キエフの生い立ちと同様にキエフ用のレンズも初期の段階ではコンタックス用のパーツを用いて製造されていたようだ。そして、それら初期のものにはクラスノゴルスク製ゾナーの頭文字であるZKが刻まれている。コレクターの中にはZKを珍重する趣きもあるがレンズのコーティング等は後期のものほど良く当然ながらカラーバランスも良い。そして、ここにあげたジュピター11も正しくゾナーの血統を受け継ぐものである。このレンズは他にもLマウントやM39ゼニットマウントでも供給されているがレンジファインダーの場合はキエフ、コンタックスのように基線長の長いボディーでないとピント精度を保つのが難しい。もっともキエフでもピントは合えどもフレーミングや望遠による遠近感はレンジファインダーでは難しいので本家ゾナーでさえも手頃な値段で見かける。ましてやジュピターともなれば更に手頃な価格で入手できるのでゾナーの写りを試してみたい向きには丁度良い一本だといえよう。
さて、上のジュピターだが何かおかしくありませんか? そう、カール・ツアイス・イエナの文字が読めると思うのだが、たぶんこの部分だけホンモノ?の部品を付け替えたのだろう。私は、こういう馬鹿げた遊びが好きなので、ついつい買ってしまったのである。 |
製 造 国 |
旧 ソ連 |
マウント |
キエフ・コンタックスRF |
焦点距離・開放F値 |
135mm ・ F4 |
レンズ構成 |
3群 ・ 4枚 |
最小絞・最短撮影距離 |
F22 ・ 1.5m |
製造年度 |
1950年〜1970年代後半 |
メーカー |
KMZ or KAZAN |
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