キャラクターグッズ・リポート●●
vol.5
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2000.5.29掲載●●

text by Toshio Mizuno●●
Illustration by Harumi Mizuno●●
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●データ●
ドラえもん誕生30周年記念感謝企画
F's COMPLETE WORKS
藤子・F・不二雄複製原画集

2000年3月10日発売
 (小学館/
6,000円+税
●●発行部数12,903部限定

ファンには感動の、
藤子・F・不二雄先生の複製原画集!
オリジナルの漫画原画を忠実に再現。
一冊ずつシリアルナンバーが入った完全限定品。

●ある日本人留学生からのローマ便り
●てぶくろてっちゃん
●すすめろぼけっと
●パーマン「バード星への道」
●ウメ星デンカ「ああ忠臣ベニショーガ」
●21エモン「宇宙の墓場から」
●モジャ公「アステロイド・ラリー」
●ドラえもん「おばあちゃんのおもいで」
●異色短編「劇画・オバQ」
●新オバケのQ太郎
●ドラえもん「ゾウとおじさん」
●キテレツ大百科「ワガハイはコロ助ナリ」
●ドラえもん「帰って来たドラえもん」
●SF短編「みどりの守り神」
●ドラえもん「ゆうれい城へ引っこし」
●エスパー魔美「雪の降る街を…」
●T・Pぼん「見ならいT・P」
●ドラえもん「タンポポ空を行く」
●ドラえもん「天の川鉄道の夜」
●エスパー魔美「スター志願!!」
●大長編ドラえもん「のび太の恐竜」
●大長編ドラえもん「のび太の魔界大冒険」
●大長編ドラえもん「のび太の宇宙小戦争」
●大長編ドラえもん「のび太の日本誕生」
●大長編ドラえもん「のび太とアニマル惑星」
●未来の想い出
●大長編ドラえもん「のび太とブリキの迷宮」
●大長編ドラえもん「のび太と夢幻三剣士」
●大長編ドラえもん「のび太の創世日記」
●大長編ドラえもん「のび太のねじ巻き都市冒険」
全30作品より抜粋収録。

●原画を飾る鈴付きフレームも販売!
本物の鈴付き・特製原画フレーム
 (小学館/5,000円
●●2000年12月末日申込み締め切り
希望者全員に販売される
シリアルナンバー入り特製フレーム。
申込みは原画集同梱の申込書のみで受付。

●ネット上からオンライン販売中
小学館の以下のサイトから、
オンライン販売中。
最寄りの書店での受け取りや、
宅急便も指定できて便利。
情報リンク:小学館/藤子・F・不二雄複製原画集
●●●●●●紹介・申込みサイト


藤子・F・不二雄複製原画集
そこに感じる不思議な暖かさ

まず初めに、「複製原画集」とは何ぞや?という方の為に説明します。通常の画集が、「絵を鑑賞する為の物」だとすると、複製原画集は「作者自身を感じる為の物」と言えるかもしれません。
今回発売された「
藤子・F・不二雄複製原画集」は、藤子・F作品の初期の短編から、大長編ドラえもんの後期の作品までの中から、それぞれ1ページ、あるいは見開き2ページを抜粋し、忠実に「漫画原稿」を複製印刷したものです。1954年の両国下宿時代に描かれた「ある日本人留学生からのローマ便り」(昭和29年/漫画少年11月号)から、1996年の藤子・F先生の最後の作品「大長編ドラえもん・のび太のねじ巻き都市冒険記」(平成8年/コロコロコミック9月号)のカラー扉絵までの30点。「パーマン」の感動の最終話や、異色作「劇画・オバQ」の最終ページなどの貴重な原稿や、ドラえもんの名作「おばあちゃんのおもいで」や「帰って来たドラえもん」「ぞうとおじさん」など、また「大長編ドラ」のカラー原稿の数々などは、ドラファンにはたまらないセレクトとなっています。

生の「漫画原稿」って、実は製版・印刷所への色指定などの手書きの指示があちらこちらに書き込まれていたり、ホワイトの修正のあとや塗りむらが見えたり、切り張りがあったりして、結構汚い?ものなんですが、そこには印刷では刷られない作者の苦労の跡が刻まれています。今回の「複製原画集」は、その原稿用紙の指示書き、修正跡、汚れ、紙の質感、剥がれた写植のノリ跡までも忠実に再現・複製しています。原稿1枚1枚はバラバラの状態で箱に納められ、それぞれは当時描かれた原寸の原稿サイズです。製版時に切られたのであろうカラー原稿の四隅の欠けや、見開き原稿2ページ分が真ん中でテープで接続された状態まで再現する懲りようです。まさに生の原稿を手に取って見ている!ユメのような錯覚に陥るのです。
一枚一枚の細かなペンの運びや、美しい発色の丁寧に彩色されたカラー原稿を見ていると、やはり
藤子・F先生の人柄の様なものが見えてきて、不思議な気持ちになりますね。じっと見ていると、通常に印刷された単行本では見えてこない作者のこだわり細かなニュアンスが見えてくる。ファンには涙ものの一冊だと思います。
最後、複製原稿が収められている箱の底に書かれた、藤本正子さん(藤子・F・不二雄夫人)のお言葉も暖かいですね。藤子・F・不二雄先生が、「
絵が下手だ、下手だ」とご自身を卑下なさっていた事や、原画から藤子・F先生を愛おしむお言葉が聞けて、ジーンと感動してしまうのでした。

また、原画集には一冊一冊にシリアルナンバーが付いていて、原画一枚一枚にもナンバー刻印が押されています。
ちなみに僕のシリアルナンバーは
00293 でした。(惜しい!1293だったらね〜)

こういう企画は嬉しいですね。ぜひ続編も期待します。



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