ある音響機器から別の音響機器に信号を送る場合には、普通ケーブルを使って信号を受け渡す訳なんだけど、この信号の受け渡しの方法にはバランス方式とアンバランス方式があるわけなんだな。結論から先にいうと、バランス方式の方が外部からのノイズに強く、信号の受け渡しには優れている。
9-6-1 ホット・コールド・グランド
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図9-6-1 電球と電源 |
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図9-6-2 ケーブル |
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図9-6-3 信号の波形 |
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図9-6-5 外部ノイズの混入 |
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図9-6-6 バランス方式 |
9-6-2 バランス方式
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図9-6-7 信号の流れ |
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図9-6-8 ノイズの混入 |
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図9-6-9 ノイズキャンセリング効果 |
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図9-6-10 トランスレス方式の出力と入力 |
入力側はこの逆で、ホット側はバッファーアンプを通して、コールド側は位相反転回路を通してその2つを混ぜ合わせる。(実際の回路の多くはこの2つのアンプを、オペアンプ1つにやらせている)ちなみにここでは余り関係ないけど、2つの信号を足すんだから入力されてアンバランス方式になった信号のレベルはこの時点で2倍の大きさ(6dB増加)になっていることになる。
9-6-3 アンバランス方式
で、確かに信号をやりとりするのにはバランス方式がいいんだけど、コネクターやケーブルが割高になるし、音響機器も回路が複雑になるというデメリットがあるわけで、比較的安価な音響機器の入出力にはアンバランス方式が使われるのだ。
アンバランス方式というのは、バランス方式のグランドをコールドと兼用にして、ホットとグランドの2本で信号をやりとりする方法だ。バランス方式の時は信号の流れなかったグランドにも音声信号が流れるわけだ。このアンバランス方式は、みんなの周りにある機器にはよく使われている。オーディオ用のピンケーブルや、楽器用の2Pケーブルなどだな。またパワーアンプとスピーカーをつなぐケーブルのように信号レベルが十分に大きく、インピーダンスが十分い低いときにはバランス方式にしてもアンバランス方式にしてもさほど変わりがないので、安価に出来るアンバランス方式にすることが多い。大体スピーカーケーブルなんかはシールドもしていないでしょ?(スピーカーケーブルはシールドケーブルにすると逆に、静電容量の問題が出てくる)