9-5-1 インピーダンスとは?
インピーダンスとはぶちゃっけて言っちゃえば「信号に対する抵抗値」のことだ。といってもこのままでは漠然としすぎていて良く分からないと思うので、ちょっと説明しよう。あれこれ言う前に確認しておきたいのは、音響機器が信号を受け渡しする場合、その信号の実体は、電圧でも電流でもなく電力なのだな。
図9-5-1 信号の正体は電力 |
図9-5-2 形の違う同じ電力 |
図9-5-3 音響機器に必要なのは電圧 |
図9-5-4 信号の受け渡し |
図9-5-5 ハイインピーダンスでの受け渡し |
図9-5-6 ローインピーダンスでの受け渡し |
9-4-2 インピーダンスの整合
さてローインピーダンスで信号を出力するまではいいとして、今度は信号を受ける側のインピーダンスをどうしようかという問題がでてくるわけだな。
図9-5-7 インピーダンスの整合 |
さて今度は出力側のインピーダンスに比べて入力側のインピーダンスが大きい場合。この場合は伝送ロスはあるものの、一応信号の受け渡しは出来る。
最悪なのは出力側のインピーダンスに比べて入力側のインピーダンスが低い場合で、この場合は信号の受け渡しが上手く行かず、歪みや高域の劣化を生じる。だから音響システムでは出力側のインピーダンスに比べて入力側のインピーダンスが低い事は絶対にあってはいけない。で、出力インピーダンスが特定できない場合はどうするか?残念ながら(特にPAの世界では)出力インピーダンスが特定できない状況がほとんどなので、音響機器の多くは比較的高いインピーダンスに対応できるように、入力インピーダンスを高くとってあるのだ。同じく出力も、送り先のインピーダンスが判らないので、結構低いインピーダンスで出力するようになっている。これを一般に「ロー出しハイ受け」といっている。(まんまやな)ちなみにDIなんかは相手がベースのピックアップなどの超ハイインピーダンス(数100kオーム)なので、パッシブタイプで数十kΩ〜数100kΩ、アクティブタイプのものは1MΩ以上もの入力インピーダンスになっていて、出力インピーダンスは600Ωになっている。