このパーツほど、安上がりでしかも手軽にフィーリングの違いが体感できるモノがあるだろうか?
マスターシリンダーは、ブレーキフルードを圧送するための力を発生させ、各ブレーキの動作を行う装置。エンジンルーム内のブレーキフルード・リザーバタンク下のシリンダーがそれ。
マスターシリンダーストッパーは、早い話がマスターシリンダーにつっかえ棒をする金具。これでどのような効果があるのかというと、マスターシリンダーはマスターバック(ブースター:倍力装置)と共にボディパネルから出っ張るかたちで取り付けられている。実はこれがブレーキペダルを踏む度に前後に動くのである。(実際にブレーキペダルを踏んでもらって見てみましょう。)新車のうちはあまり目立たないとは思いますが、年数が経ってきたり、激しいブレーキングを行うスポーツ走行をしている車では、シリンダーを支えているボディパネルがグニャグニャになり、ブレーキを踏んだときのフィーリングが悪くなる。そこで、マスターシリンダーストッパーで”つっかえ棒”をして、ペダルを踏んだときの力を逃がさないようにする。これによりブレーキタッチの改善がなされる。
取り付けは簡単。車種により違いはあるものの、たいがいの車種で2〜3ヶ所のネジ止めでOK。ストラットタワーバーに同居しているタイプなどもあります。S13系(シルビア)の場合もネジ3点止め。金具を取り付けた後、マスターシリンダーに対してつっかえをするためのボルトを調整して終了。このときつっかえ棒の調整は、マスターシリンダーに直接当たるようにするよりも、数ミリ離したほうがいいようです。
私が装着しているのはクスコのマスターシリンダーストッパー。購入価格は5000円程度だった。しかし、ここで問題が発生した。クスコのマスターシリンダーストッパーはターボ車(K's、180SX)用だった。何が問題かというとNAであるQ'sと、ターボであるK's、180SXとではマスターバッグの大きさが違い、Q'sのほうがひとまわり小さかったのである。そのため、つっかえ棒がシリンダーにとどかない。だが、ここであきらめなかった。本来のつっかえ棒は、シリンダー前のヘコミにハマるような加工がしてあるものの、市販のボルトと同じ。D.I.Yショップへ行き、同じサイズのボルト径で、より長いものを探し当て、無事に代用品として活用することができた。(ボルトは100円程度)
最初に使用したときの印象は、ペダルを踏んだときにカチッとした”しっかり感”が増したという感じ。ブレーキパッドを強化品に交換したような感触とはまた違ったものである。ブレーキタッチに不満のある人には、スポーツ走行の有無に関係なくオススメです。装着はブレーキタッチ(ボディパネル)がグニャグニャする前にした方が効果的だと思われます。今すぐ試してみては?