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- リバーブ
なんといってもなくてはならないのがリバーブ。ボーカルの一部と考えて、他の音源以上に注意深く設定する。一般的にはプレート系のリバーブが多用される。これはプレート(鉄板)リバーブの明るい響きがボーカルに良く合うためだ。
バラードなどでよく聞かれるシビリアンス(歯擦音。日本語ではサ行の音に多い「しゅっ」っといった音の事)を強調したようなリバーブは、プレート系のリバーブをローカットしたり、高域のリバーブタイムを低域に対して長くするなどして作った物だ。(高域のリバーブタイムが低域のリバーブタイムに対して大きい残響など、自然界には存在しないが、デジタルリバーブなどを使えば簡単に実現できる。)
ボーカルに使うプレートリバーブは、比較的はっきりとメーカーや機種の音の差が出やすいので、プロのエンジニアにはそれぞれお好みのボーカル用リバーブがある。比較的ソニーやレキシコンなどのメーカーのリバーブが得意とする系統の音だ。
また特殊な効果としてリバーブタイムを1sec辺りにすると響きの殆ど感じないダブリングのようなリバーブになる。
ボーカルにかけるリバーブは、なにも1台に限られているわけではないので、キャラクターの違うリバーブを組み合わせることもよく使う方法だ。(例えばリバーブタイムの1.5sec位の短い物と2.5sec位の長い物の組み合わせとか、プレートとホールリバーブの組み合わせなど)
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- ディレイ
ディレイをボーカルに使う時は、ロングディレイで歌詞の一部を何回か繰り返させる使い方が多い。これは今や当たり前になった使い方ではあるものの、言葉が繰り返すことのインパクトは結構大きいので、曲の中でアクセントをつけるエフェクトとしては未だによく使われる。また少し前までは、一拍ディレイを薄目にボーカルにかけっぱなしにするという使い方もよくあった。
その他には特殊な効果を狙って30msec位のシングルディレイでダブリングしてみたり、200msec位のリピートディレイを使って、カラオケのような感じや60'sの様な感じを出すといった使い方もある。
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表7-6-2 ボーカルのエフェクト |