SMENA-8M


ボディーはプラスチックでまるでトイカメラのような雰囲気だが、良く見ると意外な面が多く、不思議なカメラだ。確かにボディーは安っぽく、裏蓋のヒンジさえ無いありさまなのに、銘板は金属で出来ている。そして、肝心要のレンズはどうやらガラスのようだし、鏡筒はきちんとアルミでできている。シャッターボタン中央にはレリーズ穴もあるし、レンズ脇にはシンクロ接点もある。しかし、一番驚かされたのはファインダーだ。透明プラスチック2枚でできた透視式と思いきや、なんとこれがアクリルの無垢ブロックなのだ。実にクリアな材質でレンズにも使えそうなくらいのものである。巻き上げノブはプラスチックで直にスプールを回すように成っているが、一方の巻き戻しノブや、カウンターはアルミ削り出し材が使われている等々なんともちぐはぐな仕様になっている。
こんなスメナだが、こいつの魅力はレンズにある。T−43と言い、3枚玉で開放F4・最小絞りF16の平凡なものだが、なんとスメナ6の時代から現在のスメナ35に至るまで40年も造り続けられている。40年の長きにわたって造り続けられるには訳があり、撮ってみれば一目瞭然、眼から鱗が数枚落ちることであろう。
なお、巻き戻す時はシャッターボタンを押し下げたままで行うのだが、フイルム室の形状を見ると、どうやら初代スメナ同様にダブルマガジンでの使用を考えているようであり、スプールの無い物が多いのはそのせいかも知れぬ。
製 造 国
旧ソ連
形式・タイプ
35mm簡易カメラ
画面 サイズ
24×36mm
シャッター
3枚羽ビハインド式
B、 1/15、30、60、125、250
レンズ T−43(トリプレット)
F4、 5.6、 8、 11、 16
ファインダー
透視式
製造年度
1970〜80年台初頭
メーカー
LOMO