99.11.01

勝手にチューニング論(1)


チューニングとは


自分がチューニングという言葉を意識したのは、マンガの中でセリカXXのエンジンにニトロを噴射して加速したり、CR-Xをツインエンジンにしてゼロヨンをしたりというのを見てからだ。小学生の自分にとっては、車自体が特別であったし、チューニングマシンとなればそれ以上の存在だった。

最近ではごく普通に、ワゴンやセダンでも大きなテールのマフラーに交換している。この場合、見ためを良くするとか、交換後の排気音を楽しむなどといったファッション的な意味が大きく、自分が思っているようなチューニングとは方向性が違う。「車をこうしたい!」と考えて行う改造という意味では、チューニングではあるだろう。では、自分が考えるチューニングはというと、

  1. 車の本来の性能を引き出すチューニング(リファイン・調整)
  2. 車の性能を向上させるチューニング(仕様変更・機能増強)

大きくはこの2つに分けられる。前者はメーカーが設計した本来の性能を最大限に引き出すことを求める。それに対して、後者はメーカーの設計を変更すること。パーツを交換するなどして本来の性能以上に車を仕上げていくことを求める。

自分はこれでも技術者である。設計というものがどのようなものか、少なからずわかっているつもりだ。車の設計者も我々と同様に、いろんな要素を加味して設計をしているはずだ。十分にマージンを考えて設計するのがいちばんではあるが、メーカーとしては当然儲けを得なければ成り立たない。設計者には出来る限りコストを削ることが要求される。「マージン」と「コスト削減」をハカリにかけつつ、”最高の設計”を目指す。こうして、設計者をはじめとする多くの人達が莫大な費用と時間を費やし、車が設計・製作され、市場に出るのである。それを考えた場合、安易なチューニングをすれば車のバランスを崩すことになり、最悪は車を壊すことになるだろう。どこかを強くすれば、その周辺の弱い所に負担がでる。そのことを無視することはチューニングにおいて無謀と言える。車を”使い捨て”として扱うのであれば別の話だが...



性能維持のためのチューニング(リファイン)


車の性能を維持するためには、消耗部品の定期点検と交換が必要になる。オイル交換を数千キロ毎に行うように、どのパーツについても交換時期がある。タイヤ、プラグ、エアクリーナー、ブレーキパッド&ディスク、ショックアブソーバー、サスペンションブッシュ、クラッチ、ファンベルト、タイミングベルト、バッテリー、センサ類...車は消耗品のかたまりであることがわかる。「車が壊れた」と言う人や、「最近故障が多いから、もう買い換えかな」と言う人がいるが、よくよく聞いてみると部品の寿命が来ただけだと思える内容が多い。定期的な点検をし、消耗部品を交換することで大きなトラブルが減らせるはずである。



本来の性能を引き出すためのチューニング(調整)


車は、生産時に個体差が出る。エンジンに”アタリ”、”ハズレ”が少なからずあるようだ。”ハズレ”であればそれを”アタリ”に近づけることはできる。まあ、新車をいきなりチューニングしようとは思わないはずなので、この場合は競技車両に仕立てるなどの特殊な事例。一般的には、年数が経っている車のオーバーホール的な意味合いが大きい。本来の性能が発揮できるようになれば、かなり調子がいいと感じられるはずだ。それだけで満足できる人も多いだろう。自分も車をベストの状態にすることが大事であると考えている。極端な話、自分の車をベストな状態にしても満足できなければ、他の高性能な車に乗り換えたほうがいいと考える。そのほうが無駄なお金を使わずに済むからだ。それでも「自分の車を何とかしたい」という気持ちが更なるチューニングへと導くのではないだろうか。


つづく



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