アブクマポーロの夢は続く |
師走の晴れた日、大井競馬場へある馬の勝利を願って向かった。 思えば昨年の6月の帝王賞のパッドクでその馬を初めて見たのだが、 何かとてつもない勢いを感じ、きっと激走してくれるのではないかと。。 そのレースでは中央のフェブラリーSの覇者シンコウウィンディが一番人気で、 他にもJRAの馬が上位人気であった。 南関東の馬が弱くなったと言われて久しくなるが、 レースは下馬評を吹き飛ばすように大井の雄コンサートボーイが激しい叩き合いのうえ制した。 結局その馬は惜しくも2着であったが、 これからきっと何かでかいことをやってくれると確信させるすばらしい走りであった。 その後、彼は連勝街道をまっしぐらに走りつづけ、 中央・地方交流のウィンターSでも中央馬を蹴散らして圧勝し、 自分の予感は正しかったと思わせてくれたのである。 暮れの東京大賞典では距離の壁か、 調子が今一歩だったのか3着に沈み連勝がストップして、 その年は幕をとじた。 でもまだこれから。。。次は勝つぞと誰もが思ったであろう。 年を明けてからも、彼は皆の期待を一身にうけ連勝し続け、 帝王賞もその勢いで圧勝したのであった。 それは真のダート王であることを証明した瞬間であった。 連勝は続く。もうだれもまさか彼が負けるとは思わなくなってきた。 ところが、必勝を期して臨んだ南部杯で意外にも一年ぶりに3着に沈む。 もしかして、もう衰えがきたのだろうか?7歳という馬齢は微妙なところだ。 そして、迎えた東京大賞典。これで勝ってこそキングオブキング、 砂の王であることが証明される。 来年8歳となってはこのタイトルが得られる確証はなく最後のチャンスかもしれない。 中央のG1の時のような大観客の見守る中レースはスタートした。 今年からは距離が2000mに変更し、本当に強い馬が勝つはずだ。 レースは平均ペースで進み。意外にも、 彼が前々走で後塵を拝したメイセイオペラが先頭に立たず、 今年のフェブラリーS覇者グルメフロンティアは後方待機。 彼は中段より前の好位置にひかえ、スパートのタイミングをはかる。 3コーナーではオーロラビジョンは前からの映像に切り替えられ、 どよめきがとどろく。 ”さー来い。来い。来い!” メイセイオペラが一瞬先頭に立つかに見えたが、 直線であっという間に抜き去り先頭でゴールに飛び込んだ。 夢は続く。ドバイヘ向けて! 東京大賞典結果
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