種牡馬8年周期理論

血統的な興味を持ちはじめた頃、櫃石記者によって広く啓蒙された理論です。
8年目の周期を迎えたトニービン、ブライアンズタイム、サンデーサイレンスという名種牡馬たちが、
そろって大活躍をする実績を目の当たりにして、この理論への注目度も再び高まってきています。
表紙に戻る

2003年4月30日(水)かや記者報

種牡馬8年周期理論は、著者中島国治がフェデリコ・テシオの言葉より推測し、本著者が見出したものです。 フェデリコ・テシオは凱旋門賞を勝ったリボーを生産したイタリアの名生産者です。 なぜ8年かということは、きちんとは書いてはなかったのですが、太陽の周期が、生態に与える影響は大きく、 閏年が4年、この2倍の8年に太陽の周期があることを、経験的に示しています。 例えば人間の厄年が8の倍数+数え年を加えたものもこのことから来ているのもこのためと推測しています。

では、この8年はどこを基点とするかですが、誕生日の1ヵ月後、正確には受胎日の1年後です。 このときを、生態エネルギー0として始まり、8年後2.0の最高値に達するように、1年0.25づつ増えていく。 そして8歳になると、4週間でまた0にもどり、新たな周期が始まるというものです。

ここからあとは、櫃石理論となります。

櫃石さんの言っていた8年周期と、本著者の述べている生態エネルギーを比べてみると、 トニービン(1983年生)、ブライアンズタイム(1985年生)、サンデーサイレンス(1986年生)を考えて下記のようになります。

1993年(90年生)トニービン1990-1983-1=6歳 ⇒ 1.5
1994年(91年生)ブライアンズタイム1991-1985-1=5歳 ⇒ 1.25
1995年(92年生)サンデーサイレンス1992-1986-1=5歳 ⇒ 1.25
2001年(98年生)トニービン1998-1983-1=14歳 ⇒ 1.5
2002年(99年生)ブライアンズタイム1999-1985-1=13歳 ⇒ 1.25
2003年(00年生)サンデーサイレンス2000-1986-1=13歳 ⇒ 1.25

となって、8歳の誕生日までが最高となるはずなのですが、これより小さいときに、現れているのは、 牝馬血統とのバランスを考え名種牡馬の血を受け継ぐためには、あまり、大きすぎると、 先祖の隔世遺伝を拾いやすくなるためと考えられるため(?)です。

過去の名馬を考えると(血とコンプレックスより)

ミホノブルボン父マグニチュード=13歳 ⇒ 1.25
ライスシャワー父リアルシャダイ=9歳 ⇒ 0.25
メジロマックイーン父メジロティターン=8歳 ⇒ 2.00
トウカイテイオー父シンボリルドルフ=6歳 ⇒ 1.5

ちなみに、ライスシャワー父が0.25と低いため母の隔世遺伝を受けやすく、母先祖のニッコデラルカ(ネアルコの半弟、伊ダービー馬)の血を受け継いでいると考えられます。 マックイーンは2.00Exp(父の生日と出産予定日が同じ)のため、父の遺伝をそのまま受け継ぐケースになっています。 特別なケースがない限り、満年齢で5,6,13,14歳で種付けを行った時の子供が良い傾向にあります。

またサンデーサイレンスの子供では(うどんこの苦悩 サンデーキッズ参照)

SS種付年齢(指数)重賞勝ち頭数G1勝ち頭数
92年産5(1.25)125
93年産6(1.50)73
94年産7(1.75)51(+1)
95年産8(2or0)81
96年産9(0.25)113
97年産10(0.50)103
98年産11(0.75)144
99年産12(1.00)61
00年産13(1.25)74

となり、99年、00年産の勝ちが少ないのは今後増えるために別として、94、95年産が非常に勝ち頭数が低くなっています。 となると、今年の00年産駒はSSの年、BTは今年も大丈夫で、通シーズンで種付けの最後となったTBにとっては、厳しい年になることが、予想されます。

では、来年は??に対しては、
スペシャルウイーク、エルコンドルパサーとも 1995年生れ 2000年は5歳で素質充分です!!


(本紙コメント)
丁寧なデータ分析、どうもありがとうございました。
レポート中にフェデリコ・テシオが紹介されているので、彼についてコメントさせていただきます。
イタリアの天才馬産家としてあまりにも有名なテシオは、 配合に関するさまざまな名言を残しています。血統について書かれている本であれば、必ずといってよいほど彼の言葉の引用を見ることができるのですが、 自分としては、本人の著作をぜひ読んでみたいところ。JRAから「サラブレッドの研究」というテシオ本の訳本が出ているのですが、 手に入らなくて苦労しております・・・

2003年4月26日(土)櫃石記者報

何故だかは忘れたけど、種牡馬の好調期は8年の周期があるというもの。
これは「血とコンプレックス」(中島国治著)という知ってる人は知っている競馬の名著に載ってた話です。この本いま何処にあるんだろ?僕の記憶が確かであれば栢君持ってない?
この説を思い出したのが、一昨年のジャングルポケットの活躍。
トニービンが初年度産駒でウイニングチケット、ベガ、ノースフライト等のG1ホースを送り出した年からちょうど8年たってた。それから、去年のクラシックはBT産駒が活躍すると予言したわけで、見事ノーリーズンとタニノギムレットという2頭のクラシックホースを送り出した。ナリタブライアン、チョウカイキャロルから8年たっていた。
トニービン、ブライアンズタイムに続きサンデーサイレンスが登場するわけであるが、SSの場合毎年のように活躍馬を輩出しており、果たして初年度が好調期と言えるのかどうか疑問であったが、近ちゃんにこれを言ったところ、G1ホースが一番多いのは初年度とのこと。
というわけで、今年はSS産駒がいつも以上に活躍するだろうと前々から言っていたのであった。
なので、みなさんオークス、ダービーもSS産駒に逆らわずに行きましょう!
近ちゃんが日記に書いている通り
桜花賞、皐月賞での惜敗したアドマイヤグルーヴとサクラプレジデントがかなり有望だと思います。人気になるだろうけどね。
アドマイヤグルーヴは母系がオークス血統ですし、
サクラプレジデントは母父マルゼンスキーでスペシャルウィークと同じなので文句なしです。

では!

#なんで8年か?の答えにはなってないけど・・・
で、来年は何?


(本紙コメント)
来年は何?に対してコメントしておくと、 新しく産駒を送り出す種牡馬による、8年周期の起点の年となるのではないかと予想します。 2000年初供用(初産駒が今年2歳)の注目すべき種牡馬としては、スペシャルウィークエルコンドルパサーという、 競走馬として一時代を築いたスターホースが顔をそろえます。 すでに亡くなってしまったエルコンドルパサーの場合は8年周期の確認は不可能なため、 スペシャルウィークの活躍に特に期待といったところでしょうか。 最近勝馬予想は不調ですが、種馬予想は的中を祈ります。