![]() |
![]() |
アメリカで1950年代半ばにスーパースライドと言われる4x4cmサイズのカラースライドが流行し、各社一斉に127フイルム使用の4x4判カメラを出した。その中には戦前のベビーローライを1957年に焼き直したローライ44があった。ローライらしく高級感に溢れ金属部はグレーのエナメル仕上げにグレーの革張りとお洒落な外観であった。え?ちょい待てよ、じゃあ上の写真はなにさ? ヤシカの紹介じゃないの? とココまで読むと思われるであろう。そう、そのローライが出た翌年にヤシカから出されたのがこのヤシカ44であり、どう見てもローライに似ているのだ。 勿論ながら値段はヤシカの方がずっと安いわけで黙って見ているわけにはいかず違法コピーとして訴えられたのである。実は、それまでの日本のカメラメーカーは殆どがライカやローライなどの模倣品であった。しかし、この件を発端に日本機械デザインセンターが設立され、官民一体となって模倣防止に努めるようになり、以後日本のカメラメーカーは独自の道を歩むこととなるのであった。そういった意味からすると、このカメラの存在が日本のカメラ産業に与えた影響は大きいといえよう。 さて、肝心のカメラ自体だが流石にローライが標的としただけあって見た目はなかなかである。操作系もセルフコッキングではないもののレバー巻き上げを採用するなど高級感がある。ただ、やはりセルフコッキングや二重撮影防止機構が無いので二重に撮ってしまったり撮らずに巻き上げたりと失敗することは多い。スペック的には3枚玉だが写りは申し分なくカラー時代のレンズなので発色も良く周辺の光量も十分だ。また、シャッターも1/500まで備えているので撮影条件を選ばず使える。 惜しむらくは127フイルムが入手しにくい点だけだ。 こいつを今35ミリフイルム仕様に変更して発売したら売れると思うのだが京セラじゃあやらんだろうなあ〜(^^) |
|