーク」とか、「バリューセットのてりやき」とかいうお客さんが、 実際にいましたよ。ほんと、失礼ですよね。でも、それはまだ許せるとして、 一番驚いたのが、ドライブスルーのマイクで大きな声で「モスチーズバーガー」 と叫んだお客さん。あなたは素晴らしい。
そう。ロッテリアの代表作といえば、あえていうならば「えびバーガー」 ですかね。これは確かにおいしいんです。食べたことのないひとは、 一度お試しあれ。 他は、といえば、色々と新製品を開発するんですけど、どれも不評で、すぐに どっかに消えてしまう、ということの繰り返し。特にシェーキ。ちなみに、 ロッテリアでは「ロッテシェーキ」といいます。「マックシェーク」とは 違います。お忘れなく。ロッテシェーキは、おれがバイトしてきた 3年間、色々なシェーキが販売されました。紅茶シェーキ、抹茶あずきシェーキ、 さくらもちシェーキ(あずき味)、彩あじさいシェーキ(ブドウ味)、 イタリアンカプチーノシェーキ(コーヒー味+シナモン)など、あげていたら きりがないくらいたくさんの種類がありました。
そのなかでも私が一番ショックを受けたのが、「スーパードンキーコング シェーキ」です。驚きましたね。確かにその頃、スーパードンキーコングという ゲームソフトがばか売れで、子供に圧倒的な支持を受けていました。でも、それは ないでしょうって思ってました。バナナ味のシェーキにチョコをトッピング。当時のキャッチ フレーズみたいなのが、「あのスーパードンキーコングがシェーキに なりました」。なんじゃそりゃ。とにかく驚きました。当然、お客さんも困惑 していて、「どんなシェーキなん?」とよく聞かれましたね。そんな中でも一番 笑わせてもらったのが、これまたドライブスルーのマイクで、「スーパー ドンキーコングシェーキって、ゴリラの味がするん?」と叫んでくれた お客さん。しばらく笑いが止まりませんでした。それで、少したってから 販売終了に。「当然の結果だな」とおもっていたら、しばらくして、なんと 「スーパードンキーコング2シェーキ」の販売。懲りないよね。ロッテリア。