ニコンレンズのイメージのステレオタイプとしては「シャープだがボケが汚い」あるいは「何を撮っても無機質になる」等々で誰かが放った言葉が一人歩きしているように思えてならない。僕はいつでも物事を斜めに見る傾向があるので、ニッコールでポートレートを撮ってもいいじゃんか、といったノリでお気に入りの焦点距離である85ミリF1.8を手に入れて使ってみたら前述の評価?は全くあてはまらないどころか、かなり満足のいく仕上がりに驚いたものだ。そこで、ニッコールに興味を抱き調べてみると実に長寿命なレンズがあることに驚かされた。その中の1本が105ミリF2.5である。なんと歴史は遡ること1949年設計、1954年発売のRFマウント用レンズまで行き着く(当時は3群5枚のゾナータイプ)のである。その後1971年に設計変更されここに紹介したAuto-Nikkorとして世に出てからAi-Sの現在まで基本は変わらずに供給され続けている。長寿ということは、それだけ市場に受け入れられているということ、そして満足度が高い証でもある。これは一度手にしてみないといけないということで入手した。F2.5という開放値はこの焦点距離としては明るい方だが以外とコンパクトにまとまっていて実に手になじむ。F1.8の巨大な鏡胴よりも好感が持てる。
描写については、設計者がポートレートを意識してあえて近距離における収差を残したというだけあって綺麗なボケを提供してくれ安心してポートレートに使える。もちろん風景にもボケが五月蠅くならないので好適だ。
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製 造 国 |
日本 |
マウント |
ニコン F マウント |
焦点距離・開放F値 |
105mm ・ F2.5 |
レンズ構成 |
4群 ・ 5枚(クセノタータイプ) |
最小絞・最短撮影距離 |
F32 ・ 1m |
製造年度 |
1971年〜現在 |
メーカー |
日本光学 |
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