4-2 トラック割り


   
4-2-1 トラック割りとは?

   




  
4-2-2 トラックが足りない場合

  

    トラック数とお金は、いくらあっても困らないのだが、実際にはどちらも限界がある。お金の場合は、パチンコとか競馬とか宝くじのようなすばらしい打開案があるのだが、トラック数はどう頑張っても増えてくれない。で、考えると方法論としては3つある。(宝くじをあてて、新しいMTRを買うというのは、なしね。)

      

  1. トラック数に合わせて入力数を少なくする

    「ドラムに使うマイクを10本から8本にする」などの単純にインプットを減らす方法と、「タムなどの複数の音源を、録音の時に音作りをして、LRの2トラックにまとめる」方法がある。足りないトラックがあと2トラック位の時は、この入力数を削る方法が一番手っ取り早い。

      

  2. ベーシック録音とオーバーダブの間に、サブミックスを作る

    サブミックスとは、ミックスダウンの前に、録音した音源をあらかじめミックスしてしまう事。全ての音源をミックスしなくても、足りないトラック数分だけトラックが空けばいいので、タムだけとかドラムだけ、ドラムとベースだけという様に必要に応じて必要分だけミックスする。もちろんサブミックスが完成した後は、元のトラックの音源は消しておく。但しこの方法は、ピンポン(後述)する事による音質の劣化を気にしなければならないし、ミックスダウンの時にバランスや音質を変えたいと思っても、サブミックスしたあとでは細かい音作りが出来なくなってしまうので、必要最小限にとどめておいた方がよい。(全ての音源をミックスしてしまわずに、必要悪と考えて最小限のトラックのミックスにとどめるということだな。)

    ちなみにこの2つの方法は、エフェクターを有効に使えるという副次的なメリットもある。例えばコンプレッサが2回路分しかない場合、サブミックスでドラムミックスを作る時に、キックとスネアにコンプレッサを使い、さらにミックスダウンの時にベースとボーカルにコンプレッサを使えば、2回路分のコンプレッサを4回路に使えるわけだ。

      

  3. 同期信号を使って複数のMTRを同期させる

    ケチなこと言わずにトラック数を増やしてしまおうという考え方だな。増やすと言っても単純に2台のMTRのトラック数の合計になるわけじゃなくて、基本的には同期信号用に各に1トラックずつ必要で、また同期信号の隣のトラックはお互いの干渉を避けるために空けておいたがいい。従って24トラックの2台を同期させた時のトラック数は24+24-4=44トラックになる。同じく24と8の組み合わせでは28トラックになる。デジタルMTRは同期信号用のトラックを別で持つことが多いので、単純にトラック数を足せばいい。