9-1 音響システム

  
   
この章では音響理論の基本となる部分で、重要な事項であるにも関わらず、結構判ってないままほっておかれることの多い事項について簡単にまとめてある。本来だったら一番最初に来るような内容なんだけど、最初から拒絶反応を起こすといけないので、こんなに後ろに来てしまったのだ。さて、最初はシステムのお話から・・・・

  



   
9-1-1 音響システム

   

   



  
9-1-2 音響システムの設計

   



   
9-1-3 ダイナミックレンジ

  

    



   
9-1-4 ブロックダイアグラム

   

    音響機器一つ一つについても、音響システムと同じように単体では何の働きもしない部品を組み合わせて、なにがしかの機能を持たせたものだ。たとえばカセットデッキを例にとると、カセットデッキはケース、モーター、コネクター、電子基板などのさまざまな部品から構成されている。わたしたちはカセットデッキ屋さんではないので、ケースの横幅が437.5ミリだとかモーターの型番がどうだとかについてのヲタッキーな知識を持つ必要はとりあえずない。けれども音を扱う以上、信号経路については知っておく必要がある。

    図9-1-10 理解しやすさ
    信号経路はおびただしい数の電子部品によって構成されていて、この電子部品のつなぎ方を表わしたのが回路図といわれるものだ。これは修理の時や、細かい情報を読み取ったりするのに使われる。だが、回路図は読み取るのにはかなりの知識やなれが必要なことと、細かすぎて全体の流れがわかりにくいという理由から、通常ブロックダイアグラムによって信号経路の情報を読み取る。ブロックダイアグラムは電子回路をその役割ごとにいくつかに分けて、それらがどのようにつなぎ合わされているかを示すもので、まあ回路図を簡略化してよりわかりやすくなったものだと思えばよろし。

    このブロックダイアグラムが読めるようになることによって、初めて使う音響機器でもこのブロックダイアグラムさえあれば使いこなすことが出来るので、少しこむずかしい部分ではあるけれども、なんとか読めるようにしておこう。

      

  1. 信号経路

    基本的に信号は左から右の方へ流れる。つまり、入力が左で出力が右側にかかれるわけだ。ちなみにほとんどの音響機器は実際のパネル配置もそうなっていることが多い。唯一の例外は、ギター用のコンパクトエフェクタで、右が入力で左が出力だ。これは左が入力だと、(多数派の)右利きのギタリストが、エフェクタをつないだときに、ギターからエフェクタへのケーブルが足下を横切ってしまうためだ。

    図9-1-11 接触・非接触
    信号経路は、ブロックダイアグラムを見るといろいろな記号が直線で結ばれているので判かると思う。2本もしくはそれ以上の直線が交差する場合、それらがつながっているかつながっていないかを示すのには2通りの方法があるけど、最近はAの方法が主流になっている。

    図9-1-12 信号経路の交差
    Bの方法だと、図9-1-12のように複数の信号経路が交差した場合、非常にみにくくなるためだ。

  2. 加工部

    図9-1-13 加工部
    図9-1-13のように長方形は信号が何がしかの加工を受けることを示している。長方形の中もしくは近くにどのような加工がされるかが表記されている。

  3. アンプ

    図9-1-14 アンプ
    図9-1-14のように三角の記号はアンプを表わすもので、三角の中もしくは近くにどのような種類のアンプかが表記される。

    アンプというと前に出てきたパワーアンプやギターアンプを想像してしまう人も多いかもしれないが、ここではとりあえず「信号の大きさや形を変えるもの」と理解しておいてほしい。

  4. ボリューム

    図9-1-15 ボリューム
    ボリュームてのは可変抵抗器(抵抗値を連続的にかえれる部品)のこと。正確には「バリオーム」なんだけど、今更こだわってもうっとうしがられるので(笑)ボリュームで統一しておこう。これによって音響機器のさまざまなコントロールをおこなうわけだ。記号は図のように抵抗器の記号に矢印がささった記号になっている。これはアンプなんかに較べて視覚的にわかりやすい記号だよね。この記号がブロックダイアグラムの中にあったら、その音響機器のパネルには「つまみ」がついていると思っていい。(たまに基盤の中にあるボリュームもあるけどね)音量(その名の通りボリュームのことだね)やイコライザーやパンポットのつまみなんかがその代表だ。

       

  5. スイッチ

    図9-1-16 スイッチ
    スイッチというのは「テレビのスイッチをいれる。」とか割と聞き慣れた言葉だね。スイッチには2種類あって、1つは回路を入れたり切ったりする働き。「テレビのスイッチをいれる。」というときのスイッチは、いちいちコンセントと抜き差しする代りに電源を入れたり切ったりする働きだ。もう1つは回路の切り替えをする働きで、これは鉄道のポイントみたいなものと思えばいい。たとえば名鉄電車だと名古屋駅から知立に来た列車を、豊橋方面に送ったり、豊田方面に送ったり、蒲郡方面に送ったりするのと一緒で、(ああ、三河ローカル)やってきた信号の送り先を選ぶ働きだ。もちろんその逆の複数の入力信号の中から1つを選ぶ働きもする。スイッチの記号は図9-1-16のように書く。これも視覚的にわかりやすい記号だね。

    ちなみにブロックダイアグラムに書かれている入切型のスイッチは、スイッチを「切」の状態でで書いてあり、切り替え型の場合は基本ポジションが書いてある。

       

  6. コネクタ

    図9-1-17 コネクタ
      コネクタは日本語でいうと「端子」。どちらの言い方も使われる。音響機器に入出力やら電源やらいろいろなものをコードでつなぐところだ。コネクタにはいろいろな種類があって、それぞれ目的に応じて使い分けられているけど、詳しくは次章でふれるね。

       

  7. その他

    図9-1-18 その他


   


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