なんでもかんでもコピーの多い旧ソ連製写真レンズの中でもユニークな存在がこのルサールである。KMZの技術者が設計した画角95度の超広角レンズは前群と後群が完璧にシンメトリーになった4群6枚のシンプルな構造でできている。ミラーボックスを持たないレンジファインダー用のレンズ故になせる業であるが、この広角レンズに理想の構造のためか、超広角にありがちな歪みを殆ど感じさせない優れた描写をする。しかもF5.6と解放F値は暗いものの周辺光量の低下もごく僅かでF11くらいまで絞れば殆ど気にならない程度まで押さえられている。更に、超薄型で僅か75gと軽量なのでバルナック型ライカ(いやゾルキーか)にベストマッチング。そしてだめ押しは、ファインダーの見やすさである。僕のは旧型の丸タイプだが最近のは角型でパララックス補正まで付いている優れものになっている。これを手にしたのならスーパーアンギュロンなど欲しく無い(もっとも高くて手が出ないが^^)と言わせるだけの優れたレンズである。ロシアン・フリークならずともぜひ試していただきたい1本だ。 ただ、当たりはずれの激しいレンズだけに購入時は実写見本のあるものを購入することを勧める。 |
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